悪質なサービス付き高齢者向け住宅を見分けよう!特徴と注意点を解説

2023.09.15

サービス付き高齢者住宅は、高齢者が住む賃貸住宅です。スタッフが常駐していて、生活の相談業務や安否確認をしています。

サービス付き高齢者向け住宅の中には、必要がない介護事業所と強制的に制約させて介護報酬を得ている施設など、悪質な施設もあります。

この記事では、悪質なサービス付き高齢者向け住宅の特徴や成約前に確認するべきことについて解説します。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者が快適に住めるようにバリアフリー環境が整った住宅のことです。一般型と介護型があり、一般型は、自立した方のみが入所できる施設で、介護型は介護を必要としている方が入所する施設です。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

一般型のサ高住では、介護サービスや食事提供は行われず、高齢者の賃貸住宅としてある施設です。スタッフは安否確認と生活相談を主に仕事としています。介護サービスは提供されないので、介護の資格を持っていないスタッフが多いです。

また、介護が必要な場合は別の施設に入所するか、サ高住でも介護事業所のサービスを活用して、通所サービスや訪問介護のサービスを受けられます。

サービス付き高齢者向け住宅の対象者

サービス付き高齢者向け住宅を利用する対象者は、介護を必要としない方です。

入居条件は、60歳以上の高齢者もしくは、60歳未満で介護を必要としている方が入所する施設です。また、「自立して生活できること」「C型肝炎などの感染症にかかっていない」など、施設によっても条件が設けられている場合があります。

医療的ケアなどの提供はないため、入所前に必ずチェックしましょう。

多発する悪質なサービス付き高齢者向け住宅の特徴

近年サービス付き高齢者住宅は増加していますが、「利益重視の施設が増えていること」「介護サービスの利用を必要としている方が増えていること」などが問題になっています。

この章では、サービス付き高齢者住宅の問題点について解説します。

中身の伴わない施設

サービス付き高齢者向け住宅の設備と、利用者の介護度が適していないと十分なサービスを受けられません。

サービス付き高齢者向け住宅は、比較的自分自身でできることの多い方が入所する施設です。介護付きのサ高住であれば、介護スタッフが24時間常駐していて、介護度が上がってもサービスを受けられます。

利用者の介護度に合わせて施設選びをすることで、サービス付き高齢者住宅でも快適に過ごせます。

不当な請求

利益重視になり、不当に介護サービス費を請求している施設もあります。また、強制的に介護サービスの業者と制約させて、介護報酬を得る施設もあります。

必要のない介護サービスを提供されていないか確認しましょう。

介護度が合わない運営体制

基本的に介護サービスの提供は行っていないのがサービス付き高齢者向け住宅ですが、最近では介護サービスの利用を希望される方も増えています。また、一般型の場合、必要な介護サービスを受けられない場合が多いです。介護サービスが必要な場合は、特別養護老人ホームや介護付サービス付き高齢者向け住宅の入所を検討することをおすすめします。

介護度が高くても受け入れてくれる場合が多く、自分の受けたい介護サービスがきちんと提供されるのでおすすめです。

不自由な生活スタイル

共同生活となっているため、お風呂や食事などの時間を他の利用者と合わせる必要がある施設もあります。時間が決まっていたり、「自分のペースで生活ができない」という声も聞かれます。

部屋にトイレやお風呂があるのか?ない場合はお風呂の使用可能時間などを確認しましょう。

悪質なサービス付き高齢者向け住宅を避けるための注意点

サービス付き高齢者住宅には、先ほど話したような悪質な企業もあります。入所する前に見学や口コミなどで情報を得ておくことをおすすめします。

この章では、サービス付き高齢者住宅に入所する前に確認するべきことについて解説します。

契約前に確認すること3点

成約前には必ず見学を行い、スタッフの様子・スタッフの人数・緊急通報システムや福祉設備が整っているかを確認しましょう。きちんと事前に確認してから入所することで、入所後に後悔することなく快適に過ごせます。

  • 施設内の掃除はできているか?
  • 利用者様は楽しそうか
  • スタッフの対応

など、見学しなければわからないことがあります。パンフレットだけで決めるのではなく、一度見学に訪れましょう。

スタッフの様子

見学時に、「スタッフは笑顔で対応してくれるか?」などを確認しましょう。家族や業者などにどのような対応をしているのかがわかります。

また、施設の雰囲気を知ることもできます。職員同士の会話では、協力性や忙しさを感じることもできるでしょう。

スタッフの人数

常駐しているスタッフの人数を確認しましょう。

  • 夜間にスタッフがいるか
  • 緊急対応を経験したスタッフがいるか?
  • 研修はきちんと行われているか?

などを確認しましょう。また、サ高住でも、みんなで集まって体操やレクリエーションを行う施設もあります。

契約前の説明

施設が提供する設備やサービスの内容、月々の支払額、施設の運営方針などについて説明があります。運営方針や申込内容に納得がいったら、仮申し込みをします。施設の入居申込書を記入して提出すると仮申し込みが完了です。

施設によっては、年金の受給額を証明する書類などの手続きが必要な場合がありますので、早めに用意しておきましょう。

緊急通報システムがあるか?

もしもの事故や体調の急変の時に、ボタンひとつで消防署などに助けを求められるシステムです。常備されていないサービス付き高齢者向け住宅は、夜間にスタッフがいることが多いです。

安全にサービス付き高齢者向け住宅で生活するためにも確認しましょう。

設備が整っているか?

バリアフリー設備は整っていますが、サービス付き高齢者向け住宅は高齢者の賃貸なので、キッチンやバスルームなどの設備も知っておきましょう。お風呂は共有で利用しているという場合もあるので、居室の中の設備も確認してみましょう。

収納設備やトイレ、洗面台が居室に設置されているかも確認しなけらばならないポイントです。サービス付き高齢者向け住宅では、施設によって設備が異なる場合もあります。必ず一度見学に行ってから入所することを決定しましょう。

介護サービスを受けられるか?

サービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスの提供は行っていませんが、サービス付き高齢者向け住宅なら介護スタッフが常駐していて、介護サービスを受けられます。

サービス付き高齢者向け住宅でも、介護事業所と連携して訪問介護や訪問リハビリなどのサービスを受けられます。受けたいサービスに合わせて施設選びをしましょう。

まとめ

高齢者住宅には、介護報酬を目的として、必要のない介護事業所と強制的に契約させられるという悪質な問題があります。

また、お風呂やトイレが個室になく、共有の空間もあることから「自分のペースで生活ができない」ということもあります。サービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスが提供されませんが、外部の介護事業所と契約することで訪問介護などのサービスを受けられます。

入所後に後悔しないように一度見学に行きましょう。施設の雰囲気や部屋の間取り、設備などを知ることができます。

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