片足だけ腫れている・むくんでいる時は何科を受診すれば良いのでしょうか?
血管の流れの停滞や、リンパの流れが悪いなどの原因で起きる足のむくみは、
一過性の場合もありますが、重大な病気が潜伏している可能性もあります。
足のむくみの原因、片足だけむくむ場合に考えられる病気と、
何科を受診すれば良いのかを症状別に詳しく紹介します。
目次
足の腫れやむくみは、原因をしっかりと知ることが重要です。
むくみを解消するために下記のような原因について詳しく解説しましょう。
足の腫れやむくみは、足の静脈の血行不良が原因です。
運動不足などで、ふくらはぎの筋肉の働きが低下すると、血液の流れが停滞し、
水分が血管から染み出し、むくみの原因となります。
血液が戻らずうっ血すると老廃物が溜まり足がむくみやすくなります。
下記の生活習慣は血管の流れが停滞する原因となります。
足がむくむ原因の一つは、リンパの流れの悪化です。
リンパ管を流れるリンパ液は、たんぱく質や白血球を全身に運び循環します。
リンパの流れが悪くなると、リンパ管に回収されなかったリンパ液が溜まり、腕や足がむくみます。
リンパ浮腫の原因は、感染や生まれつきなど様々ですが、多いのはがん治療後に起きるケースです。
がんの治療で行うリンパ節の切除、また放射線治療や一部の薬物療法などが原因で、
リンパ液の流れが悪くなるためです。
運動不足や神経の影響も、足のむくみの原因です。
ふくらはぎには、血液を心臓に戻すポンプのような役割があります。
歩かない、運動しない、などにより、ふくらはぎの筋肉量が低下し血流が悪くなり、
下半身に老廃物が溜まって足のむくみが起こります。
また、自律神経の乱れも足のむくみが起きる原因です。
自律神経は体温調整に関係しており、冷房が効いた部屋で過ごしていると、
自律神経の働きが低下し、余分な水分が体内に蓄積するため足がむくみます。
足のむくみが気になる際に何科を受診するべきなのか、症状別に詳しく解説しましょう。
むくみが何週間も続いている場合は、まず内科を受診しましょう。
むくみには、長時間の立ち仕事後に足がむくむ場合、お酒を摂取して顔がむくむなど
一過性の場合もあります。
しかし、何週間もむくみが続く場合は、内臓系の疾患の疑いがあります。
むくみの原因と考えられる病気の一例は、腎不全や肝不全、心不全などです。
内臓疾患と言っても、考えられる病気はさまざまなため、何科を受診すべきか迷ったら、
まずは内科を受診します。
むくみ以外に、食欲の低下、動悸や息切れ、体重増加などがある場合は、循環器科を受診しましょう。
心不全の可能性があります。
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身にうまく血液を送り出せない状態です。
高血圧や心筋症、不整脈などが原因と考えられ、悪化すれば生命に関わる病気です。
心不全の症状には、すねや足の甲を押すと、へこんで戻らないほどむくんでいる、
1週間に2~3㎏ほどの体重増加、食欲の低下があります。
むくみの他に足にこぶがあるように見える場合は、内科や血管外科を受診しましょう。
下肢静脈瘤の可能性があります。
下肢静脈瘤とは、静脈の逆流防止弁が機能せず、下肢に血液が溜まった状態です。
血液が溜まった血管が拡張し、ボコボコと浮き出てこぶのように見えます。
下肢静脈瘤は、病気や怪我、出産などが原因で、むくみ以外に、下記のような症状が見られます。
片足だけ腫れる・むくむ場合に考えられる病気には、下肢静脈瘤やリンパ浮腫があります。
それぞれの病気について、何科に受診すれば良いのかも紹介します。
片足だけむくむ場合、リンパ浮腫の可能性があります。
リンパ浮腫とは、リンパの流れが悪くなり、リンパ管の中にリンパ液が溜まって起きる浮腫です。
両足がむくむ場合もありますが、片足だけにむくみが現れることもあります。
全体的に肌がふくらんだようになり、皮膚は白っぽく見えるのが特徴です。
リンパ浮腫の原因で多いのが、がんの治療で行うリンパ節の切除、放射線治療や
一部の薬物療法などです。
手術をした科や、リンパ浮腫専門を受診しましょう。
片足だけむくむ場合に非常に多い原因が下肢静脈瘤です。
静脈の血液逆流防止弁が機能せず、血液が正常に送り出せなくなり静脈がふくれる病気です。
むくみの他に、静脈がボコボコと浮き出てこぶがあるように見えます。
下肢静脈瘤は、内科や血管外科を受診しましょう。
軽症の場合は、塩分摂取量を控えるなどの生活習慣の見直しで改善する場合もあります。
また、足に適度な圧をかけ血流を促す、医療用弾性ストッキングを活用する治療法もあります。
内臓の病気で足のむくみの原因となる病気はあるのでしょうか?
足のむくみの原因は色々ありますが、気を付けなくてはならないのは内臓の病気が
隠れていないかということです。
「心臓」「腎臓」「肝臓」「甲状腺」の臓器の働きに障害などが起こると、
症状のひとつとしてむくみが現れる場合があります。
肝臓や腎臓に何らかの障害があると、アルブミンの量が低下し、血管での水分調整が
効かなくなって、むくみの原因となります。
足のむくみは、早期治療のために早めの受診が重要です。
早めに受診することの重要性と、むくみの症状が出てから受診するまでの注意点を解説します。
足のむくみ以外に下記のような症状に特に注意が必要です。
足のむくみは病気が原因による場合もあるため、自己判断は避けるべきです。
足のむくみには、立ったままの仕事が続いたり、飲酒後などに一時的に起こる場合もあります。
他の症状が見られず、すぐに改善する場合は、一過性の可能性が高いでしょう。
しかし、何日もむくみが続いたり、他にも症状がみられる場合は大きな病気のサインかもしれません。
また、むくみ以外に食欲の低下など他の症状がある場合も、自己判断はせず早めの
受診をおすすめします。
足のむくみで受診する際は、既往症を医師に伝えましょう。
何かしらの病気が原因で足がむくむ場合、既往症から原因が特定できることがあります。
例えば、過去にがんの治療でリンパ節切除や治療をしていた場合は、リンパ浮腫の可能性があります。
心臓の病気を患っている場合は、心不全を起こして足がむくんでいるかもしれません。
他にも、糖尿病や甲状腺機能低下症なども原因の一つです。
既往症について必ず医師に詳しく伝えましょう。
足の腫れやむくみは、血管の流れの停滞や運動不足などが原因で起こります。
もし何科に受診すれば良いか迷った場合は、内科を受診しましょう。
むくみ以外の症状によっては、循環器科や血管外科を受診します。
片足だけがむくむ場合は、血管外科やリンパ浮腫専門外来などを受診しましょう。
足のむくみは、大きな病気のサインかもしれません。
自己判断は避け、早めに受診し、早期の治療をおすすめします!