バルーンカテーテルとは?自己導入や使用方法・注意点を解説

2023.08.28

バルーンカテーテルとは、先端に風船がついたカテーテルで、尿道から膀胱に挿入して尿を排出する医療器具です。尿閉や神経因性膀胱などの排尿障害の治療に使用されます。

この記事では、バルーンカテーテルの概要、自己導入方法、使用方法などについて解説します。バルーンカテーテルについて詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。

バルーンカテーテルとは?

バルーンカテーテルとは、先端が風船状に膨らむカテーテルで、尿道から膀胱に挿入して尿を排出する医療器具です。バルーンカテーテルの用途は、主に以下のとおりです。

  • 尿閉の治療
  • 神経因性膀胱の治療
  • 術後の尿路管理
  • 妊娠中の尿路管理
  • 寝たきりの患者さんの尿路管理

バルーンカテーテルは、医療従事者によって挿入されるのが一般的ですが、自己導入できるタイプもあります。自己導入できるバルーンカテーテルは、排尿障害の患者さんが自宅で使用できるように開発されたものです。

排尿障害の時に使用する

排尿障害は、尿の排出が困難な状態や尿の異常な保持、頻尿・尿失禁などの症状があります。原因は様々であり、膀胱の筋肉の機能障害や神経の問題などが関与していることがあります。

バルーンカテーテルは、排尿障害の症状を緩和するために使用される医療機器です。これらの疾患では、膀胱の筋肉の狭さや尿道閉塞が問題となり、正常な排尿が困難となる場合があります。バルーンカテーテルの使用により、尿の保持や排出を助けることができます。

バルーンカテーテルは痛い?

バルーンカテーテルの挿入時や使用中に痛みを感じることがあります。痛みは、バルーンカテーテルの太さや長さ、尿道の状態などによって異なります。主に、尿道にカテーテルが通過する際やバルーンカテーテルの風船を膨らませる際に痛みを感じることが多いようです。

バルーンカテーテルを使用中に痛みを感じる場合は、以下の対策をすることで痛みを軽減できます。

  • 太さや長さを選ぶ際には、尿道の状態を考慮する
  • 挿入する際には、ゆっくりと挿入する
  • 膨らませる際には、ゆっくりと膨らませる
  • 挿入した後、数分間安静にしておく

また、バルーンカテーテルを使用中に痛みを感じる場合は、医師や看護師に相談してください。

バルーンカテーテルの使用方法

バルーンカテーテルは、尿道を介して膀胱内に挿入される医療機器です。尿の排出を補助するために使用される一般的な方法の1つです。以下では、バルーンカテーテルの使用方法について詳しく解説します。

バルーンカテーテルの使用方法

バルーンカテーテルの使用方法は、以下のとおりです。

  1. 手指を清潔にします。
  2.  バルーンカテーテルのパッケージを開封します。
  3.  バルーンカテーテルの端を尿道に挿入します。
  4. バルーンカテーテルのバルーンを膨らませます。
  5.  バルーンカテーテルを膀胱に留めます。
  6.  尿が排出されるかどうかを確認します。
  7. バルーンカテーテルを抜きます。

バルーンカテーテルを挿入や抜く際には、以下の点に注意してください。

  • バルーンカテーテルを挿入する前に、尿道が清潔であることを確認してください。
  • バルーンカテーテルを挿入する際には、力を入れすぎないようにしてください。
  • バルーンカテーテルを挿入する際には、痛みや出血がないかを確認してください。

バルーンカテーテルのメリット

バルーンカテーテルには、以下のメリットがあります。

  1. 尿閉や神経因性膀胱などの排尿障害を治療できます。
  2. 患者さんが自宅で使用できるため、医療従事者の負担を軽減できます。
  3. 患者さんのQOLを向上させることができます。
  4. 自宅で排尿できるようになるため、外出や旅行がしやすくなります。
  5. 医療従事者に排尿をお願いする必要がなくなるため、プライバシーが守られます。

