レクでも使える!椅子に座ってできる簡単な介護体操3選!おすすめも

2023.10.10

高齢者でも取り組みやすい介護体操は、簡単で続けやすいのが魅力です。介護支援自立体操士や介護予防運動スペシャリストといった体操指導の資格もあります。要介護予防にも効果があるため、介護体操は重要視されているのです。

この記事では、高齢者が体操をするべき理由や、椅子に座ってできる体操などを紹介。高齢者施設などでのレクにも活用できます。記事を参考に、ぜひ取り組んでみてください。

高齢者が体操をするべき理由は?

高齢者が体操するべき理由には、身体機能の維持と向上や、孤立感の解消などがあります。

高齢になると体を動かすのが億劫になりがちです。しかし、運動不足は身体機能の低下や、外出する機会の減少に繋がります。

ここからは、高齢者が体操をするべき理由を4つ紹介していきます。理由を理解すれば、体操への意欲に繋がるでしょう。

身体機能の維持と向上

高齢者が体操をするべき理由のひとつに、身体機能の維持と向上があります。高齢になると、体力が低下したり、膝や腰に痛みが原因で体を動かすのが億劫になるでしょう。

しかし、運動不足はさらなる体力や筋力の不足に繋がり、身体機能が低下してしまいます。さらに、体が思い通りに動かなくなると、精神的ストレスも抱えるようになります。体操をすると、普段使わない筋肉が動き刺激を受け、身体機能の維持・向上に繋がります。結果、以下のような効果があるのです。

  • 血流改善
  • 転倒や寝たきり予防
  • 腰や膝などの関節痛予防

運動習慣の定着

運動習慣の定着も、高齢者が体操をするべき理由のひとつです。デイサービスなどの介護保険サービスでは、高齢者向けの介護体操をよく行っています。

自宅では運動する習慣がない高齢者でも、デイサービスなどに行けば運動する機会が得られます。また、介護体操は椅子に座ったままできるものや、身体機能に合わせ無理のない動きでできるものが多いので、高齢者でも続けやすい体操です。

運動習慣の定着に繋がり、習慣ができれば運動不足が解消され、日常生活動作(ADL)障害の発生予防などといった効果もあるのです。

孤立感の解消

介護体操は、孤立感の解消にも役立ちます。高齢になり体力や身体機能が低下すると、外出が億劫になり自宅に引きこもりがちになります。社会との交流が減り、孤立感を感じる方も少なくありません。

デイサービスでは、他の利用者と集団で介護体操に取り組みます。機能訓練などは一人で行う場合がほとんどですが、体操なら他の人と一緒に楽しめます。他者とのコミュニケーションが生まれ、日々の生活で感じる孤立感が和らぐでしょう。

体力や身体機能が向上すれば、自宅でも散歩や買い物など外出する機会が増え、社会との交流に繋がります。また、介護体操は脳の活性化にも効果的です。認知機能の維持に役立ち、孤立感の解消が期待できます。

楽しみの提供

介護体操は、楽しみの提供にも繋がります。デイサービスなどで他の利用者と一緒に介護体操に取り組むと、生活に楽しみができるでしょう。他者とのコミュニケーションは、気持ちを明るくしてくれます。

また、自宅で行う場合は、DVDやYouTubeなどの動画を参考にするのもおすすめです。YouTubuでは無料の体操動画も公開。動きを観ながら行うと、分かりやすいでしょう。

スマホを使用できる方は、体操の無料アプリも試してはいかがでしょうか。お気に入りの動画が見つかれば、体操の時間が楽しくなります。

椅子に座ってできる体操3選!

