足裏のむくみの原因とは?解消方法や考えられる病気についてなど解説!

2023.08.26

足裏のむくみは、血流やリンパの流れが滞り、体内の水分がうまく排出されずに起きます。足はまずふくらはぎ、次いで足首、さらに足裏までむくんでいきます。つまり、足裏がむくむということはより深刻な状態です。

この記事では、足裏のむくみの原因である、生活習慣や病気などを紹介します。また、むくみに悩むあなたがすぐに始められる、解消方法もまとめました。ぜひ参考にしてください。

足裏のむくみの主な原因とは?

足裏のむくみは、運動不足や身体の冷えなどから起こります。この章では、足裏のむくみの主な原因を3つ紹介します。あなたやご家族が悩んでいるむくみの原因が、あるかもしれません。改善方法も合わせてご紹介いたします。

運動不足

足裏のむくみの主な原因に、運動不足があります。運動不足になると足の筋力が低下。筋力が低下すると、血液やリンパ液を下から上に押し上げる力も低下し、リンパの流れが悪くなります。その結果、足裏に水分が溜まりやすくなり、むくみが起きるのです。

足裏を刺激したり足の筋力増強を図れば、むくみが改善される可能性があります。激しい運動ではなく、家事程度の軽い動きでも大丈夫です。毎日継続して行いましょう。また、リンパの働きを良くする着圧レギンスの着用もおすすめです。

体の冷え

体の冷えも、足裏のむくみの主な原因です。体が冷えると血流が悪くなります。心臓から一番遠い足裏は特に血流が滞り、水分が溜まってむくみが起きるのです。

冷房が効いた室内に長時間いたり、冷たい飲み物や食べ物ばかり取ると体が冷える原因に。また、女性は男性に比べ筋肉量が低いため、冷え性の方が多い傾向にあります。

体の冷えを予防するには、冷たい飲み物や食べ物を控えましょう。体温の上昇を助けるショウガや、余分な水分を排出するカリウムを多く含んだ食べ物の摂取がおすすめです。

妊娠中

妊娠中は、足裏がむくみやすくなります。原因は以下の通りです。

  • ホルモンバランスの変化:妊娠中は、妊娠を維持するための女性ホルモン(プロゲステロン)が多量に分泌。プロゲステロンは、皮下組織に水分を溜める働きがあるため、足裏がむくみやすくなります。
  • 血液量の増加:妊娠中は、胎児に栄養や酸素をたくさん届ける必要があります。そのため血液量が増加し、むくみが起きやすくなります。
  • 大きくなった子宮が血管を圧迫:妊娠中期以降は、日に日に子宮が大きくなっていきます。お腹が大きくなると、太ももの付け根にある太い血管を圧迫。血液やリンパの流れが悪くなり、むくみに繋がります。

むくみを解消するためには、足先から太ももの付け根にかけてのマッサージや入浴で、血流を良くしましょう。ただし、妊娠後期の足裏のむくみには、『妊娠高血圧症候群』や『深部静脈血栓症』などの重病が隠れている場合があります。気になればすぐに医師に相談しましょう。

足裏のむくみは病気が原因の可能性もある

足裏のむくみは、心臓や腎臓などの病気が原因で起きている可能性があります。

足裏のむくみは、水分代謝が低下して起きます。立ち仕事が多い、運動不足などの生活習慣が原因なこともありますが、病気が潜んでいるのかもしれません。むくみが両足に出ているのか、片足のみなのかで、原因と考えられる病気が異なります。

  • 両足がむくむ場合…甲状腺や心臓・腎臓の機能低下、リンパの流れの滞りなど
  • 片足のみむくむ場合…足の静脈内に血栓が発生、皮膚炎、蜂窩織炎(ほうかしきえん)など

また、足裏のむくみが長時間続いたり、強い痛みや息苦しさを伴うといった場合も、病気が原因の可能性があります。早めの受診がおすすめです。

足裏のむくみの原因として考えられる病気

足裏のむくみの原因として考えられる病気は、以下の通りです。

  • 心不全:心臓は、全身に血液を送り届けるポンプ機能があります。このポンプ機能が低下している状態が心不全。足のむくみや息苦しさ、倦怠感などの症状があります。
  • 腎不全:腎臓の機能が低下し、尿として排出されるはずだった血液中の水分や、老廃物が体内に溜まる病気。足だけでなく全身がむくむ、高血圧や吐き気が見られたら注意が必要です。
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん):皮膚の皮下組織で細菌感染を起こし、炎症する病気。水分が溜まっているのではなく、炎症による腫れがむくみのように感じられます。皮膚が赤くなり熱をもち、痛みがある場合は蜂窩織炎の可能性が高いです。

他にも、深部静脈血栓症や甲状腺疾患などがあります。病気を放置すると、重症化する恐れがあります。足裏のむくみが一過性でない場合は、早めに受診しましょう。

足裏のむくみの解消方法

足裏のむくみの解消方法は、マッサージやストレッチがあります。この章では、足裏のむくみの解消方法を3つ紹介します。

すぐに始められて続けやすい方法ばかりです。足裏のむくみにお悩みの方は、ぜひお試しください。

マッサージ|効果的な足つぼもチェック

足裏のむくみを解消する方法の一つが、マッサージです。

足裏のむくみの原因に、リンパの流れの滞りがあります。足を下から上に撫で上げるだけでも、リンパの流れを良くします。もっと効果を得たい場合は、足つぼマッサージがおすすめ。むくみに効果的な足つぼをチェックしましょう。

