訪問介護で働く介護士とは?仕事内容や必要な資格を解説!

2023.10.27

在宅の高齢者は家事や掃除が一人では困難な場合が多く、家族だけの介護でも一日中見ることは難しいのが現状です。そんな時に、高齢者の家事支援やできない部分の介助をするのが訪問介護です。

この記事では、訪問介護員の仕事内容について解説します。

訪問介護員とは?

「高齢になっても住み慣れた我が家で過ごしたい。」という希望にこたえて、その人らしい生活が在宅でできるように支援します。

介護士が自宅に訪れて、食事・排泄・入浴の介助や家事支援、通院時の外出サポートをします。自宅だけではなく、軽費老人ホームや有料老人ホームの利用者の居室に訪問することもあります。最後まで自宅で過ごせるように支援をするのが訪問介護員の仕事です。

訪問介護員の仕事内容

訪問介護の仕事は、身体介護・生活介護・通院介護の3種類に分かれます。利用者のケアプランに沿って支援は行われますので、一人一人行う支援は異なります。

この章では、訪問介護の仕事内容について解説します。

身体介護

排泄・入浴の介助など体に触れる介助です。排泄では、トイレに行った時の立ち上がりなどの一部介助やおむつ交換が上げられます。入浴では、洗身・洗髪の介助、更衣介助などが含まれます。また、服薬や食事介助も身体介護に含まれます。

自力でできない日常生活の動作を支援するのが身体介護です。

生活援助

料理や掃除、買い物の支援をすることが生活援助です。

一人暮らしの高齢者が多くなり、買い物や料理が困難な高齢者が多くなりました。高齢者が一人で家事・買い物を行うのは負担が大きいので、介護員が必要な範囲で家事や買い物などの生活に必要なことを支援します。

また、血圧測定や整容として行う爪切り・髭剃りも生活援助の一つです。

通院介助

通院するときに、外出の準備や車の乗降を支援します。主に送り迎えのみですが、受診手続きを代行したり、病院内の移動を支援することもあります。

病院内は、基本的に利用者本人だけが待合室にいますが、認知症の方など見守り・付き添いが必要な場合があります。しかし、病院内での介助は通院介助には含まれません。基本は病院へ行く準備の支援と病院への送迎が通院介助です。

訪問介護員に医療行為はできない

原則として訪問介護では医療行為ができません。具体的な医療行為としては、

  • たん吸引
  • 血糖測定
  • 床ずれの処置
  • 在宅酸素

の管理です。しかし、たん吸引や経管栄養は、研修を受けることで訪問介護でも現場で行うことが許されます。自力で痰を排出できない利用者は、誤嚥性肺炎の原因になるので定期的に喀痰吸引を行います。経管栄養は、カテーテルを使用して直接胃腸に栄養を送り込む医療行為です。

訪問介護の仕事に必要な資格は?

訪問介護の仕事は資格がない方でもできます。現場で技術を習得していく方法もありますが、介護事業所からすると「無資格の方に利用者様を任せることは難しい」と考える施設も多いのが現状です。

初任者研修は仕事をしながら通信制の講座で取得ができて、介護の技術や知識を学べるので、取得を検討してもよいでしょう。

介護職員初任者研修

元々ヘルパー2級という名前の資格でした。短期間で学べて通信講座も豊富なので、仕事をしながら勉強をすることも可能です。介護の仕事を始める最初の資格として知られています。

介護の専門職として事業所で働くことができ、家族の介護にも介護技術を活かせます。

ヘルパー2級の時との違いとして、全過程終了後に試験があり、合格しないと初任者研修の資格が取得できません。試験は、介護の理念や基本が身についているか確認するもので、振り落とすための試験ではありません。

介護福祉士実務者研修

介護職員初任者研修の上の資格で、介護福祉士国家試験を受験するために必ず必要な資格です。無資格でも受験できますが、介護の知識・技術がある程度無いと研修のカリキュラムについていけないのが現状です。

また、保有資格によって受講料が異なり、無資格の場合は450時間のプログラムで10~25万の受講料がかかります。介護福祉士を取ることで昇給や昇進もあります。介護初任者研修の上の資格として目指してみましょう。

認定介護福祉士

介護福祉士の上位の資格です。受講資格は、

  • 介護福祉士の資格を保有
  • 現任研修の100時間以上の研修歴がある
  • 介護福祉士資格取得後の実務経験5年以上
  • レポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めていること

となっています。養成研修を受けた後、認定申請書を提出することで登録できます。

役職に就ける・処遇改善手当てが加算されるなどのメリットがありますが、施設内では介護のプロフェッショナルとして勤務するので、利用者様のニーズに応えて丁寧な対応をする必要があります。

まとめ

訪問介護員の仕事内容は、身体介助、生活援助、通院介助の3種類に分かれます。本人に合わせたケアプランに沿って実施されるので、個人に合わせたケアが重要になります。

訪問介護員は医療行為ができませんが、研修を受けることでたん吸引と経管栄養ができます。

訪問介護に必要な資格を取得したいと考えている方には、介護職員初任者研修をおすすめします。介護の基本的知識・技術があることが証明される資格で、無資格の方でも短期間で取得できます。

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