入浴は、一日の疲れを癒したり体の汚れを落としたりするだけでなく、血の流れを良くしてリラックス効果のあるものです。
高齢になり、一人で入浴できなかったり家族の手を借りても入浴することが困難な方に、入浴の介護サービスを提供するのが訪問入浴です。入浴の介助なら介護スタッフだと考えますが、介護スタッフだけでなく看護スタッフの役割も重要です。
この記事では、「看護師は訪問入浴でどのような業務をしているのか?」「平均の給与やどんな人が向いているのか?」という疑問に答えます。
目次
自宅の浴槽で入浴が困難な利用者のために、入浴介助をする介護サービスです。
介護スタッフ1名、ドライバー1名、看護スタッフ1名が必要です。バイタル測定を行い利用者様が入浴可能な状態か、顔色やその日の状態を見て判断します。利用者の些細な状態変化に気づくためにも看護スタッフが重要になります。
訪問介護でも入浴の介助はありますが、自宅の浴槽で入浴が可能な方が対象です。手すりにつかまって立位を保つことができて、介助をすれば浴槽につかることもできる方なので、介護士は一部介助や見守り程度です。
一方、訪問入浴の場合は自宅の浴槽で入浴ができない寝たきりの方が対象です。浴槽を搬入して寝た状態で入浴ができるお風呂を使用して入浴します。
寝たきりの方や自宅のお風呂で入浴ができない方が対象のサービスです。また、心臓に病気がある方、医療処置がある方、立位や歩行などの動作に不安がある方も対象になります。
医療処置がある場合は、ストーマや在宅酸素など介護職員だけでは対応できない場合があります。心臓病や呼吸器疾患を患っている方は特に注意が必要なので、看護職員が入浴の介助をします。
訪問入浴の看護職員は、バイタル測定や介助の手伝いなどをします。この章では、訪問入浴での看護スタッフの仕事内容について解説します。
看護スタッフは最初に利用者様のバイタル測定を行います。入浴は体への負担が大きいので、血圧・体温・脈拍をきちんと測定しましょう。異常が見られた場合は、足浴や清拭に変更することもあります。
本人の状態によって入浴の可否を判断するのも看護スタッフです。入浴後は薬の塗布や医療処置を行います。
体の大きい利用者様は、一人で介助をすることが困難なので手伝う必要があります。前後でバスタオルを持ち、ストレッチャーへの移乗を行う場合もあります。着脱介助や医療処置だけではないので力のいる仕事となります。
一軒当たりの時間が決まっているので、効率よく進めていく必要があります。
入浴は体力の消耗が激しく、入浴後は疲れている状態なので、歩行時ふらつきなどに気を付けてゆっくり過ごしてもらうようにしましょう。
また、お風呂に入っている間に800mlの水分が失われています。水分補給を促して落ち着いてからバイタル測定を行います。入浴後は血圧が高く表示されるかもしれませんので、30分くらい時間をおいてから測定するのが良いでしょう。
「訪問入浴の看護師の仕事はきつい」と思われる方が多いと思います。訪問入浴の看護師は、スピードが求められる仕事で、寝たきりや医療行為が必要な方が多いというイメージが持たれますが、利用者や家族から感謝される仕事です。
この章では、看護師が訪問入浴で働くメリットデメリットについて解説します。
正社員ではなく、単発のバイトや派遣で働く方法もあります。ブランクがあっても働きやすく、ダブルワークとしても訪問入浴の仕事はおすすめです。
パートの求人も多いので、休日の時間を活用して働いている方も多いです。また、日勤のみで土日が休みの場合も多いので、正社員でも土日に休めてプライベートを充実させることができます。
訪問入浴は、寝たきりの利用者様を入浴させるため、「移乗介助や更衣介助が大変だ」と勤務している方は話されます。体力に自信があり、腰痛などのトラブルの経験が少ない方におすすめです。
訪問入浴では、一軒につき50分など時間が決まっているのでスピードが求められ、てきぱきと動く必要があります。一日通して慌ただしく気を抜くことができません。
正社員の場合、平均給与は18万~32万円です。日勤のみで夜勤がないので夜勤手当はありません。しかし、ボーナスも15万~32万円あり、年収は320万~400万円が相場です。
パートの時給は、1,400円~2,400円と高く、求人も派遣やパートが多いのが特徴です。急遽スタッフが必要な場合は2,000円を超える場合もあります。日払いで給与をくれる事業所もあるので、単発のバイトとしても良いでしょう。
感謝の言葉や喜んでくれる表情にやりがいを感じる方に向いています。利用者様は訪問入浴が来る時しか入浴できないので、楽しみに待っている方が多いです。
相手が異性の場合、羞恥心が強く最初は嫌がられることもありますが、関わり続ける中で信頼されていきます。病院と違い、一人の利用者様と長く関わり信頼を築いていける仕事です。
訪問入浴では、看護師はバイタルチェックや介助の手伝い、更衣介助を行います。また、利用者が入浴可能な状態か判断し、入浴後の薬の塗布や処置もします。
日勤のみなので土日に予定を入れやすく、パートや派遣で訪問入浴の仕事を選ぶ方も多いのが特徴です。