20代の血圧の正常値は?低い場合や高すぎる時の体への影響も解説

2024.08.06

血圧の管理は20代の若い人であったとしても、必要なことです。
血圧は高すぎても低すぎても身体に大きな影響を与え、それが体調に現れます。
そのため若いうちからの血圧の管理は重要です。

そこで今回は20代の人の血圧の正常値から血圧が高くなる、低くなる原因などについて紹介します。
この記事を参考に、ぜひ自身の血圧を確認し必要な人は血圧を正常に保ち、
体調管理などに努めていきましょう。

血圧とは

血圧を正常に保つことは、自分自身の健康維持のためにも必要です。
では、そもそも血圧とは何なのでしょう。
ここでは血圧の正常値から、高血圧と低血圧についてみていきましょう。

 血圧の正常値

血圧は、全身に血液が流れる際に血管にかかる圧力のことを指し、大きく分けて2つに分けられます。
まずは最高血圧ともよばれる収縮期血圧。
収縮期血圧は、心臓が収縮することで血液を動脈に送り出す際に血管にかかる最高圧力のこと
いいます。
この値は血圧計で血圧を測るときに最初に測定される値でもあります。

次は最低血圧ともよばれる拡張期血圧。
拡張期血圧は、心臓が拡張し血液が心臓に戻る際に血管にかかる最低圧力のことをいいます。
血圧は最高血圧/最低血圧で表示され単位はmmHgです。

血圧の正常値は年代に関係なく最高血圧120mmHg未満かつ、最低血圧80mmHg未満です。

 高血圧の基準値

高血圧は1回のみの測定ではなく、繰り返し測定を行ったとしても正常値よりも高い数値の場合を、
高血圧と呼んでいます。

具体的には病院で血圧を測ったときに、最高血圧が140mmHg以上もしくは最低血圧が90mmHg以上
のときに、高血圧と診断されます。

例として最高血圧が135mmHgで最低血圧が96mmHgである場合など、
どちらか一方が高血圧の基準に達している場合は、高血圧に該当するため注意が必要です。

ただし、病院で測定した値が正常値内だったとしても油断できません。
家庭では高血圧の値で病院では正常値の場合、「仮面高血圧」の疑いが出てきます。
仮面高血圧は治療に結びつくのが難しいため、気が付かないうちに病気が
進行していることもあるため、注意が必要です。

 低血圧の基準値

低血圧は高血圧と異なり、明確な基準値が存在しないためどこからが低血圧なのか、
判断しにくいのが特徴です。

日本国内では明確な基準がないため、判断に困ることもありますが、
一般的には最高血圧が100mmHg未満の場合を、低血圧と診断するケースが多いです。

明確な判断基準がないため、低血圧気味であったとしても危険はないと、
なにも対策をしない人も中にはいます。しかし、それは間違いです。
低血圧は軽視していい状況ではなく、病院にかかった方がよいケースも中にはあります。
そのため低血圧であったとしても油断はできません。

20代の血圧の平均値

20代の男女の血圧の平均値をみていきましょう。

  • 20代男性…最高血圧115.3mmHg/最低血圧67.7mmHgです。
  • 20代女性…最高血圧105.7mmHg/最低血圧63.8mmHgです。

    血圧の平均値をみてみると、男女ともに正常値内であることが分かります。
    しかし、20代だからといって油断してはいけません。

    自身の血圧が平均値より高い、もしくは高血圧の基準値に近いときは、
    血圧が高めの状態であるといえます。
    また、女性は低血圧に悩まされている人も多くいます。
    低血圧の症状がみられる人は、病院受診をした方がよいでしょう。

血圧が低い場合や高すぎる時の体への影響は?

血圧が正常値から外れていると、何かしらの問題が出てきます。
高血圧であっても低血圧であったとしても、身体に異常が出てきます。
ここでは血圧が身体に与える影響についてみていきましょう。

 高血圧の場合

高血圧になると血管壁が徐々に硬く厚くなることで、動脈硬化の進行を招きます。
動脈硬化が進行すると、血管が破裂したり破れやすくなるため、脳出血や心筋梗塞などの
重篤な病気を引き起こします。
高血圧自体には自覚症状はありませんが、命に関わる病気を発症する可能性あり。

また、高血圧はメタボリックシンドロームの診断基準の一つです。
内臓脂肪型肥満の人は、高血圧だけではなく血中の脂質異常を招く恐れがあるため、
高血圧でお腹周りが気になる人は要注意です。
20代だからといって油断することなく、健康に気を配りましょう。

 低血圧の場合

低血圧は高血圧と異なり、様々な身体の異常がみられます。
なぜ身体に異常がみられるのかというと、低血圧により臓器に送られる血液量が減少し、
特に一番高い場所にある脳は血液不足になりやすく機能不全に陥りやすいからです。