バルーンカテーテルは、排尿障害の患者さんの生活の質を向上させるために役立つ医療器具です。

バルーンカテーテルのデメリット

バルーンカテーテルは、尿閉や神経因性膀胱などの排尿障害の治療に効果的な医療器具です。しかし、バルーンカテーテルには、いくつかデメリットがあります。

  • 感染リスク:バルーンカテーテルは、尿道から膀胱に直接挿入されるため、感染のリスクが高くなります。バルーンカテーテルを挿入する際には、滅菌された器具を使用することが重要です。また、バルーンカテーテルは、定期的に交換する必要があります。
  • 疼痛:バルーンカテーテルを挿入する際には、尿道に痛みを感じることがあります。また、バルーンカテーテルを長期間使用していると、尿道が刺激され、出血や炎症を起こすことがあります。
  • カテーテルの閉塞:バルーンカテーテルが尿道に詰まってしまうことがあります。この場合、バルーンカテーテルを抜去し、再び挿入する必要があります。
  • バルーンカテーテルの破損:バルーンカテーテルは、柔らかい素材で作られているため、破損することがあります。

バルーンカテーテルが破損すると、尿漏れや感染のリスクが高くなります。バルーンカテーテルを使用する際には、これらのデメリットを理解し、適切に使用することが重要です。

自己導尿

自己導尿とは、尿道から膀胱にカテーテルを挿入して尿を排出する行為です。排尿障害の患者さんが自宅でできます。自己導尿をするには、以下の手順に従います。

  1. 手指を清潔にする。
  2. カテーテルのキャップを外す。
  3. カテーテルを尿道に挿入する。
  4. カテーテルを膀胱に挿入する。
  5. カテーテルから尿が排出される。
  6. カテーテルを抜く。
  7. 手指を清潔にする。

自己導尿のメリット

自己導尿は、排尿障害の患者さんの生活の質を向上させるために非常に効果的な方法です。自己導尿には、以下のメリットがあります。

  • 膀胱に尿が溜まることによる痛みや不快感を軽減できます。
  • 尿閉や神経因性膀胱などの排尿障害の治療に効果的です。
  • 外出や旅行などの際にも、自宅と同じように排尿できます。
  • 自己導尿によって、排尿障害の患者さんがより自由に生活できます。

自己導尿のデメリット

自己導尿は、排尿障害の患者さんの生活の質を向上させるために非常に効果的な方法ですが、デメリットもあります。自己導尿のデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 尿路感染症のリスクが高まる
  • カテーテルが尿道に傷をつける
  • 自己導尿に慣れるまで時間がかかる場合がある
  • 人によって自己導尿に抵抗がある

自己導尿をする際には、これらのデメリットを理解し、注意する必要があります。

バルーンカテーテル使用の注意点

バルーンカテーテルは、尿の排出を補助するために使用される効果的な医療機器です。自己導尿も一時的な尿路トラブルに有効です。

しかし、バルーンカテーテルを正しく使用しないと、感染症や尿路閉塞などのリスクがあります。
以下で詳しく解説していきます。

バルーンカテーテルの注意点

バルーンカテーテルの注意点は以下のとおりです。

  • バルーンカテーテルは、医療従事者の指示に従って使用してください。
  • バルーンカテーテルを清潔に保ってください。
  • バルーンカテーテルを長時間使用しないでください。
  • バルーンカテーテルに異常を感じたら、すぐに医療従事者に相談してください。

また、バルーンカテーテルは以下の場合に使用できません

  • 尿道に炎症や尿道に傷がある場合
  • 尿道狭窄がある場合
  • 膀胱炎がある場合
  • 尿路感染症がある場合
  • 女性で妊娠中または授乳中の場合
  • 糖尿病の場合
  • 免疫力が低下している場合

自己導尿の注意点

自己導尿の注意点は以下のとおりです。

  • 自己導尿を行う前に、必ず医療従事者に指導を受けてください。
  • 自己導尿を行う際には、清潔な手指でカテーテルを扱ってください。
  • カテーテルを長時間使用しないでください。
  • カテーテルに異常を感じたら、すぐに医療従事者に相談してください。

自己導尿は、適切に使用すれば、排尿障害の患者さんの生活の質を向上させるために非常に効果的な治療法です。しかし、自己導尿をする際には必ず医療従事者の指示に従い、注意点を守るようにしてください。

まとめ

バルーンカテーテルと自己導尿は、どちらも排尿障害の患者さんの生活の質を向上させるために使用される医療器具です。しかし、バルーンカテーテルと自己導尿には、いくつかの違いがあります。

バルーンカテーテルは、医療従事者によって挿入される医療器具です。一方、自己導尿は、排尿障害の患者さんが自宅でできる治療法です。また、バルーンカテーテルと自己導尿には、それぞれにメリットとデメリットがあります。

バルーンカテーテルと自己導尿のどちらを使用するかは、患者さんの状況や好みによって異なります。
適切に使用することで、排尿障害の患者さんはより快適で健康的な生活を送れるようになります。

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