高齢者は、筋力の低下や病気などが原因で立位が不安定な方がいます。椅子に座ったまま行う介護体操なら、立位が難しい方でも取り組めます。

デイサービスなど集団で体操する場合も、多ければ数十名で行いますので安全の確保は大事です。また、車椅子で体操される方もいらっしゃるでしょう。

個人でも集団でも、椅子に座ってできる介護体操は転倒を予防しながら体操できます。また、腰や膝に負担をかけないため人気です。

この章では、椅子に座ってできる体操を3つ紹介します。高齢者施設のレクでも使えますので、方法を覚えて、安全に楽しく体操をしましょう。

認知症予防体操

椅子に座ってできる体操の一つに、認知症予防体操があります。認知症予防体操で有名なのが「コグニサイズ」。コグニサイズとは、全身運動と認知課題を組み合わせた体操です。

体操をしながら、しりとりや計算などの認知トレーニングを同時に行います。筋力や身体機能の維持と、認知症予防が期待できる体操です。

立位が難しい場合は、椅子に座ってできるコグニサイズの「グーパー体操」がおすすめ。椅子に座り、8拍子のリズムに合わせて足踏みをします。同時に、両手をグー・パーと動かしましょう。
足踏みが難しい場合は、足は床につけたままで大丈夫です。片手をグー、もう片手をパーにします。リズムに合わせて入れ替えましょう。

また、「青い山脈」などの曲に合わせて行うリズム体操も、認知症予防に効果的です。インターネットで動画が配信されています。

誤嚥予防体操

誤嚥予防体操も、椅子に座ってできる体操の一つ。顔や舌の筋肉を鍛えることで、食べ物を噛んだり、飲みこみやすくしたりする体操です。誤嚥予防体操は、食事の前に行うと効果的です。

有名なのは「パタカラ体操」です。「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」「ラララララ」とハッキリと発声します。3回連続して発声しましょう。

パはしっかりと口を閉じる筋肉の発達を促し、食べこぼしを予防します。タは舌の筋肉を鍛えるよう、舌を上あごにくっつけて発音します。カは一瞬息を止めて発音。喉の奥に力を入れるよう意識し、喉の筋肉を鍛えましょう。ラは舌を丸める動きを意識。舌で食べ物を喉の奥に運びやすくなります。

他にも、首回しや舌の運動などがあります。イラストで説明すると分かりやすいでしょう。インターネットで無料ダウンロードできるイラストもあります。

転倒予防体操

座ってできる転倒予防体操もあります。高齢になると、身体機能が衰え転倒しやすくなります。骨折などの重傷を負う恐れも。体操で足の筋力や体のバランス感覚を維持すれば、転倒の予防に繋がります。以下は転倒予防体操の一例です。

  1. 椅子に座り、膝を交互に4回あげましょう。次に、膝と同時に両手もあげます。この動きは腸腰筋(上半身と下半身を繋ぐ筋肉)を鍛え、転倒予防や腰痛緩和が期待できます。
  2. 床に敷いたタオルを足の指で掴み、たぐり寄せます。足指の力だけを使うよう意識しましょう。足裏の筋肉を鍛え、立位や歩行状態が安定します。
  3. 後ろを見るように、腰をゆっくりとひねりましょう。胸が横を向くように動かします。歩行時のふらつき予防に効果的です。

体操を行わない方がよい状態

介護体操は、高齢者の身体の状態に合わせ、無理のないよう行います。脈拍や血圧が安定していないなど、体操を行わない方がよい状態もあります。まず、静脈瘤・心疾患・骨粗しょう症・重度の感覚障害などがある方は、体操時に注意が必要です。状態の変化に注意しながら行いましょう。

また、厚生労働省の認知症予防マニュアルにも記載がある、土肥・アンダーソンの運動基準で判断するのも一つです。以下の状態の場合、体操の参加を中止します。

  • 安静時の脈拍数が120回/分以上
  • 拡張期血圧が120以上
  • 収縮期血圧が200以上
  • 動作時に狭心痛が起きている
  • 心筋梗塞の発作を起こしてから1カ月経っていない
  • うっ血性心不全の所見が明らかである
  • 安静時ですでに息切れや動悸が見られる

まとめ

高齢者施設などで導入されている介護体操は、身体の状態に合わせて無理なく取り組める体操です。高齢者が体操をするべき理由は、身体機能の維持と向上や、運動習慣の定着などがあります。

また、立位が不安定な方は、椅子に座ってできる介護体操がおすすめ。認知症予防体操や、誤嚥予防体操などがあります。静脈瘤や心疾患などの疾患がある方は、注意が必要なので、体調を見極めながら体操を行いましょう。

介護体操は、継続すれば身体面だけでなく認知機能の向上にも効果が期待できます。ぜひ楽しみながら取り組んでください。

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