このことがきっかけでめまいやふらつき、頭痛などの症状がみられます。
めまいなど以外にもだるさや疲れやすさ、肩こり、食欲不振などもみられます。

低血圧は若い女性に多く、特に朝に症状が出やすいです。
症状がひどい場合は無理をせずに、病院受診などし、症状改善に努めましょう。

20代で血圧が高い原因と低い原因

20代といっても血圧正常の人以外に高血圧気味の人もいれば、低血圧気味の人もいます。
ここではなぜ血圧が高く、もしくは低くなるのかその原因についてみていきましょう。

 高い原因

20代で血圧が高くなる主な原因は3つあります。

  1. 生活習慣の乱れ。
    高塩分の食事や、不規則な食生活、過度のアルコール摂取や喫煙、運動不足などが
    あげられます。
  2. 過剰なストレス。
    ストレスホルモンの放出が血圧上昇を招くほか、ストレスが血管を収縮させ、
    血圧の上昇を招きます。
  3. 慢性疾患や特定の薬物。
    非ステロイド抗炎症薬や抗うつ剤、ぜんそくの薬や抗凝固薬があげられます。

    ここであげた3つに少しでも当てはまるのであれば、高血圧を招かないためにも
    改善できる部分は改善していきましょう。

 低い原因

20代で血圧が低くなる原因も3つあります。

  1. 脱水や栄養不足。
    脱水により体内の血液容量が少なくなり、その結果心臓が血液を十分に供給できないため、
    血圧が下がります。
    また、鉄分やビタミンなどが不足すると、貧血や低血圧を招きます。
  2. 自律神経の問題。
    自律神経系の調節が正常でないことで、心拍数などの調整がうまくいかず、
    低血圧のリスクを招きます。
  3. 内分泌系や心臓の病気、薬の副作用など。
    甲状腺機能低下症や副腎不全など、内分泌系のホルモン異常が原因で低血圧が起こるほか、
    心臓がうまく全身に血圧を供給できない場合も低血圧を招きます。

    他にも、降圧薬など薬が原因で低血圧になることもあります。
    脱水や栄養不足は自身で改善ができるため、改善できるものは改善していきましょう。

血圧を正常値に保つためのポイント

血圧は高くても低くても問題を引き起こすため、正常に保つことが重要視されます。
血圧の正常値は日常生活のちょっとした工夫で保つことができるため、
ここではそのポイントをみていきましょう。

 食生活の見直し

食生活を見直し、バランスのとれた食事をとることは血圧の正常化に良い影響を与えます。
見直すべき項目は次の通り。


・塩分を控える
・カリウムを適度に摂取
・脂質制限
・豊富な果物と野菜

特にカリウムはナトリウムのバランスを取り、血圧を調整するのに役立ちます。
カリウムはバナナやイモ類に豊富に含まれているため、積極的に摂取しましょう。
他にも血圧を上昇させるため、高塩分の食事を控えるようにしましょう。

 十分な睡眠・休養

しっかりとした睡眠と休息の確保は、血圧を正常に保つのに重要な役割を担っています。
なぜなら、精神的なストレスは血圧の安定に悪影響を与え、高血圧を招く原因となるからです。
ストレスを感じると、交感神経が優位に立つことで、血管が収縮しその結果高血圧となります。

十分な睡眠時間が確保できないと、交感神経が優位に立つため休養と睡眠時間の確保は重要です。
また、規則正しい生活を送ることで低血圧の改善にもつながります。
そのため十分な睡眠時間を確保し、しっかりと休息できる時間を確保しましょう。

 適度な運動

適度な運動は血圧を保つほか、体重管理も可能です。
適度な運動を行うことで心臓と血管を健康に保ち、血圧コントロールが行えます。
具体的におすすめなのが有酸素運動。

週に150分以上の中程度の強度な有酸素運動が推奨されています。
しかし、無理な運動は逆に健康を損なってしまいます。
また、健康状態により運動方法も異なるため、医師に相談してから有酸素運動を
取り入れていきましょう。

 生活習慣の見直し

健康的な食事や十分な睡眠など、良い生活習慣を取り入れることで、
血圧を安定させることができます。
生活習慣を見直すために、次の項目に気を付けましょう。

  1. ストレス管理
  2. 喫煙
  3. 過度なアルコールの摂取

    ストレスは一時的に血圧を上昇させるため、リラックスできる方法などを見つけておきましょう。
    喫煙も過度なアルコール摂取も、血圧を上昇させます。
    そのため喫煙から禁煙、過度なアルコール摂取から節酒し、血圧を安定させましょう。

まとめ

20代の血圧の平均値は正常範囲内であるため安心してしまいますが、
生活習慣を乱れさせることで血圧の安定を欠いてしまいます。
特に女性は低血圧に悩んでいる人も多いため、生活習慣に気を配りたいです。
生活習慣の乱れは低血圧だけではなく、高血圧の原因にもなります。

この機会に規則正しい生活習慣を身に付け、血圧を正常値に保つようにしましょう。

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