介護関連の仕事を探し、求人を見てみると「地域包括支援センター」という職種を見かける
ことも少なくないのではないでしょうか?
地域包括支援センターの仕事は一体どんな仕事なのでしょうか?
また離職率や魅力などはどうなのでしょうか?
この記事では、そんな地域包括支援センターの仕事内容ややりがいについて紹介していきます!
目次
地域包括支援センターとは、地域に住んでいる高齢者の「介護・医療・福祉・健康」などを
総合的にサポートする総合相談窓口です。
まずは、そもそも地域包括支援センターとは何なのか?について詳しく解説していきます!
地域包括支援センターの利用対象者は「高齢者および、高齢者を支える人たち」が利用できます。
地域包括支援センターは、高齢者の健康面や生活全般に関する相談を受け付けている、
地域に密着した総合相談窓口です。
各市区町村に設置されています。
相談できる内容は「日常生活でのちょっとした心配事から、病気、介護、金銭的な問題、虐待」など
多岐にわたります。
そういった多様な相談に対応するために、保健師・社会福祉士・主任ケアマネージャーなどの
専門スタッフが配置されているのが特徴です。
先に述べたように地域包括支援センターの役割とは、介護・医療・保健・福祉などの側面から
高齢者を支える「総合相談窓口」です。
専門知識を持った職員が、高齢者が住み慣れた地域で生活できるように介護サービスや
介護予防サービス、福祉保険サービス、日常生活支援などの相談に応じており、
介護保険の申請窓口も担っています。
設置主体は各市町村で、センターを直接運営しているケースと自治体からの委託で、
社会福祉法人や医療法人、民間企業などを運営しているケースもあります。
地域包括支援センターの設置状況は、厚生労働省によると令和5年4月の時点で「5,431箇所」
となっています。
直営と委託の割合は「直営が20%」「委託が80%」となっています。
委託先法人の構成割合は「社会福祉法人が54%」「社会福祉協議会が18%」「医療法人等が18%」
「その他が10%」という割合となっています。
また、本体のセンターと連携のもと、地域住民の身近なところで相談を受け、
センターにつなぐ「ブランチ」という窓口や、本体のセンターと一体的に包括的支援事業を
実施する支所である「サブセンター」というものもあり、
ブランチやサブセンターも含めると「全部で7,397箇所」の地域包括支援センターがあります。
ここまで、地域包括支援センターとは何か、設置主体や設置箇所はどのくらいあるのか
などについて解説してきました。
では、そんな地域包括支援センターは具体的にどんな仕事を行うのでしょうか?
ここからは、地域包括支援センターの具体的な仕事内容について紹介していきます!
地域包括支援センターの仕事内容ひとつ目は「総合相談支援」という業務です。
高齢者の各種相談に幅広く総合的に対応しています。高齢者の困ったことに対して、
必要なサービスや制度を紹介し解決に導く仕事です。
主任ケアマネージャーをはじめに、保健師や社会福祉士などと連携し、保健・医療・
福祉サービスそれぞれの相談に適切に対応できるようなシステムになっています。
地域包括支援センターを通じて、専門のスタッフがサービスの選択や紹介をしてくれるため
安心です。
地域包括支援センターの仕事内容ふたつ目は「権利擁護」という業務です。
権利擁護とは、高齢者の方が安心して生活できるように、その方が持つ様々な権利を守る業務です。
例えば、判断能力の低下により金銭管理ができなくなった高齢者に対して、金銭的搾取や
詐欺から身を守るための成年後見人制度の活用をサポートしたり、
虐待の被害への対応や防止、早期発見を行ったりと高齢者の権利を守る取り組みをする
仕事です。
高齢者や認知症を持つ方にとって、この権利擁護の業務はその人らしく生きる社会の実現の
ためにも重要な業務のひとつと言えるでしょう。
地域包括支援センターの仕事内容3つ目は「介護予防ケアマネジメント」です。
介護予防ケアマネジメントとは、要支援と認定された人や、支援や介護が必要となる可能性が
高い人を対象に、身体状況の悪化を防ぎ、自立した生活を続けられるように介護予防を目的と
した支援を行う業務です。
具体的には、要支援認定を受けた高齢者に対する「介護予防ケアプランの作成」や
「状況の把握、課題の分析」を行います。
その上で、近い将来、要介護状態になるおそれがある高齢者に介護予防サービスを紹介し、
参加を促しています。
地域包括支援センターの仕事内容4つ目は「包括的・継続的ケアマネジメント支援」です。
高齢者にとって、暮らしやすい地域にしていくため、地域全体の介護・医療・保健分野の専門家
から、地域の住民まで幅広いネットワークをつくり、そこで暮らす高齢者の課題の解決や
調整を行う業務です。
具体的には「ケアマネージャーへの個別相談・アドバイス」「地域ケア介護の開催」
「支援困難事例等へのアドバイスや指導」「自立支援型ケアマネジメントの支援」を
行っています。
ここまでは、地域包括支援センターとは何かや支援センターの役割や業務について
解説をしました。
では、実際に地域包括支援センターに属する職種が行う仕事にはどんなものがあるのでしょうか?
