介護手当とは？受給条件や金額を解説！会社で支給される手当も

• 介護手当の受給条件ってなに？
• 介護手当はどれくらいの金額をもらえるの？
• 介護手当以外で経済的な支援を受けられる制度は？

みなさんの中にはこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

介護と仕事の両立は難しく、退職や転職を余儀なくされている人は多いです。そのため、介護疲れだけでなく、経済的な負担に悩む方も多いことでしょう。

そこで本記事では、介護をがんばっている方の経済的な負担を軽減できる制度を紹介します。

介護手当とは？

本章では在宅介護をされている方向けの「介護手当」について解説します。ただし、介護手当は各市区町村が支給しているものです。そのため、個別の受給条件や金額は、お住まいの自治体にご確認ください。

介護手当の目的

介護手当は、市区町村から在宅介護をされている家族への経済的な支援制度です。導入された背景は2つあります。

1. 親の介護を理由に離職や転職をする人が増えている
2. 経済的負担が介護者や家族の生活に重くのしかかっている

上記の問題を解決するために介護手当が導入されました。とはいえ、全ての自治体が導入しているわけではないので注意が必要です。また、制度内容や名称も市区町村によって異なります。

介護手当の内容

介護手当の特徴は、「使い道が自由」ということです。領収書やレシートなどで使用用途を報告する必要もありません。なぜなら介護手当は、介護による経済的負担を軽減するだけでなく、在宅介護をしている方への慰労の意味もあるからです。

• 介護用品の購入
• 介護保険の自己負担分の支払い
• 介護疲れ癒すためのリフレッシュ

ご家族の方と相談しながら、ライフスタイルに合わせた使い方ができる手当はとてもありがたいですね。

介護手当の受給条件や申請方法

受給条件は、市区町村によって異なります。たとえば、東京都新宿区では「家族介護慰労金」の名称で、下記の受給条件と申請方法になっています。

＜対象＞

• 高齢者が1年間を通じ、要介護4または要介護5と認定されている
• 高齢者が要介護認定後、1年間介護保険のサービスを利用していない（年間1週間程度のショートステイ利用を除く）
• 高齢者、介護者ともに住民税非課税世帯である
• 介護者が高齢者と同居、もしくは隣地に居住するなど事実上同居に近い形で介護している

＜手続き＞

• 介護者からの申請後、区が1年間の介護状況を確認して支給を決定

上記はあくまでも東京都新宿区の例ですので、居住地の自治体に確認してみてください。

介護手当の受給金額

受給金額は年額10万円〜12万円が相場です。たとえば受給条件で例に挙げた東京都新宿区では、年額10万円が支給されます。そのほかの自治体も見てみましょう。

• 東京都江戸川区：月額15,000円
• 大阪府東大阪市：年間100,000円
• 福岡県飯塚市：月額10,000円

くり返しになりますが、具体的な受給金額は自治体によって異なるため、お住まいの自治体に確認してみてください。

会社でもらえる介護手当

会社でもらえる介護手当には、介護休業給付金があります。この制度は、給与の一部を補償するもので、働き手が介護に専念できるようになります。

「仕事を辞めずに介護もしたい」方は、介護休業給付金の検討をしてみてください。

介護休業給付金とは？

介護休業給付金は、家族の介護と仕事の両立を支援する制度です。給与の一部を補償することで、介護に必要な時間と経済的な余裕を確保できます。

＜介護休業給付金のポイント＞

• 最長93日分を最大3回まで分割して受け取れる
• 給与の67%を給付金として受け取れる

なお、介護休業給付金は非課税所得のため確定申告は必要ありません。

このように、介護休業給付金は労働者が一定の収入を確保しながら介護に専念できる便利な制度です。

介護休業給付金の支給条件

介護休業給付金を受ける条件は3つあります。

• 雇用保険への加入期間
• 復職が前提であること
• 介護休業の取得（介護休暇ではない）

雇用保険の加入期間は、「介護休業を始める日より前の2年間に12ヶ月以上」の定めがあります。なお、1ヶ月のカウントはその月に11日以上就業していれば大丈夫です。

有期契約の人は、介護休業開始予定日から「93日＋6カ月」が過ぎる日までに労働契約が満了することが明らかなときは、受給対象外になるので注意してください。

介護休業給付金の計算方法

給付額の計算式は「休業開始時賃金日額×支給日数×67％」です。介護休業中に企業から給与が支払われている場合、支給額は下記のとおり調整されます。

• 給与の13％以下が支給されている場合→給付金67％すべて
• 給与の13%超え80％未満の場合→80％までの差額分
• 給与の80％以上の場合→給付金なし

このように支給額は状況によって変わります。正確な金額を知りたい方は、ハローワークや勤務先で確認してみましょう。

介護手当と介護休業給付金の注意点

最後に、介護手当と介護休業給付金それぞれの注意点を紹介します。

＜介護手当＞

• 名称、制度が自治体によって違う

くり返しになりますが、市区町村によって制度の有無、内容は異なります。そのため、ホームページで探しただけでは、見つからないこともあるでしょう。直接お住まいの市区町村に問い合わせるのが確実です。

＜介護休業給付金＞

• 他の給付金と同時利用ができない
• 制度の利用は、同じ被介護者につき1度が原則

介護休業給付金は他の給付金と同時利用できないので注意してください。

まとめ

本記事では介護者が経済的支援を受けられる制度について紹介してきました。

• 介護手当→市区町村から支給され、使い道自由
• 介護休業給付金→企業から支給され、被介護者1人につき1度まで

どちらも介護者、その家族の経済的負担を軽減してくれるものです。ぜひ本記事を参考にご検討ください。