介護タクシーは、要介護の方が買い物や病院受診に行くときに、車いすでも外出ができ、欠かせないものになっています。
最近では個人で介護タクシーを経営している方も多くなっています。
この記事では、個人で介護タクシーを開業するための手続きや必要資格について解説します。
目次
介護タクシーとは、身体障がい者や要介護認定がある方が利用できるタクシーです。車いすに乗ったまま利用できて、病院の受診や買い物などの送迎の支援を受けられます。
運転手が介護資格を所持しているので、車いすへの移乗などの介護サービスも受けられるのが特徴です。車いすやストレッチャーでも移動できるのは、介護度が高い方にはうれしいサービスと言えるでしょう。
正社員で働く場合、年収は約250万です。ジョブメドレーなどの求人サイトで求人を募集しています。介護タクシーを開業した場合の年収は約450万円です。
開業後は、税金や諸経費が引かれるので月収は約23万円です。年収をアップさせるには、独立して介護タクシー会社を開業することが良いでしょう。
介護タクシーを開業するには、『一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)』の許可を受けなければなりません。一般のタクシーと異なり手続きが多いので、きちんと確認して必要書類を準備しましょう。
車両代やタクシーメーター、車いすやストレッチャーなどの備品、営業所・車庫か駐車場が必要費用にあります。また、運輸局登録免許税や、運転資金も必要になります。
簡単に始められるといわれますが、かかる費用は数百万円程必要です。地域公共交通確保維持改善事業費補助金では、補助金の制度もあるのでぜひ活用しましょう。
先ずは第二種運転免許を取得しましょう。この資格は、乗客を運ぶために必要な資格で、バス・タクシー・ハイヤーを運転するのに必要な資格です。
資格取得の条件として、運転免許を取得して3年以上経つこと。片眼0.5以上、両眼0.8以上視力が必要になり、信号機の燈火の色が判断できるなどの条件があります。
特定教習(取得時講習)1日と、学科教習、技能教習(最短3日間)の3つを合格すると免許取得となります。
車いすの移動介助などをするので、介護職員初任者研修を修了する必要があります。(旧ヘルパー2級です。)
9科目130時間の講義を受けて介護の基本を学びます。カリキュラム達成後に実施される試験に合格すると修了です。働きながら土日・夜間コースなどで取得することもでき、修了試験はしっかり受講すれば合格できます。
という条件があります。さらに適切な事業規模かどうかも判断基準になります。
法人を設立するには、営業所の所在地が必要です。事前に確認してから営業所を設立しましょう。
個人ではなく法人で介護タクシーを開業する場合、法人口座を作成して税務署に届け出る必要があります。登記申請の際には、法人印鑑を用意しましょう。
定款には介護タクシー開業の目的として「介護保険法に基づく訪問介護事業、介護予防・日常生活支援総合事業」と記載しましょう。
法人種類は、主に「合同会社」「株式会社」「NPO法人」「医療法人」などがあります。
いずれもメリット・デメリットがありますので慎重に検討しましょう。
介護タクシーとして利用するためには、スロープ式・リフト式で車いすやストレッチャーでも乗車できるような車でなくてはなりません。また、回転式で助手席側が外から乗車しやすくなる車を用意します。
軽自動車のような小さなサイズから、ハイエースのような大きなサイズの車まであります。利用者の介護度に合わせて利用できるように車両の用意もしましょう。
中古で安く購入することもできますが、メンテナンスや燃費を考えるとなるべく新しい車種を選択しましょう。
介護タクシーの許可申請手続きは、許可を受けようとする営業区域(都道府県)を管轄する運輸局に対して、申請書類を提出することで行われます。受付時間を把握して、申請書類を提出しましょう。
車両は、福祉車両または一般車両が1台あれば登録できます。一般車両・福祉車両どちらにもメリットがあり、用途に合わせて利用することで利用者のニーズに合わせて介護タクシーを提供できます。
