介護施設とは?費用や種類、老人ホームとの違いなども詳しく解説!

2023.08.03
  • 介護の豆知識

介護施設や老人ホームってよく聞くけど、たくさん種類があってよく分からないという意見をよく耳にします。

確かに、難しい名前や似たような名前の施設がたくさんあります。 入所条件もいろいろあり、分からないことが多いと思います。

そこで本記事では、介護施設と老人ホームの違いや種類、特徴、入所条件、費用について紹介します。

介護施設とは?

介護施設とは高齢者が介護サービスを受けて生活する施設の総称をいいます。

日常生活のサポートや介護サービスを提供している施設はどれも介護施設になります。

施設により、サービス内容や入所条件が異なります。

老人ホームとの違い

老人ホームとは高齢者が安心して生活を送れる住宅や施設の総称をいいます。 老人ホームでは食事、介護(入浴・排泄・食事)、洗濯や掃除などの家事、健康管理の4つのサービスのうちいずれかが提供されています。

介護施設と異なる部分は基本的に「自宅」として扱われる点です。 そのため、利用者にとって自由度が高く、施設の内容や提供しているサービスの選択肢が豊富です。

自立している高齢者、介護が必要な高齢者の両者にとってメリットのある施設です。

介護施設や老人ホームの種類と費用を紹介!

介護施設や老人ホームは「公的施設」と「民間施設」に分けられます。

公的施設は費用が安く、低所得者でも入居可能ですが、希望者が多く、入所が困難です。 民間施設は金銭面に余裕があれば、入所が容易です。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは特養と呼ばれる介護保険施設です。 公的に運営されており、比較的安く利用できます。 入所は原則として65歳以上で要介護3以上の要介護者です。

特定疾病のある要介護3以上の40〜64歳の方も入所可能です。 介護を必要とする方のために、「終の棲家」となる生活の場と24時間の介護サービスの提供を目的とした施設です。

費用は初期費用0円、月額5〜15万円です。部屋の種類により費用が変動します。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は老健と呼ばれる介護保険施設です。 在宅復帰と在宅療養支援を行うための施設です。

入所中は看護や介護に加え、医師のサポートが受けられます。 在宅復帰に向けてのリハビリテーションを受けることもでき、栄養士やケアマネジャー、ソーシャルワーカー、薬剤師が常駐しており、 手厚いサービスを受けられます。

入所期間は3〜6ヶ月程度が目安とされています。 費用は初期費用0円、月額5〜20万円です。

介護医療院

介護医療院とは、2018年に新設された、比較的新しい介護保険施設です。 長期的な療養が必要な要介護者に対して医療ケアや介護サポート、生活支援を行う介護保険施設です。

日常的な医学管理だけでなく、 看取りケアやターミナルケアといった医療機能や入所者の生活施設としての機能を有しているのが特徴です。

病院に入院している状態に近く、特養や老健と比較し、医療の必要度が高い方が対象です。 費用は初期費用0円、月額8〜20万円です。

ケアハウス

ケアハウスとは、自宅での生活が困難な方が食事や洗濯などの生活支援サービスを受けながら生活できる施設です。

助成制度があるため低所得の高齢者も入居可能です。 入所条件は年齢60歳以上の方で身寄りがなく一人暮らしをしている方、老衰により身体機能が低下している方などに適した施設です。

一般型と介護型があり、介護度の状態により検討する必要があります。 費用は初期費用0〜数十万円、月額10〜30万円です。

ケアハウス一般型

一般型の入居条件は健康状態に問題はないが身寄りなどがおらず、自立した生活に不安がある60歳以上の方が対象です。

提供されるサービス内容は掃除、洗濯などの生活支援サービスや、食事の提供、緊急時の対応などがあります。

一般型には介護サービスが常設されていないため、必要な場合は外部の介護サービス(訪問介護・看護、通所介護)の契約が必要です。 費用は初期費用0〜数十万円、月額10〜30万円です。

ケアハウス介護型

介護型の入居条件は要介護度1以上の認定を受けている65歳以上の高齢者が対象です。 一般型で行われる食事、洗濯、掃除などの身の回りのサポートだけでなく、介護型は介護サービスを受けられます。

