日本には、介護サービスを提供する事業所がたくさんあります。
事業所の種類によって特徴があり、介護が必要になった際に、その人の状態に合わせた
サービスが提供できる施設を選ぶことは、利用者にとってもその家族にとっても大切なことです。
今回はたくさんある福祉事業所の中から、「特別養護老人ホーム」について解説していきます!
目次
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは、
「常に介護が必要とし、在宅での生活が困難な高齢者」に対して、生活全般の介護を提供する
施設です。
「特養」と略して呼ばれることが多く、入浴・排泄・食事などの介護、日常生活のお世話、
機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行います。
そんな、特別養護老人ホームの入居条件や費用はどの程度なのでしょうか?
それぞれ詳しく見ていきましょう!
特別養護老人ホームに入居するには、原則「要介護3以上」の認定を受けている必要があります。
しかし、以下のような条件を満たす場合は「要介護1、2」でも入居できる
場合があります。
【特例の条件】
特別養護老人ホームの利用者の費用負担は、原則として
「保険給付の対象となるサービスにかかった費用の1割」※です。
要介護度によっても費用は異なり、施設の設備や職員の体制、施設で行う処置に
応じて介護サービス加算も発生します。
それに加えて、「居住費、食費、日常生活費などは自己負担」※として必要となります。
施設によっては、これらのほかにも加算が加わる場合があります。
※保険給付の対象となるサービスとは、施設サービス費とサービス加算を足したものを指します。
※所得によっては2〜3割負担となる場合もあります。
※居住費は、個室、多床室、によって金額が変わる場合があります。
特別養護老人ホームで受けられるサービスは多岐にわたります。
一般的に特養で受けられるサービスの例は以下の通りです。
特別養護老人ホームにはいくつか種類があります。
「地域密着型特養」「地域サポート型特養」「広域型特養」の3種類です。
種類によって、定員数やサービス、契約などに特徴があります。
ここからは、それぞれの特養の種類別に説明をしていきます!
広域型特別養護老人ホームの特徴は、後述する他の特別養護老人ホームと違って
「入所要件に居住地の制限」がありません。
つまり、施設がある土地と現在住んでいる土地が異なる場合でも申し込みができる
ということになります。
一般的に「特養」と略して呼ばれる特別養護老人ホームは、
この広域型特別養護老人ホームを指します。
医師、看護師、介護支援専門員、機能訓練指導員などの配置は、他の特養のタイプと
同じように必ず配置されています。
地域密着型特養は、定員が29人以下の特別養護老人ホームです。
原則として施設がある市区町村に住んでいる要介護3以上の方のみが利用できる施設です。
要介護1〜2の方は特例を除き利用はできないので注意が必要です。
地域密着型特別養護老人ホームは、2006年の介護保険法改正により設置され、
「可能な限り自立した生活を送れるよう」少人数制をとっています。
特徴として「家庭的で明るい雰囲気である」とういことと入居者の居住地を限定しているため
「家族や地域との結びつきを重視」していることがあげられます。
地域密着型特別養護老人ホームには、施設の規模や人員配置基準などが異なる
「サテライト型」と「単独型」の2種類があります。
地域サポート型特別養護老人ホームとは、在宅介護で生活を送る地域の高齢者が、
できる限り長く在宅で自立した生活を送られるように、
生活援助員が「24時間・年中無休で見守りや援助を行う特養」です。
在宅介護者の介護に関する悩みを相談することもできるため、精神的にも心強い味方と
なってくれるのも特徴のひとつです。
地域サポート型特別養護老人ホームによるサポートを受けたい場合は、
あらかじめ施設との契約が必要です。
見守りについては、施設によって対象の地域が決まっていることがあるため、
現在の住まいが対象地域に入っているかどうかを事前に確認する必要があります。
ここまで、特別養護老人ホームの基本的な説明と、種類について説明をしました。
しかし、特養以外のサービスや施設もたくさんある中、やはり知っておきたいのは
メリットとデメリットだと思います。
ここからは、特別養護老人ホームのメリットとデメリットについてまとめ、紹介していきます!
特別養護老人ホームのメリットは以下の通りです。
特別養護老人ホームのデメリットは以下の通りです。
特別養護老人ホームと似た形態の施設で有料老人ホームがあります。
どちらも、高齢者のための介護施設ですが、どういった違いがあるのでしょうか?
この記事では、特別養護老人ホームの基本的知識と特徴、メリットやデメリットについて
説明しました。
また、似た業種の有料老人ホームとも見比べて特別養護老人ホームについて紹介しました。
要介護度が高くなると、24時間何かしらの介護やサポートが必要になってきます。
特別養護老人ホームは、比較的安い費用で終身介護が利用できるため、
介護が必要な人にとって安全と安心を兼ね備えた施設の1つと言えます。
しっかりと特別養護老人ホームについて理解し、その人にあった施設選びをしていきましょう!