  • 足三里(あしさんり):血行の循環を良くするツボ。すねの外側、膝から下に指4本分下がった位置にあります。親指か中指で、じっくり押しこんでください。
  • 湧泉(ゆうせん):全身の巡りを良くし、足のむくみに効果的なツボ。土踏まず上部の、足先をまげるとくぼむ部分にあります。膝を曲げて足を引き寄せると、押しやすくなります。
  • 承山(しょうざん):ふくらはぎの中央(かかとと膝裏の中央付近)にあるツボ。じっくり押すと、足の血流を上に戻す働きを促進します。
  • 太衝(たいしょう):足の甲にあるツボ。足の親指と人差し指の間を骨格にそってなぞり、両方の指の骨が合わさる場所にあります。くぼみがあるので、垂直にゆっくり押しましょう。
  • 豊隆(ほうりゅう):足のすね外側、膝と足首の中央付近にあるツボ。体内の余分な水分を排出する効果があります。親指でゆっくり垂直に押しましょう。

ストレッチ|長時間同じ体勢になる方におすすめ

長時間同じ体勢になる方は、ストレッチがおすすめ。足の疲れを取るだけでなく、足裏のむくみ解消にも効果的です。3つ紹します。

足首のストレッチ
①椅子に浅く座り、片足の甲を床につけます。
②ゆっくり足首を伸ばしていき、伸ばしきった状態を10秒間保ちます。
③もう片方の足も同様に行ってください。繰り返し何度か行うと効果的。

足裏のストレッチ
①片方の手でかかとを、もう片方の手でつま先を掴みます。
②足のかかとから足首にかけてゆっくりと反らし、足裏を伸ばしましょう。
③左右の足を入れ替えて、同様に行ってください。①~③を10回繰り返して1セット。1日3セットが目安です。

前もものストレッチ】
①椅子の前に立ち、片足の膝を椅子に付け、足先を両手でつかみます。
②お腹に力を入れながら、足先を体に引き寄せます。15秒間体勢を保ちましょう。
③もう片方の足も同様に行います。

入浴|足湯だけでも効果あり

足裏のむくみの解消方法に入浴があります。むくみの原因となる、血行不良の改善に効果的です。
湯舟に浸かる前に、シャワーを使った水圧マッサージを行いましょう。手順は以下の通りです。

  1. 湯の温度は40℃程度に設定。皮膚が少しへこむ程の水圧でシャワーを出します。
  2. 足の前面にシャワーを当てましょう。足の付け根から太もも、次いでスネ、足首、足先の順で行います。
  3. 足の裏面にシャワーを当てます。当て方は、足先からふくらはぎ、次いで膝の裏、太ももの順。
  4. ①~③を2、3回繰り返し行いましょう。
    湯舟には、38~40℃のぬるめのお湯をはり、15分から20分間ゆっくりと浸かります。リンパや足つぼのマッサージを行うと効果的です。

入浴前後には、コップ1杯ほどの水分補給を行ってください。長湯が苦手な方は足湯がおすすめ。38~40℃のぬるめのお湯に、ふくらはぎまで浸かってください。15分から20分間行いましょう。

足首を回すストレッチや、ふくらはぎや足裏のマッサージを行うとより効果的です。足湯の場合も前後の水分補給を忘れずに行ってください。

足裏のしびれが出てきたら坐骨神経痛の恐れがある

足裏のむくみに加え、しびれも出てきたら坐骨神経痛の恐れがあります。坐骨神経痛とは、坐骨神経が圧迫されることにより起こる、症状の総称です。坐骨神経は、腰周辺から足まで伸びている長い神経。そのため、腰やお尻の痛み、太ももや足裏のむくみ・しびれなど、影響は多くの部位に出ます。

坐骨神経痛は、若い方から高齢者まで起きる可能性があります。主に原因となる病気は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などです。悪化すると歩行や排尿・排便に障害が出る場合があります。早めに受診しましょう。

また、姿勢の悪さや下半身の冷え、運動不足なども坐骨神経痛の原因となります。姿勢を意識したりストレッチをしたりする、体を温めるなど生活習慣も見直しましょう。

まとめ

血流やリンパの流れが滞り、体内の水分がうまく排出されずに起きる足裏のむくみ。運動不足や体の冷え、妊娠中などが原因で起きます。また、一過性でない場合は病気が潜んでいる可能性があります。

足裏のむくみの解消方法には、足つぼマッサージやストレッチ、入浴や足湯あります。継続することでむくみ解消に繋がります。

足裏のむくみは、生活習慣の見直しなどで解消できます。しかし、病気が原因の場合は自分で治すのは困難です。必要に応じて受診し、つらい足裏のむくみを治しましょう。

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