介護型には看護師・介護士の配置が義務付けられており、より質の高い介護サービスを受けられます。

費用は初期費用0〜数十万円、月額10〜30万円です。

養護老人ホーム

養護老人ホームとは、身体的・精神的・環境的・経済的な理由で自宅生活が困難な高齢者を受け入れて社会復帰を目指す入所施設です。

つまり社会復帰を促すことを前提とする施設です。 そのため、長期的に利用することはできません。

入居者に対して食事の提供や健康管理など自立支援サービス、社会復帰支援などのサービスを受けられます。 費用は、入居一時金はなく、月額0〜14万円かかります。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームとは、行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設です。

食事や入浴、排泄など日常生活上の介護サービスのほか、レクリエーションや設備面などのサービスも充実しています。

入所条件は要介護状態であることです。施設によって費用やサービスの内容が異なりますので確認が必要です。 最近では看取り可能な施設が多い。

費用は初期費用0〜数百万円、月額10〜30万円です。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームとは、 生活支援等のサービスがついた高齢者向けの施設です。

施設内はバリアフリーで、高齢者が安⼼して⽣活できる環境が整えられています。 入居者が必要とする生活援助、外部の介護サービスを自由に選択し、自分に合ったペースで生活できます。

医療サービスがほとんどないので、近くの医療機関と提携していることがあります。 費用は初期費用0〜数十万円、月額10〜20万円です。

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームとは、自立している高齢者のための施設です。 入所条件は基本的に60歳以上の方です。 一人暮らしが不安な方や他の入居者と楽しいシニアライフを送りたい方に適しています。

食事の提供、居室清掃や洗濯などの生活支援サービスが提供されています。 入居後は家事全般を任せられるため、趣味や娯楽に時間を費やせます。様々な娯楽施設も併設しています。

費用は初期費用0〜数千万円、月額10〜40万円です。

グループホーム

グループホームでは、掃除や洗濯、料理、生活に必要な作業を無理のない範囲で行いながら5〜9名の入居者で共同生活を送ります。

認知症の症状の緩和や進行を遅らせる効果があると言われています。 入居条件は、65歳以上で要支援2もしくは要介護1以上の方、医師から認知症の診断を受けている方、 施設と同じ地域に住民票がある方、少人数の共同生活に支障のない方です。

費用は初期費用0〜数十万円、月額10〜20万円かかります。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅はサ高住とも呼ばれ、バリアフリーが完備された高齢者の住まいのことです。 入居すると、安否確認や生活相談のサービスが受けられます。

サ高住には介護型と一般型の2種類があり、介護型は介護ケアを要する方を対象とし、一般型は自立した方が対象です。 サ高住は老人ホームとは異なり、あくまで賃貸住宅です。そのため、生活の自由度は高いのが特徴です。

費用は初期費用0〜数十万円、月額10〜20万円かかります。

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、高齢者が生活しやすいように配慮されたバリアフリー化された分譲マンションです。

基本的に富裕層向けに作られていることが多く、温泉や大浴場、プールなど娯楽設備が設置されているところもあります。 個人に合った施設選びが重要です。入居条件は自立していることです。

その他にも施設特有の条件が設定されている場合があるので確認が必要です。 費用は初期費用数千万円〜数億円、月額10〜30万円です。

介護施設や老人ホームにかかる費用の種類

介護施設や老人ホームにかかる費用は、入居するときに支払う「入居一時金」と、毎月支払う「月額利用料」の2つがあります。

入居一時金を支払うことで、月額利用料を安く抑えられます。

初期費用

初期費用とは、一定期間の月額利用料を前もって支払う「前払い金(入居一時金)」のことを指します。

入居一時金を支払うことで月額利用料が安くなります。 また入居一時金は、入居時に一定割合が償却され、その後は想定居住期間内に毎月均等に償却されます。 償却期間内に入居者が途中退居した場合や死亡した場合に未償却分が返還されます。

クーリングオフ制度があり、3ヶ月以内に退去した場合は入居一時金の一部が返還されます。

月額費用

月額費用は、入居後に「毎月かかる利用料」のことを指します。 内訳としては賃料や食費、水道光熱費などが含まれています。

その他には、日用品代、レクリエーション参加費、医療費、理容費、介護サービスなどの利用料がかかります。 また介護保険制度の規定より手厚い人員配置をしている施設には上乗せ介護費がかかります。

買い物代行や通院付き添いなど介護保険外サービスの利用料もかかります。

まとめ

介護施設や老人ホームについて説明してきました。

ここまでお伝えしたように、さまざまな特徴を持った施設があるので、介護度合いや入居後の生活設計、 介護サービスの利用まで総合的に考えた上で、個々に合った施設を選択することが大切です。

これから皆様が自分らしい生活が送れることを応援しています。

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