精神科デイケアとはどんなところ?目的やプログラムの内容を紹介

2023.10.27

「精神科デイケアって何?」と思われる方が多いと思います。デイケアといえば、高齢者がリハビリのために通うイメージですが、精神科デイケアは、就労・復学を目的にした精神障害を抱える方が通う施設です。
また、スポーツなどを仲間で楽しみ、チームワークを行いながらコミュニケーションスキルを身につけることもできます。

この記事では、デイケアの目的や利用料金について解説します。

精神科デイケアとは?

精神障害を抱える方が、社会復帰や就労、復学などを目指して様々なグループ活動を行う施設です。通所をすることで精神疾患の再発防止になり、健康保険が適用されるので負担額を抑えて利用できることが特徴です。

また、通所をすることで、

  • 決まった時間に起きて生活リズムが整う。
  • 同じ体験を経験した仲間と交流して学ぶことができる
  • 作業力、集中力、段取り良く作業をすることなどを学ぶことができる。
  • 対人関係の中でコミュニケーションスキルを身に着けることができる

などのメリットがあります。

精神科デイケアの目的

社会復帰や対人関係を作るなど、精神科デイケアを利用する目的は様々です。生活リズムの維持や、集団行動になれることを目的に精神科デイケアを利用している方も多く、就労のためのプログラムもあります。また、家族の負担を減らすことも目的として挙げられます。

この章では、精神科デイケアに通う方の目的について解説します。

生活リズムの維持

精神科デイケアは、決まった時間に通所します。朝は決まった時間に起きて、夜は決まった時間に寝るという基本的生活習慣や、スポーツなどの体力づくりのプログラムで活動量が増えます。

生活リズムが整い、普段の生活でも規則正しい生活を送れるようにすることが目的として挙げられます。

再入院・再発予防

精神障害は、ちょっとしたきっかけで再発してしまう恐れがあります。精神科デイケアでは、再入院や再発の防止も目的としています。

精神科の専門職員がいる中で、患者一人一人が社会復帰を目指しています。また、精神障害について利用者が学ぶことで、自分の症状の再発予防に努めるプログラムを行う施設もあります。病気への理解が深まり、自己管理にもつながるでしょう。

集団に慣れる

デイケアでの訓練は、グループで行うプログラムが多くなるので、集団での行動に慣れることができます。少しづつ人に慣れコミュニケーションを取ることで、周囲の人間との関わりやコミュニケーションスキルを養えるのです。

社会生活ではコミュニケーションが欠かせないものなので、同じ仲間やスタッフとかかわる中でコミュニケーション力に自信がつき、社会復帰後も人間関係を築きやすくなります。家族以外とのコミュニケーションの場としてデイケアは重要なものと言えるでしょう。

家族の負担軽減

精神疾患を持つ方は外出することが少なく、自宅で過ごす時間が長いので、家族のケアが負担になってしまいます。デイケアに通うことで家族の負担を軽減させることができ、本人・家族共に心に余裕をもって生活できます。

また、医療スタッフがいる安心感と、本人が自分の精神疾患について学び再発防止の為に自己管理をすることにも役立ちます。就労や通学にもつながるので利用後の生活にも生かせます。

服薬・金銭管理

金銭の管理や服薬管理も自分で行えるようになることも目的のひとつです。自立して生活をしていくためには、自己管理や身の回りのことができなくてはいけません。デイケアに通い生活習慣が整うことで、自己管理能力が上がることが期待されます。

また、出来ることが増えて自分に自信を持てるようになることで、うつ病予防につながり、社会参加に意欲的になるでしょう。

心理教育等のプログラム参加

精神デイケアでは、心理教育や就労への準備、勉強やPCなどのスキルを身につけるプログラムのほか、趣味活動やスポーツなどの娯楽もあります。疾患や回復段階に合わせてプログラムを設定して自立支援を行います。

個人で行うプログラムだけでなく、団体で行うスポーツや創作活動もあるので、コミュニケーションの向上や社会参加に繋がります。プログラミングやWEBデザインなどのスキルを身につけて、フリーランスとして活動するのも良いでしょう。

精神科デイケアの利用料金の目安

精神科デイケアは、健康保険が適用されて、利用料金は3割負担となります。そのため、施設によって料金は異なりますが、病院などに併設された大規模施設で約2,100円、グループホームのような小規模施設で約1,770円となります。詳しくは各施設に問い合わせてください。

その他にも病院の受診料や食費などがかかります。また、自立支援医療を併用した場合利用料金は1割負担となります。

精神科デイケアの利用方法

「精神科デイケアの利用方法が分からない」という方も多いと思います。この章では、精神科デイケアの利用について「利用するにはどこに相談すればいいの?」「見学や体験利用はできるの?」などの疑問にお応えします。

主治医に相談する

精神科デイケアを利用するには、主治医に相談することが方法として挙げられます。精神科の場合、精神科デイケアが併設されている場合があります。または、付近の精神科デイケアを症状に合わせて紹介してくれるかもしれません。その際、パンフレットをもらったり、料金についても確認しましょう。

見学・体験・面接

施設に連絡をして見学・体験の申し込みをします。事前にパンフレットを見ていれば、行っているプログラムなどについて把握できているので、体験を予約してみるのもいいでしょう。一日体験することで、精神科デイケアの流れを把握でき、雰囲気や活動の様子がわかります。

見学・体験の時には、スタッフが笑顔で接しているか?挨拶を返してくれるか?施設内はキレイか?などをチェックすることも大事です。利用を開始してから他の施設に移ることは難しいので、後悔しないよう慎重に行いましょう。

利用手続き

見学の後にデイケアのスタッフとの面談があります。病歴のことについて聞かれるので、分かりやすく説明しましょう。家族の話も聞かれることがありますので、見学などは家族と予定を合わせましょう。

デイケアの精神科医と今後のプログラムについて話したあと、施設側、本人ともが合意出来たら利用開始となります。

まとめ

精神科デイケアは、精神障害を抱えた方が就職、復学をするために通うデイケアです。精神科デイケアに通う目的としては、生活リズムの維持や再入院・再発防止などが挙げられます。

精神疾患を抱える方は家にいる時間が長い傾向があるため、デイケアに通うことで仲間と交流し、社会参加やコミュニケーションスキルの向上にもつながります。再発を防止するためにも、きちんと通い就労・復学を目指すことが重要です。

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