高齢者専用賃貸住宅とは|サービス付き高齢者向け住宅との違いは?

2024.06.06

高齢者専用賃貸住宅はその名の通り、高齢者専用の住宅です。
似たような名称のサービス付き高齢者向け住宅もあるため、どのような違いがあるのか疑問に
思うところです。

ここでは高齢者専用賃貸住宅についてからサービス付き高齢者向け住宅の内容や
住宅の選び方について解説していきます。
この記事を参考に自分らしく暮らせる住宅を見つけましょう。

高齢者専用賃貸住宅とは

高齢者専用賃貸住宅は「高齢者住まい法」の改正に伴い廃止され、現在は
サービス付き高齢者向け住宅に一本化されました。

ここでは高齢者専用賃貸住宅の廃止などについてみていきましょう。

 2011年10月に制度廃止

高齢者専用賃貸住宅は「高齢者住まい法」の改正により2011年10月に廃止されました。
その理由として医療や介護との連携が不十分であることがあげられます。

それだけではなく登録されている施設以外の高齢者向け住宅が増加したことも原因の一つです。

高齢者専用賃貸住宅は高齢者のために作られた物件であることから
契約しやすいという特徴があります。
その他設備が充実している、自立した生活ができるなどの利点があります。

 現在はサービス付き高齢者向け住宅に一本化

高齢者専用賃貸住宅は現在、サービス付き高齢者向け住宅に一本化されています。

サービス付き高齢者向け住宅は自宅同様に自由な暮らしを送りながら、
スタッフによる安否確認や生活相談サービスを受けることができる賃貸住宅です。

入居対象となるのは自立した生活は送れるものの、一人暮らしに不安を持つ
要介護度の低い高齢者です。
外出の付き添いなどのオプションがついている住宅もあり。
中には要介護度が高い人を受け入れている住宅もあります。

サービス付き高齢者向け住宅とは

サービス付き高齢者向け住宅は「高齢者住まい法」により入居条件が定められています。
ここでは入居条件以外にもサービス内容についてもみていきます。

 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件

サービス付き高齢者向け住宅に入居できるのは、
60歳以上の高齢者か60歳未満で要介護認定を受けている人。

しかし実際の入居条件は「自立した生活を送れること」「感染症にかかっていないこと」
など、入居する施設によって異なります。

特に施設独自の入居条件を定めている場所は多いです。
基本的に認知症の人の受け入れは行っていませんが、施設によって積極的な受け入れを
行っている場所もあります。

またほとんどの施設が連帯保証人や身元引受人を必要とするため、
頼れる人がいないときは後見人をたてるようにしましょう。

 サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容

サービス付き高齢者向け住宅は必ず受けられるサービスと、必要に応じて受けられるサービス
の2種類があります。

  • 必ず受けられるサービス
    利用者の部屋を定期的に訪問する安否確認・見守りサービスや、心身の悩みなどを
    解決してくれる生活相談サービスは必ず受けられるため、積極的に利用しましょう。
  • 必要に応じて受けられるサービス
    緊急時の対応をしてくれる緊急時対応サービス、買い物の代行などの生活支援サービス、
    食事提供サービスがあげられます。
    その他にも介護サービス、医療サービスなどが受けられます。

 サービス付き高齢者向け住宅の費用

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸契約を結ぶため、初期費用として敷金がかかります。
また介護型と呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅は初期費用として入居一時金がかかり、
0~27万円くらいとされています。

月額利用料として居住費・管理費・水道光熱費・生活サービスの提供費がかかり、
居住費に関しては郊外よりも都市部の方が高いです。

月額利用料の目安金額は11.1~20万円となります。
また一般型では外部の介護事業者を利用することになるため、利用分の負担がかかります。

高齢者専用住宅を選ぶ際のポイントを紹介

高齢者専用住宅に入りたいと思った時、選ぶ際のポイントは押さえておきたいものです。
そこでここでは住宅を選ぶ際のポイントを5つみていきます。

 立地条件

まず最初に確認したいのは周辺施設や生活環境などの立地条件です。

特にサービス付き高齢者向け住宅では周辺に食品や日用品などを購入するスーパーや
コンビニエンスストアがあるのかは確認しておきたいところ。
他にも金融機関や医療機関など利便性に優れているかというのは大事なポイントです。

また入居者本人が住みたいと思う地域であるか、家族の住む住宅からの距離なども
確認しておきましょう。

 費用

毎月かかる費用や住宅の契約形態は確認が必要です。
特にサービス付き高齢者向け住宅は賃貸契約を結びます。そのため一般的な住宅同様に
敷金・礼金・毎月の家賃や光熱費がかかります。
他にも介護サービスを利用した際は利用した分の費用の請求が来ます。

費用の支払いは前払いと月払いの2つのパターンがあり。
前払いでは想定している居住期間を自分で選択し、その期間に発生する費用を合計して
支払うことになるため、初期費用は大きくなりますが長期的にみると割安なのが特徴。

月払いは毎月入居費を支払うため、初期費用は小さいものの長期的にみると
前払いと比較して割高です。
入居する際は居住費の支払いをどうするか決めておき、予算を組むとよいでしょう。

 部屋の設備や共用スペース

部屋の設備や共有スペースの有無やその環境について調べることも重要です。

床面積やバリアフリーかについてはサービス付き高齢者向け住宅の登録を受ける
際の条件にあるため、施設ごとに異なっていることはあまりありませんが、
共用部分などについては規定がないため、施設により異なります。

そのため設備が暮らしやすいものであるか、娯楽スペースなどがあるかはしっかりと
確認する必要があります。

また衛生的な環境であるかも注目ポイント。
暮らしやすい環境であるかを第一に、居室などを確認しましょう。

 施設のタイプ

サービス付き高齢者向け住宅には介護が必要になった場合、外部の介護事業者から介護サービスを
提供してもらう「一般型」と、特定施設の指定を受け施設スタッフが派遣され
介護サービスを提供する「介護型」の2つがあります。

「一般型」の場合要介護度が進むもしくは認知症となった場合退去のリスクあり。
そのため一生住み続けるには「介護型」の住宅を検討した方がよい場合があります。
また看護師を置いている施設では看取りまで対応できる場合があるため、確認した方がよいでしょう。

 サービス内容

サービス付き高齢者向け住宅で義務付けられているサービスは安否確認と生活相談。
食事や介護、生活支援が必要な場合は施設により対応が異なるため確認が大事です。

そのため利用する際はどのようなサービスが必要かを明確にし、施設選びをする必要があります。
基本的に生活相談員が常駐していますが、夜間時は警備会社の警報システムで対応している
施設もあり。

このため安心を望むなら24時間スタッフがいる施設を検討した方がよいでしょう。
その他確認点として介護・医療サービスと連携が取れているかも重要です。

まとめ

高齢者専用の賃貸住宅は賃貸契約を結ぶため初期費用が掛かりますが、
安否確認や生活相談を受けられます。

その他にも施設により提供しているサービスが異なるため、入居の際は見学をし
サービスの内容を確認するとよいでしょう。
立地条件なども施設選びに重要なポイントのため、自分の要望に合った施設を探し
快適な暮らしを送りましょう。

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