株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人等の申請をすることで、訪問介護事業所としても開業できます。
訪問介護事業所として登録するには、管理者・サービス提供責任者・訪問介護職員が必要になります。また、訪問介護職員は2~5名必要なので、職員を集めなければなりません。
介護タクシーとして許可を得るには、最低基準として対人1名につき8,000万円以上、対物200万円以上の任意保険に加入する必要があります。事業所として加入しますので、自家用車の任意保険より高く、年間10万円前後かかることが予想されます。
自賠責保険と任意保険は必ず加入しなければいけませんので開業前に調べましょう。また、運転以外の介護事故での対応ができる保険もありますので事前に調べておきましょう。
事業を開業したことを報告するために、運輸開始届を提出する必要があります。インターネットでダウンロードすることもできるので、いつでも作成できます。表紙や自主点検表の記載方法も載せてあるので是非参考にしてみてください。
一般車両で、【セダン型】の車は免税対象になりません。介護タクシーは福祉車両を利用することで免税の対象になります。
介護タクシーを開業するのに、補助金制度は欠かせないものです。たちあげるためには数百万円かかり、従業員への給与や車のメンテナンスなど、出費する場面が多いからです。
補助金制度を利用することで、自己資産が少ない方でも開業できます。地域雇用開発助成金や、キャリアアップ助成金などの助成金制度を選ぶことで、事業所運営に利用でき、必要条件を満たせば申請できて返済する必要がないのが助成金です。
また、補助金制度では審査がありますが返済する義務はありません。対象は、福祉車両の補助金に限られて、事業所運営には利用できません。
介護タクシーを開業するときに失敗しないよう、運営の難しさや個人事業と法人で開業する違いを解説します。
需要が高いので収入が多く出るかと思われますが、間違った方法で運営していると赤字が続いてしまったりすることもあります。
介護タクシーでは、一般のタクシーと同じで介護保険が適用されません。介護タクシーの場合、利用制限がなく、買い物や趣味や旅行娯楽・冠婚葬祭で外出する時にも利用されます。
介護保険タクシーは、介護保険が適用されて、病院や選挙などの外出の時のみ利用することができるタクシーです。
また、介護タクシーと似た名前で【福祉タクシー】というものがあります。福祉タクシーは身体障がい者の移動をサポートする車両のため、高齢者というだけでは利用の対象にはならないので注意が必要です。
介護タクシーを開業するには、人員・設備・賃金に関する要求が国土交通省の各運輸局の事業許可を取得するためにあります。
人員
ドライバーは普通自動車第二種運転免許を保有している
運行管理者、整備管理者がいること
設備
土地や建物の使用権限が3年以上
事務所・休憩所・仮眠室が併設されている
車両の長さ×幅+1m以上のタクシー車庫を併設する
賃金
所要資金合計額の50%以上の自己資金
開業当初に要する資金の100%以上の自己資金
個人事業主として介護タクシーを開業することで、初期費用を抑えられます。車両は自家用車を使用、自宅を事務所にすることで新たに固定費用をかけずに営業できます。
法人化することで、介護保険が適用されて利用者から信頼を得て経営できます。「訪問介護事業」または「居宅介護事業」の指定を受けた「介護事業者」が、利用者さんが病院等へ通院するために車で迎えに行って、乗車・降車の介助サービスを行います。
介護の資格を持ったドライバーが病院等の目的地まで移送するだけでなく、出発前の自宅において外出準備の介助、乗車・降車介助、病院内の移動介助を行うことで介護保険が適用されるようになります。
これから高齢者が増えていく中で、介護タクシーは外出や病院受診の時に欠かせないものです。
年収を高くしたい場合は、個人事業主として介護タクシーを運営することをおすすめします。初期費用を抑えて運営できて、娯楽や冠婚葬祭でも利用できるのが介護タクシーです。
介護保険タクシーの場合、病院や選挙などの時にしか利用できません。車への乗降介助、病院内の移動介助などを介護資格を持ったドライバーが行うので、介護保険が適用されます。