小規模多機能型の施設で、看護、介護のサービスを受けられる施設があります。看護サービスである医療的な処置や経管栄養などが必要な方でも入所できることが特徴です。
この記事では、看護小規模多機能居宅介護のデメリットや、どんな人に向いているのかについて解説します。
目次
訪問看護、訪問介護、通い(デイサービス)、泊まり(ショートステイ)の4つのサービスを一つの事業所で受けられる施設です。小規模多機能型居宅介護に看護サービスが加わった施設形態です。
「退院後体調がすぐれないので自宅に戻るのが不安」「医療的ケアが必要で自宅での生活は困難」という方におすすめです。
また、小規模のため、顔なじみのスタッフや利用者がいることで安心感があります。
看護小規模多機能型居宅介護は「サービスが併用できない」「料金が高い」などのデメリットもあります。
この章では、看護小規模多機能居宅介護のデメリットについて解説します。
看護小規模居宅介護の施設は、小規模のため空きがないことがあります。登録可能な利用者数は最大29人で、通所サービスの一日の利用可能人数は18人です。定員に達していると入所できません。
また、通所も定員が決まっているので、利用できない曜日があります。老人保健施設など、定員が多い施設も検討しましょう。
他の介護施設のサービスを併用して、介護サービスを受けられません。入所しているときは、看護小規模多機能型居宅介護の訪問サービス、通所介護を利用しましょう。
「他の施設の介護サービスを併用して利用したい」そんな場合は、介護付き有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅を利用することを検討しましょう。料金も安くなることがあり、余ったお金で介護サービスを併用して利用することができるかもしれません。
看護小規模多機能型居宅介護のサービスは、料金が定額制なので利用頻度が少ないサービスでも、料金は低額でかかります。サービスを利用する頻度が少ない方にとっては、利用していない分の料金も加算されるので、高く感じることもあるかもしれません。
また、地域によって料金が変わることがあるので事前に調べるようにしましょう。以下が料金の平均です。(いずれも看護小規模多機能介護施設に入所している方の料金です。)
要介護1 11,173円
要介護2 15,634円
要介護3 21,977円
要介護4 24,926円
要介護5 28,195円
看護小規模多機能介護施設は地域密着型サービスなので、施設がある市町村にお住まいの方でないと入所できません。
地域密着型とは、住み慣れた地域で介護を受けられるように、市区町村が指定した事業者が地域住民に提供しているサービスのことを指します。
「介護1以上で、住民票が同じ自治体にある方しか利用することが出来ない」というルールがあるのがデメリットとして挙げられます。
看護小規模多機能介護施設は小規模のため、利用者同士やスタッフとの人間関係に住み心地の良さが左右されます。顔なじみのスタッフや利用者がいることは、良い人間関係を築けるのであればメリットではありますが、人間関係を築くのが難しい方にとってはデメリットになります。
また、長い間顔を合わせる必要があるので、人間関係は良好にするように努める必要があります。
小規模の施設だけでなく、入所するということはそこにいるスタッフや利用者とは毎日顔を合わせるのだということを念頭に置き、良好な人間関係を構築できるように努めましょう。
医療的ケアを受けられて、顔なじみの方と生活をできるのがポイントの施設です。この章では、看護小規模多機能介護施設では、どんな人が入居するのに向いているのか解説します。
人見知りの方や認知症の方にとって、いつもと同じ顔見知りの方と生活することでメリットがあります。いつも同じ方と生活をすることで、安心して生活できます。また、早く生活に慣れるかもしれません。
認知症の方でも人の顔や名前をは覚えられるので、認知症の進行を抑えられる可能性もあります。
手続きをすることで、様々な介護、看護サービスを受けられます。
入所や通所、訪問のサービスを全て受けようとすると、各介護事業所で手続きしなければならず、面倒に感じる方もいるでしょう。
その点看護小規模多機能型居宅介護は、1回の手続きで終えられるのでシンプルです。手続きを楽に済ませたい方におすすめです。
看護小規模多機能介護施設では、初期費用を抑えて入所できます。高齢者施設に入所するには、入所一時金という初期費用がかかります。高額な初期費用を抑えて入所したい方におすすめです。
月々の料金は、介護サービス費と食費などの自己負担額を足したシンプルな価格です。計算もしやすいので、料金を考えながら利用したい方にもおすすめです。
看護小規模多機能介護施設は、介護サービスだけでなく、医療的ケアを受けられることがメリットです。また、1回の手続きで入所、デイサービス、訪問サービスのすべてのサービスを受けられることも特徴です。
デメリットは、小規模なので空き状況がない場合があることや、他の事業所のサービスと併用ができないこと、住んでいる地域と同じ自治体でないと入所ができないことが挙げられます。
さまざまな施設形態を見学してから、自分の受けたいサービスを受けられる施設を選択しましょう。