有料老人ホームの費用相場は?利用料の内訳や費用軽減制度も紹介!

2024.10.01

高齢や障害をもったり、不安が出てきた時、介護サービスや老人ホームなどの費用は
検討する上で重要なポイントのひとつです。

老人ホームにも色々なものがあるが「有料老人ホームの費用の相場はどのくらい?」
「費用の内訳はどうなってるの?」と、検討すればするほど疑問が増える。
という方も少なくないのではないでしょうか?

この記事では、そんなお悩みを解決すべく、有料老人ホームの費用相場やその内訳
について詳しく紹介していきます!

有料老人ホームにかかる費用相場

有料老人ホームの費用には、入居する時に支払う「入居一時金」と
毎月支払う「月額利用料」の2種類があります。
それぞれの費用がどのくらいかかるのかを理解することは、予算にあった老人ホーム選びや、
費用面に関するトラブルを回避するために重要です。

では、それぞれの全国の費用相場はいくらくらいなのかを見ていきましょう!

 入居一時金

入居一時金とは、「入居する時に支払う費用」のことをいいます。
全国の入居一時金の相場は、以下のようなデータとなっています。
平均値:約95万円
中央値:約10万円
ここでポイントとして、平均値と中央値について説明します。
平均値とは、集めたデータの合計をデータの個数で割って算出した額です。
平均値の特徴として極端に安い、または高い値に影響を受けやすいという点があげられます。

中央値とは、集めたデータを高い順、または安い順に並べた時の、中央にくる値です。
平均値のように極端な値の影響を受けにくいという特徴があります。
「平均でみると約100万円の入居一時金がかかると言えるが、中央値は10万円のため、
一概に100万円かかる施設ばかりではない」ということになります。

 月額利用料

月額利用料とは、「毎月支払う費用」のことをいいます。
全国の月額利用料の相場は、以下のようなデータとなっています。
平均値:約15万円
中央値:約13.5万円
全国平均が約15万円で、中央値が13.5万円のため、こちらは入居一時金に比べて施設によって
の差の開きは少ないと考えられます。
しかし、これらの費用について注意しておきたいポイントもあります。

それは、「老人ホームの立地によっても相場が異なってくる」という点です。
老人ホームも賃貸住宅と同じように賃料がかかるため、その賃料によっても差が生じるため、
都市部と地方ではその費用が大きく異なってきます。
また、老人ホームの種類によっても費用が異なってくるため、その点についても理解が必要です。

施設種類別の有料老人ホームの費用相場

有料老人ホームの費用相場について、抑えておきたいポイントとして、老人ホームの種類に
よっても費用が異なってくるという点です。
有料老人ホームと呼ばれる民間施設には、「介護付き有料老人ホーム」や
「住宅型有料老人ホーム」などがあります。
この種類によっても、費用相場が異なってくるため、紹介していきます。

 介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームとは、「主に介護が必要とする高齢者が、生活支援を受けながら
居住するための施設」です。

食事や洗濯、掃除などの生活支援、入浴介助や排泄介助の身体介護、機能訓練、
レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
「介護付き」と表示できる施設は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた、
介護サービスの提供基準を満たした施設のみとされています。

この介護付き有料老人ホームの「月額利用料の相場」は、「約15万円〜約30万円」となっています。
民間施設は、公的施設(特別養護老人ホームなど)に比べるとサービスや設備が充実しており、
公的施設に比べると費用は高い傾向にあります。

 住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームとは、食事、洗濯、掃除などの生活支援を受けられる施設です。
老人ホームのスタッフが介護サービスを提供しないという点が介護付き有料老人ホームとの
大きな違いと言えます。

つまり、入居者が要介護状態となった場合は「訪問介護などの在宅サービス事業所と
契約する必要がある」ということです。
なかには、デイサービスや居宅介護支援事業所が併設されているところもあり、
在宅サービスが受けやすい環境となっている施設も多いのが特徴です。

そんな、住宅型有料老人ホームの「月額利用料の相場は、約9万円〜約19万円」となっています。

有料老人ホームの月額利用料の内訳は?

有料老人ホームを利用するには「入居一時金」と「月額利用料」の2種類の費用
かかってきます。
「月額利用料」と聞いて「何を利用した時の費用が含まれているのか?」
「しっかりと内訳を知っておきたい!」という思った方もいるのではないでしょうか?
ここからは月額利用料の内訳について紹介していきます!

 賃料

有料老人ホームの月額利用料の内訳のひとつ目は「賃料」です。
賃料とは家賃のことで、この賃料は有料老人ホームの立地場所や部屋のタイプ、
どんな設備があるかによって変わってきます。

その中でも費用に大きな差が生まれやすいのが立地場所による「地価」によるものです。
都心部などの地価の高い立地場所では賃料が高く、郊外や地方などであれば賃料が
安い傾向にあります。
お住まいの都道府県や市町村によって、異なるもののため、来になる方は調べてから
費用を検討しましょう。

 食費

有料老人ホームの月額利用料の内訳のふたつ目は「食費」です。
1日3食の飲食代で、有料老人ホームによってはおやつ代などが含まれている場合もあります。

食費にかかる費用の平均は、「介護付き有料老人ホームで約50,000円(1日3食を30日間として)」
「住宅型有料老人ホームで約40,000円」というデータがあります。
この食費には、「食材や調味料などの費用」のほかに「厨房の維持管理費」が含まれている
こともあります。