ここからは、職種別の地域包括支援センターでの業務内容について紹介していきます!
地域包括支援センターでのケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事内容は、
地域全体の高齢者(場合によっては障がい者や児童)に関する相談を受付対応します。
そして、地域全体の相談機関や介護資源を活用・連携し、対象者のニーズを把握し、適切な
支援についての提案をします。
また、要支援となった高齢者などが要介護状態にならないよう、個別に介護予防ケアプランを
作成します。
作成後も、モニタリングを継続して行いプランに沿ってサービスを利用できているか、
またプランに修正する箇所や新しく取り入れる点がないかを確認し、
プランを更新し実施していきます。
地域包括支援センターで働く看護師の仕事内容は以下の通りです。
上記の通り、医療的観点から高齢者の生活を支援することが主な仕事です。
認知の重症化防止や介護予防のケアプラン作成、医療的判断が必要な相談などに対応します。
医療機関で働く看護師のように、医療行為を行うというよりも高齢者の生活を支援することが
主な仕事内容と言えるでしょう。
地域包括支援センターの社会福祉士の仕事内容は、主に総合相談と権利擁護をメインで行います。
介護・福祉の観点から高齢者やご家族などの相談に対応し、必要に応じて各機関と調整を図ります。
高齢者が心身ともに健康にそして安心、安全して暮らせるようサポートするのが社会福祉士の
仕事です。
それらの仕事に加えて、地域で福祉のイベントなどがあれば、その企画や参加を行うこともあります。
年々高齢者が増える中、地域との関わりや連携を深めることで、介護が必要な高齢者や
その家族が孤立しないような地域・環境づくりを行うことも業務のひとつです。
地域包括支援センターの保健師の仕事内容は、医療的な観点を持って相談や支援を提供する
ことがメインの仕事です。
地域包括支援センターの仕事の中でも、介護予防マネジメントが保健師の主な業務です。
高齢者の状況に応じて、医療機関やサービスの紹介、保健所や病院などの必要な機関と連絡や
調整を行います。
その他にも、介護予防のケアプラン作成や介護予防教室などのイベント開催、一人暮らしの
高齢者の家庭訪問なども、保健師の仕事のひとつです。
ここまで、地域包括支援センターについて詳しく紹介しました。
地域包括支援センターの役割や業務内容は多岐にわたり大変な職業であると言えます。
その分、地域包括支援センターで働くことには、以下のような多くなやりがいもあります。
この記事では、地域包括支援センターについて紹介しました。
地域包括支援センターとは、介護・医療・保健分野での心配事や困りごとを解決するためにある
「総合窓口」の役割をもつ事業所です。
総合相談支援、権利擁護、介護予防マネジメント、包括的・継続的ケアマネジメント支援などの
業務があり、ケアマネージャー、保健師、看護師、社会福祉士など専門のスタッフと連携し
様々な相談や悩みを解決すべく動いてくれます。
地域という大きなフィールドで、介護や福祉のスキルや知識を存分に発揮することができ、
とてもやりがいのある仕事です!