40代の血圧平均値はいくつか?高血圧と低血圧の症状についても解説

2023.10.10

40代になると、健康診断で「血圧が高い」と指摘されることも少なくありません。しかし、血圧が高いとどんなリスクがあるのか、具体的に知らない人も多いのではないでしょうか。

実は、高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを高め、命にかかわることもあるのです。また、低血圧も立ちくらみやめまいなどの症状を引き起こし、日常生活に支障をきたす可能性があります。

そこで今回は、40代の血圧平均値や、高血圧・低血圧の症状について解説します。自分の血圧が正常値なのか気になる人は、ぜひこの記事を読んでみてください。

血圧とは?

血圧とは、心臓から全身に血液を送り出す際に、血管にかかる圧力のことです。血圧は、収縮期血圧と拡張期血圧の2つに分けられ、収縮期血圧は心臓が収縮するときに血管にかかる圧力、拡張期血圧は心臓が拡張するときに血管にかかる圧力です。

血圧は、心臓のポンプ機能と、血管の弾力性や抵抗性によって決まります。心臓のポンプ機能が強ければ、血圧は高くなります。また、血管が硬くなったり狭くなったりすると、血圧は高くなります。

血圧は、健康状態を示す重要な指標です。高血圧は、脳卒中、心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病のリスクを高めるため、注意が必要です。

40代の血圧平均値はいくつか?

40代の血圧平均値は、男性が収縮期血圧127.8mmHg、拡張期血圧83.6mmHg、女性が収縮期血圧118.1mmHg、拡張期血圧75.8mmHgです。

20代と比較すると、収縮期血圧は10mmHg、拡張期血圧は5mmHg程度上昇しています。40代になると、血圧は上昇傾向にあります。これは、加齢とともに心臓のポンプ機能が弱くなることや、血管が硬くなることなどによると考えられています。

40代で血圧が高めの方は、高血圧のリスクが高いため注意が必要です。

男性と女性で平均値に違いがあるか?

40代の血圧平均値は、男性の方が女性よりも高くなっています。男性は、女性よりも筋肉量が多いため、血管にかかる圧力が大きくなるためと考えられています。また、男性は女性よりも喫煙率が高く、肥満率も高くなる傾向があります。

喫煙や肥満は、高血圧のリスクを高めるため、男性は女性よりも高血圧になりやすいと言えます。ただし、女性は更年期を境に、エストロゲンなどのホルモンの分泌量が低下し血管が硬くなるため、高血圧になるリスクが高まります。

そのため、40代後半以降は女性の血圧も男性に近づき、平均値が上がってくることが予想されます。

高血圧のリスクや症状

高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを高める、重大な病気です。高血圧の症状は、自覚症状がほとんどないため、定期的に血圧を測定し早期発見・早期治療をすることが大切です。

このセクションでは、高血圧のリスクや症状について詳しく解説します。高血圧のリスクを知って、予防に努めましょう。

高血圧の症状

高血圧は、自覚症状がほとんどない病気です。そのため、高血圧かどうかを自分で判断するのは難しいと言えます。ただし、高血圧が進行すると、以下のようなものが現れることがあります。

  • 動悸
  • 息切れ
  • めまい
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 顔のほてり
  • 目がチカチカする
  • 手足がしびれる

これらの症状が現れた場合は、高血圧の可能性があります。高血圧の可能性を否定するためにも、医療機関を受診して医師の診察を受けることをおすすめします。

なお、これらの症状は、高血圧以外にも他の病気や疲労、ストレスなどの原因で現れる可能性もあります。

糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)値が適正値よりも高い状態が慢性的に続く病気です。

血液中のブドウ糖は、インスリンというホルモンによって細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。糖尿病になると、インスリンの働きが不足したり正常に働かなくなったりするため、血糖値が下がりにくくなります。

糖尿病には、大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があります。

1型糖尿病は、自己免疫疾患が原因でインスリンをつくる膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの分泌が完全になくなる病気です。2型糖尿病は、遺伝的要因と環境的要因が複合的に作用して発症する病気です。肥満や運動不足、不規則な生活習慣などが、2型糖尿病のリスクを高めます。

糖尿病の症状としては、以下のようなものがあります。

  • 口渇
  • 頻尿
  • 多飲
  • 体重減少
  • 疲労感
  • 視力障害
  • 皮膚のトラブル

糖尿病の症状は、初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的に血糖値を測定し早期発見・早期治療をすることが大切です。

動脈硬化

動脈硬化とは、動脈の血管壁が硬く厚くなり、弾力性が失われる病気です。

動脈は、心臓から全身に血液を送る管です。動脈硬化が進行すると、血管が狭くなったり詰まったりし、脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病のリスクが高まります。

動脈硬化の原因は、加齢や生活習慣の乱れなどです。加齢とともに血管の老化が進み、動脈硬化が起こりやすくなります。また、喫煙、肥満、運動不足、高血圧、糖尿病などの生活習慣の乱れも動脈硬化のリスクを高めます。

動脈硬化の症状は、進行すると以下のようなものが現れることがあります。

  • 頭痛
  • めまい
  • 手足のしびれ
  • 足の冷え
  • 疲れやすい

動脈硬化は自覚症状がほとんどないため、定期的な健康診断で早期発見・早期治療することが大切です。動脈硬化の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態のことです。

