自分自身や家族が誰かの手伝いを必要に感じた時、介護保険が頭に浮かぶと思います。しかし、介護保険の申請方法やタイミングが分からず、悩んでいる方が多くおられると思います。
そんな方に、介護保険の申請方法や流れをわかりやすく説明したいと思います。
目次
介護保険とは、介護や支援が必要な方に介護や介護予防でかかる費用の一部を給付する制度です。介護保険制度は、介護が必要となった高齢者とその家族を社会全体で支えていく仕組みです。
介護保険制度の特徴は、
これらの介護保険制度のサービスを受けるには、市区町村の担当窓口に申請が必要です。
介護保険の申請のタイミングは、自宅で自力での生活が難しくなったときや病気で入院し、退院後の暮らしに不安を覚えたときに申請することが多いでしょう。
決まったタイミングはありません。これからタイミング別に申請の方法を説明していきます。
まず、入院している場合について説明していきます。
介護保険申請のタイミングは退院する1〜3カ月前をめどに申請するようにしましょう。主治医やソーシャルワーカーと相談して頂くのが一番です。
その後、お住いの自治体の相談窓口にて介護保険の申請をします。遠方に住んでいる場合は郵送、もしくはソーシャルワーカーに代理で申請することも可能です。
次に、在宅介護をしている場合について説明していきます。
本人が身の回りのことを自分で出来なくなった場合や、家族に介護を頼るようになった場合などが申請のタイミングです。基本的には家族や親戚が申請を進めることが多いです。
在宅介護中で最も多い申請理由は「認知症」です。家族だけで抱えず、専門家の意見や力を借りることができるように介護保険を申請することをおすすめします。申請先は地域包括支援センターや市役所の相談窓口です。
要介護認定を申請する最初のステップは、介護保険申請の条件の確認です。介護保険申請ができる方の条件は原則として「65歳以上の高齢者」です。ただし、65歳未満40歳以上の方でも「特定疾病」と認定されている病気に該当している場合は申請可能です。
介護保険は本人でなくても家族であれば代理で申請することが可能です。家族が申請するのが難しい場合でも、病院のソーシャルワーカーや地域包括支援センターの職員が代行して申請することも可能です。
介護保険には以下の5つの書類が必要です。
役所で申請をした後、訪問調査をするために市区町村の担当者から連絡がきます。訪問調査は調査員が自宅、入院中の場合は病室を直接訪問し、本人の心身状態や生活環境について調べるために行われます。
訪問調査の形式は、所定の質問票に調査員がチェックをしていきます。訪問調査では、「身体機能・起居動作」「生活機能」「認知機能」「精神・行動障害」「社会生活への適応」「特別な医療に関する項目」の6つの内容を確認します。
一次判定では客観的で公平な判断をするために、コンピュータによる判定が行われます。厚生労働省が作成した全国共通の要介護認定ソフトを使用し、「介護に時間を要するのか(要介護認定等基準時間)」を分析します。
要介護認定等基準時間とは、介護にかかる時間を指し、以下の5つの介護が対象になります。
これらの介護にかかる時間と認知症加算の合計を基準に、要支援1から要介護5までを判定します。
二次判定では、一次判定の結果と主治医意見書の内容をもとに、「介護認定審査会」で要介護・要支援の認定の判定を行います。
介護認定審査会は、保健・医療・福祉の学識経験者5名ほどで構成されています。二次判定に用いられる確認事項は、
になります。
要介護認定の結果は、「要介護1~5」「要支援1・2」「非該当(自立)」のいずれかです。要介護度が明記された結果通知書と、被保険者証が利用者に届きます。
認定結果は「申請日から30日以内に利用者へ通知する」という決まりになっています。もしも認定通知が遅れる場合は、利用者宛に見込み期間と遅れる理由が通知されます。
「誰が介護保険を申請するのか」「介護保険認定前にサービスは受けられないのか」「要介護の認定結果に納得できなかった場合どうすればいいのか」
介護保険申請についてこのような質問がよく聞かれるので、説明していきたいと思います。
介護保険の申請は、介護を必要としている本人以外でも、利用者の家族であれば介護保険の申請は可能です。もし家族に頼ることが困難な場合は「地域包括支援センター」「居宅介護支援事業者」「介護保険施設」の職員が代行して申請することも可能です。
入院中であれば、病院のソーシャルワーカーも代行して、申請することが可能です。
要介護認定の結果通知は申請から約30日以内に通知されます。介護保険は、介護保険申請日から効力が発生するため、認定結果が出る前から介護サービスを受けることが可能です。
この場合、暫定的に介護保険資格者証が交付され、ケアマネジャーに暫定ケアプランの作成を依頼し、介護保険サービスを利用することが可能です。
ただし、認定結果が非該当だった場合、利用したサービスは全額自己負担となるので注意が必要です。
「非該当(自立)」と判定されて介護保険サービスを受けられない人や、想定よりも要介護が低く評価された人もいるかもしれません。そのような場合は認定結果に対する不服申し立てができます。
都道府県設置の「介護保険審査会」に結果通知を受け取った日の翌日から3ヵ月(期間は地域により異なる場合もある)以内に申し立てを行ってください。
今回は介護保険の申請のタイミング、方法、流れについて説明してきました。
自身の境遇に合わせて、タイミングや方法が異なるので今回の記事を参考にしていただけると幸いです。分からない場合は、病院の相談員や地域包括支援センターの相談員に相談してみてください。