 管理費・水道光熱費

有料老人ホームの月額利用料の内訳みっつ目は「管理費・水道光熱費」です。
この管理費・水道光熱費は、文字通り有料老人ホームを管理・維持するための費用です。
この管理費・水道光熱費は「平均して、1万円前後のところが多い」ですが、施設の設備に
力を入れている施設は平均よりも高く設定されている場合もあります。

また、有料老人ホームによっては「水道光熱費や電話料金を管理費に含めているケースもある」
ため、気になる方は契約の歳にしっかりと確認しておきましょう。

 その他費用

有料老人ホームの月額利用料の内訳4つ目は「その他費用」です。
ここまで紹介した月額利用料以外にかかる雑費のことを指します。
その他費用の一例には以下のようなものがあります。
・嗜好品にかかる日常生活費  ・レクリエーション参加費  ・歯ブラシや石鹸といった日用品
・医療費  ・理美容代  ・介護保険外のサービス利用料  など

これらの費用は入居者の生活によって変動するため、どのくらいの費用がかかるかは
およその金額を計算しておくと安心できます。

 横出しサービス費

有料老人ホームの月額利用料の内訳、5つ目は「横出しサービス費」です。
横出しサービス費とは、「買い物代行」「規定回数以上の通院の付き添い」など、
利用する方にとっては必要であるが「介護保険対象外のサービス」のことをいいます。

この「横出しサービス費は、入居者の全額自己負担」になるため、どのようなサービスが
該当するのかは有料老人ホーム側が情報を開示しています。
気になる方は利用を検討している有料老人ホームに確認し、どのくらいかかるのおおよその
費用を計算しておくと安心でしょう。

 上乗せ介護費

有料老人ホームの月額利用料の内訳、6つ目は「上乗せ介護費」です。
上乗せ介護費とは、介護のケアをよりきめ細やかに提供するために、介護保険制度で定められた
「要介護者3人に対して1人の介護職員」よりも、手厚い人員配置をしている有料老人ホームもあり、
このようなサービスを受けるために発生するのが「上乗せ介護費」です。

この上乗せ介護費が本当に支払うべきなのかを確認する方法として、施設情報や運営規程を
確認するという方法があります。
施設情報や運営規程には人員配置について記載があり、そこに「2.5:1」や「2:1」などと
表記されているケースが該当します。

有料老人ホームの費用軽減制度を紹介

ここまで、有料老人ホームを利用するのにかかる費用について紹介してきました。
これまでの説明を受けた結果「有料老人ホームには多額の費用がかかる!」と不安を
感じた方も多いのではないでしょうか?

しかし、有料老人ホームを利用する費用を抑えるために有益で効果的な制度もいくつかあります。
ここからは、そんな費用軽減に利用できる制度を紹介していきます!

 扶養控除

有料老人ホームの費用を軽減する制度ひとつ目は「扶養控除を利用する」です。
有料老人ホームを利用するための費用は高額になることが多く、扶養控除を利用することで
税金の負担を軽減し、実質的な費用を抑えることができます。

扶養控除を受けるためには扶養親族の年収が一定の金額以下であることや同居している
ことなどの要件があるため、注意が必要です。
扶養控除を受けることで、所得税や住民税が軽減され、その分を有料老人ホームの
費用に充てることができます。
また、医療費控除とも併用することでさらに税負担を軽減できる可能性があります。

 高額医療・高額介護合算療養費制度

有料老人ホームの費用を軽減する制度ふたつ目は「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。
高額医療・高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険の両方のサービスを
利用している世帯の負担を軽減する制度です。

毎年8月1日〜翌年7月31日までの1年間に支払った自己負担額の合計が基準額を超えた場合、
申請により超えた額が支給されます。
この制度の対象となるのは、基準日(毎年7月31日)の同一世帯の後期高齢者医療被保険者です。

介護が必要な高齢者は、介護保険サービスを利用しながら医療機関で治療をうけることが多く、
介護保険と医療保険の自己負担を合わせると高額になることがあるため、
この制度を利用することで有料老人ホームの費用を軽減することができます。

 高額介護サービス費

有料老人ホームの費用を軽減する制度3つ目は「高額介護サービス費制度」です。
高額介護サービス費制度とは、介護保険の自己負担額の合計が上限金額を超えた場合、
超過分のお金が戻ってくる制度です。
高額介護サービス費制度の対象者と上限金額は以下のとおりです。

  1. 現役並みの所得者に該当する方がいる世帯:月額の負担上限、44,400円(世帯)
  2. 世帯の誰かが市区町村民税の課税対象者:月額の負担上限、44,400円(世帯)
  3. 世帯全員が市区町村民税を課税されていない:月額の負担上限、24,600円(世帯)
  4. 前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が年間80万円以下の方など:月額の負担上限、
    24,600円(世帯)・15,000円(個人)
  5. 生活保護を受給している方など:月額の負担上限、15,000円(個人)

まとめ

有料老人ホームを利用するための費用には、入居一時金と月額利用料の2種類があります。
入居一時金は、かからない施設もあれば100万円以上の高額な費用がかかる施設もあります。

これは、設備やサービスの充実さや、立地により変動してきます。
月額利用料も平均15万円前後で、家賃、食費、管理費、雑費などから成り立っています。

有料老人ホームを利用するには多額の費用がかかると心配になる方もおられるかもしれませんが、
扶養控除や高額介護サービス費制度などの、費用軽減制度を利用することで
必要な費用を抑えることができます。

こういった施設や制度を利用し、介護が必要になってもいつまでも自分らしく生活が
したいものですね。この記事がその一助になれば幸いです!

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