脂質の異常には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常があります。これらはいずれも、動脈硬化の促進と関連します。

脂質異常症の原因は、生活習慣の乱れと遺伝的要因の両方が挙げられます。生活習慣の乱れとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 食事の乱れ(脂質の摂りすぎ、野菜の摂りすぎ)
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 肥満

遺伝的要因としては、家族歴や脂質代謝に関わる遺伝子の異常などが考えられます。脂質異常症の症状はほとんどないため、定期的に血液検査を行い脂質異常症の早期発見・早期治療が大切です。

低血圧のリスクや症状

低血圧とは、血圧が基準値よりも低い状態のことです。血圧は、心臓から全身に血液を送り出す力と血管が抵抗する力によって決まります。低血圧になると、全身に十分な血液が行き渡らず、めまいや立ちくらみなどの症状が現れることがあります。

低血圧は、自覚症状がほとんどないことが多いため、気づかずに過ごしている人も多いと言われています。しかし、低血圧が原因で失神や意識障害などの症状が現れることもあるため、注意が必要です。

このセクションでは、低血圧のリスクや症状について詳しく解説します。低血圧の予防や対策に役立ててください。

低血圧の症状

低血圧の症状は、主に以下のとおりです。

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 立ち上がったときのふらつき
  • 顔色の悪さ
  • 吐き気
  • 倦怠感
  • 集中力の低下

これらの症状は、いずれも脳に十分な血液が行き渡らないために起こります。めまいや立ちくらみは、低血圧の代表的な症状です。

立ちくらみは、立ち上がったときや急に体を動かしたときに起こりやすいです。めまいや立ちくらみが起こった場合は、座ったり横になったりして、血圧を安定させましょう。

顔色の悪さや吐き気は、脳に十分な酸素が行き渡らないために起こります。倦怠感や集中力の低下は、全身に十分な血液が行き渡らないために起こります。

低血圧の症状は、軽度であれば、生活に支障をきたすことはほとんどありません。しかし、重度になると失神や意識障害などの症状が現れることもあります。

動悸

動悸とは、心臓の拍動を普段よりも強く感じたり、速く感じたりする症状のことをいいます。心臓の「ドキドキ」を強く、速く感じる状態です。動悸の原因はさまざまですが、以下のようなものが挙げられます。

  • 緊張や不安
  • 興奮や怒り
  • 運動
  • カフェインやアルコールの摂取
  • 特定の薬剤の服用
  • 病気(心臓病、甲状腺機能亢進症、貧血など)

動悸の症状は、主に以下のとおりです。

  • 胸の鼓動が早くなる
  • 脈拍が速くなる
  • 胸が苦しい
  • 息切れする
  • めまいや立ちくらみがある

動悸が頻繁に起こったり長時間続いたりする場合は、医療機関を受診し原因を調べてもらいましょう。

立ちくらみ・めまい

立ちくらみ・めまいとは、脳に十分な血液が行き渡らないために起こる症状で、立ち上がったときや、急に体を動かしたときに起こりやすいです。めまいは、立ちくらみだけでなく、顔色の悪さや吐き気など、さまざまな症状を伴うことがあります。

立ちくらみ・めまいの原因は、主に以下のとおりです。

  • 低血圧
  • 起立性調節障害
  • 貧血
  • 脱水
  • 薬剤の副作用
  • 病気(心臓病、脳卒中、耳の病気など)

立ちくらみ・めまいの症状は、軽度であれば、休息することで治まることが多いです。しかし、以下のような症状がある場合は、病気が原因の可能性もあります。

  • 立ちくらみ・めまいが頻繁に起こる
  • 立ちくらみ・めまいが長時間続く
  • 立ちくらみ・めまいと同時に、胸痛や息切れなどの症状がある

立ちくらみ・めまいが起こった場合は、ゆっくりと座ったり横になったりして、血圧を安定させましょう。立ちくらみ・めまいが頻繁に起こったり長時間続いたりする場合は、医療機関を受診し原因を調べてもらいましょう。

失神発作

失神発作は、脳の酸素不足によって起こります。原因はさまざまですが、主なものとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 低血圧
  • 起立性調節障害
  • 心臓病(不整脈、心房細動など)
  • 脳卒中
  • てんかん
  • 精神疾患(パニック障害、恐怖症など)
  • 薬剤の副作用

また、失神発作の症状は、主に以下のとおりです。

  • 目まい
  • 立ちくらみ
  • 顔色の悪さ
  • 吐き気
  • 意識喪失

失神発作は突然起こり、数秒から数分程度で意識が回復します。意識が回復した後も、頭痛や倦怠感などの症状が残ることがあります。

まとめ

40代になると、血圧は上昇傾向にあります。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病のリスクを高めるため、注意が必要です。低血圧も、立ちくらみやめまいなどの症状を引き起こすため、注意が必要です。

定期的に血圧を測定し、高血圧や低血圧の早期発見・早期治療をすることが大切です。この記事を参考に、自身の健康管理を意識していただけたら幸いです。

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