バイタルサインで重要な呼吸数の正常値は?年齢別や睡眠時について解説

2023.10.04

呼吸数は、健康状態を判断する重要な指標の1つです。呼吸数が異常な場合、心肺機能の低下や呼吸器疾患などの病気の可能性もあります。

この記事では、呼吸数の正常値や、年齢や性別、睡眠時などによる呼吸数の変化について解説します。また、呼吸数の測り方についても紹介します。自分の呼吸数を知って、健康状態をチェックしましょう。

バイタルサインにおける呼吸数とは?

バイタルサインは、健康状態を判断するために重要な指標です。その中でも、呼吸数は体内の酸素と二酸化炭素の交換を促す重要な指標です。

呼吸数が異常な場合、心肺機能の低下や呼吸器疾患などの病気の可能性が考えられます。

バイタルサインとは?

バイタルサインは、健康状態を判断するために重要な指標です。バイタルサインは、心拍数、呼吸数、体温、血圧の4つで構成されています。これらの指標は、いずれも体内の重要な機能を反映しています。

例えば、心拍数は心臓の働き、呼吸数は肺の働き、体温は体温調節機能、血圧は血管の状態を表しています。バイタルサインが異常な場合、病気や健康状態の悪化のサインである可能性が考えられます。そのため、医療現場ではバイタルサインを定期的に測定し、患者の健康状態を把握することが重要です。

また、健康な人が自分のバイタルサインを知っておくことも、異常を早期発見・早期治療につなげるために役立ちます。

バイタルサインにおける呼吸数とは?

呼吸数とは、1分間に呼吸をする回数のことをいいます。呼吸数はバイタルサインの1つであり、健康状態を判断する重要な指標です。

呼吸数は、体内の酸素と二酸化炭素の交換を促すために重要です。酸素は、体内の細胞が活動するために必要なエネルギー源であり、二酸化炭素は細胞が活動する際に発生する代謝産物です。

呼吸数は、これらの物質の交換を効率的に行うために自動的に調節されており、年齢や性別、体調などによって異なります。

呼吸数の正常値

呼吸数は、健康状態を判断する重要な指標の1つです。呼吸数は、年齢や性別、体調などによって異なります。そのため、呼吸数の正常値を知っておくと、自分の健康状態を把握するのに役立ちます。

小児の呼吸数の正常値

小児の呼吸数は、年齢によって異なります。
一般的な小児の呼吸数の正常値は、以下のとおりです。

  • 新生児:35~50回/分
  • 乳幼児:30~40回/分
  • 小児:20~30回/分

新生児の呼吸数は、成人の2倍以上と非常に速いです。これは、新生児の肺胞が未熟で酸素を効率的に吸収できないためです。

乳幼児の呼吸数も成人よりも速く、体温の上昇や不安、興奮などで増加することがあります。小児の呼吸数は成人に近づきますが、それでも成人よりも速い傾向にあります。

小児は、成人よりも体温が高く体積が小さいため、体内の酸素と二酸化炭素の交換を効率的に行うために、呼吸数を多くする必要があります。

成人の呼吸数の正常値

成人の呼吸数は、1分間に12~20回が正常値とされています。呼吸数は、体内の酸素と二酸化炭素の交換を促すために重要です。

成人の呼吸数は、年齢や性別、体調などによって異なります。例えば、運動や興奮、体温の上昇などによって呼吸数は増加します。また、睡眠中は減少する傾向にあります。

高齢者の呼吸数の正常値

高齢者の呼吸数は、成人よりも速い傾向があります。一般的に、1分間に16~24回が正常値とされています。これは、高齢になると肺の機能が低下し、酸素の取り込みが悪くなるためです。

また、体温調節機能も低下するため、体温の上昇によって呼吸数が増加しやすくなります。高齢者の呼吸数が異常な場合は、早めに医療機関を受診して原因を調べることが大切です。以下に、正常値の例を挙げます。

  • 65歳~74歳:16~22回/分
  • 75歳~84歳:17~23回/分
  • 85歳以上:18~24回/分

ただし、高齢者の呼吸数は個人差が大きいため、あくまでも目安として考えましょう。

睡眠時の呼吸数

睡眠時の呼吸数は通常、成人では1分間に12~16回です。睡眠中は体温が低下し、心拍数や血圧が下がるため、呼吸数も減少します。また、睡眠中に深い呼吸をとる「徐波呼吸」と呼ばれる呼吸状態が現れることも、呼吸数が減少する原因の1つです。

しかし、睡眠中の呼吸数は個人差が大きく、10~20回程度の範囲であれば異常とは判断されません。また、睡眠中はいびきや無呼吸などの呼吸障害が起こることもあります。

いびきは、睡眠中の呼吸が浅くなったり、止まったりすることで起こる音です。無呼吸は、10秒以上呼吸が止まる状態です。いびきや無呼吸は睡眠の質を低下させ、日中の眠気や集中力の低下などの症状を引き起こすことがあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。

医学的には、1時間に5回以上の呼吸停止または低呼吸が認められる場合、SASと診断されます。SASの原因は、主に肥満や首が短い、顎が小さいなどの先天的な骨格や筋肉の異常です。また、扁桃腺肥大や鼻炎などの鼻腔の閉塞、睡眠薬やアルコールの使用なども、SASの原因となることがあります。

SASの症状は、

  • いびき
  • 呼吸停止
  • 起床時の頭痛
  • 日中の眠気
  • 集中力の低下
  • 情緒不安定

などがあります。SASを放置すると、高血圧や心臓病、脳卒中、糖尿病、転倒などのリスクが高まるため、早期発見・早期治療が重要です。

呼吸数の測り方

呼吸数は、胸やお腹の動きを観察しながら、1分間呼吸の回数を数えることで測定できます。呼吸数を測定する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 測定対象者に、呼吸を意識させないようにしましょう。
  • 測定対象者が動き回っていない状態で測定しましょう。
  • 測定時間は、1分間で確実に測定しましょう。

呼吸数の測定方法は、以下のとおりです。

  1. 測定対象者に、リラックスした状態で座ってもらいます。
  2. 測定対象者の胸やお腹の動きを観察しながら、1分間呼吸の回数を数えます
  3. 測定結果が異常な場合は、医療機関を受診しましょう。

呼吸数の測定は、自宅でも簡単に行うことができます。体調の変化や、病気の早期発見に役立てましょう。

まとめ

呼吸数は、体内の酸素と二酸化炭素の交換を促すために重要な指標です。呼吸数は、年齢や性別、体調などによって異なりますが、呼吸数が異常な場合は早めに医療機関を受診して、原因を調べることが大切です。

また、呼吸数を測定することで、体調の変化や病気の早期発見に役立てられます。呼吸数の測定は、自宅でも簡単に行うことができますので、ぜひ試してみてください。

日頃から呼吸数を測る習慣を身につけ、健康管理に役立てましょう。

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