介護ボランティアとは?活動場所や内容、注意点について解説

2023.11.13

介護施設などで活動する介護ボランティア。介護の現場を直接見られ、貴重な体験ができます。

今回は、介護ボランティアについて、活動場所や内容、注意点などを詳しくまとめました。あなたも将来、ご家族の介護をしたり自身が施設に入居したりするかもしれません。介護ボランティアは、将来に役立てられる活動ができます。気になる方は、ぜひ記事を参考に始めてみてください。

介護ボランティアとは?

介護ボランティアとは、介護施設などにおいて介護職のサポートをする活動。特別な資格や経験が無くても基本的に参加可能です。「介護現場を見てみたい」などといった目的でも、介護施設や高齢者宅で活動できます。

介護ボランティアに参加したい方のために、まずは目的と活動場所を紹介しましょう。

介護ボランティアの目的

介護ボランティア参加者の目的は、大きく分けて「介護現場を見る」と「入居者の心身をサポートする」の2つです。

  • 介護の現場を見てみたい:介護業界に興味があっても、いきなり就職するのはためらうもの。介護ボランティアに参加すれば、実際の介護現場を見て体験できます。また、将来家族の介護をお考えの方も、リアルな介護の現状を知れるでしょう。
  • 入居者の心身をサポート:介護施設に入居している高齢者の方に対し、心身をサポートするのも目的の一つ。会話やレクリエーションなどを通して、楽しみの時間を提供します。人の役に立つと、やりがいや生きがいも感じられるでしょう。また、介護施設側にも以下の目的があります。
  • 地域との交流が生まれる:介護ボランティアを通して、入居者と地域住民との交流がはかれます施設について広く知ってもらうきっかけにもなるのです。
  • サービス向上:行事やレクリエーションなどで介護ボランティアに補助してもらい、サービスの向上を図ります。また、外部からの視点や意見を取り入れられるので、より良い施設作りに活かせるのです。

介護ボランティアの活動場所

介護ボランティアの活動場所は、大きく分けて高齢者宅と介護施設の2つです。

  • 高齢者宅:一人暮らしをされている高齢者の方の自宅へ、安否確認を兼ねて訪問します。話し相手になり、孤独感を和らげることができます。部屋や家周りの掃除などを行う場合も。
  • 介護施設:介護施設にて介護職員の補助を行います。普段なかなか見る機会の無い、介護現場を体験できるメリットがあります。介護施設へ就職をお考えの場合は、施設でのボランティアがおすすめです。

介護ボランティアの活動内容

介護ボランティアの活動内容は、介護スタッフの補助や入居者への個別対応などです。身体介助は介護資格が必要なため行えません。

この章では、3つの活動内容を詳しく紹介します。活動内容を把握していないと、思わぬ事故やトラブルが起きる可能性があります。事前に把握しておきましょう。

介護スタッフの補助

介護ボランティアの活動内容1つ目は、介護スタッフの補助です。以下のような日常業務をサポートします。

  • 施設の掃除
  • ベッドメイキング
  • 食事の配膳やお茶入れ
  • 庭や花壇の手入れや、備品の補充

入浴や排泄などの身体介助は、介護資格が必要です。介護ボランティアは行えませんので、注意しましょう。もし無断で身体介助を行うと、入居者に怪我を負わせてしまうかもしれません。入居者から身体介助を依頼された場合は、お断りしてすぐに介護職員へ声をかけてください。

入居者への個別対応

介護ボランティアの活動内容2つ目は、入居者への個別対応です。入居者一人ひとりと向き合い、コミュニケーションをはかります。

  • 話し相手になる
  • 将棋や囲碁などの対戦相手になる
  • 散歩や外出の付き添い
  • 折り紙やお手玉で一緒に手先を動かす

入居者への個別対応は介護職員も行いますが、業務に追われなかなか時間が取れない場合もあります。コミュニケーションは、入居者にとって楽しみや人との繋がりを感じる時間。介護ボランティアによる個別対応は、施設に笑顔や明るい雰囲気を増やしてくれるのです。

レクリエーションのサポートや主催

レクリエーションのサポートや主催も、介護ボランティアの活動の一つです。介護施設ではレクリエーションを多く実施しますが、介護職員は業務と並行して行うため人員が足りない場合もあります。介護ボランティアがレクリエーションのサポートや主催を担ってくれれば、介護職員の負担が軽減されるのです。

また、介護ボランティアの特技や資格を活かすことも可能です。例えば、書道や楽器演奏の先生となったり、編み物や園芸に共に取り組んだりするのも良いでしょう。レクリエーションは、複数の入居者に対して楽しみの時間を提供できる活動なのです。

介護ボランティアをする際の注意点

介護ボランティアをする際の注意点は、体調管理の徹底や個人情報の取り扱いなどです。紹介する注意点を意識しなければ、思わぬトラブルに繋がり入居者や介護施設に迷惑がかかってしまいます。あなた自身を守るためにも、しっかり把握しておきましょう。

体調管理を徹底する

介護ボランティアに参加する際は、体調管理を徹底しましょう。心身に不調があると、ボランティア活動に支障をきたす恐れがあります。体調が悪い場合は、無理せず活動を中止してください。

また、風邪やインフルエンザなどの感染症には、特に注意が必要です。高齢者は、若い人に比べて体力や免疫力が低下しています。感染症にかかると悪化しやすく、生命に関わる場合もあるのです。微熱や咳・鼻水、下痢などの症状がある場合は、ボランティア活動をお休みしてください。体調が回復してから参加しましょう。

相手の気持ちに寄り添った行動をする

介護ボランティアは、相手の気持ちに寄り添った行動をする必要があります。ボランティアは、「やってあげる」わけではありません。自分がしたいことだけを押し付けてしまっては、自己満足の活動になってしまいます。

相手が今何を望んでいるのか、対象者の立場に立って考え行動しましょう。生活のリズムやペースへの配慮も重要です。相手の気持ちを尊重したボランティア活動を行うためには、コミュニケーションが必須です。笑顔やあいさつを欠かさず行い信頼関係を築いていければ、理解も深まっていくでしょう。

個人情報の取扱いに気を付ける

介護ボランティアをする際は、個人情報の取り扱いに気を付けましょう。介護施設でボランティアに参加すると、入居者や介護職員の名前や住所、疾患などの個人情報を知る機会があります。世間話のつもりで、家族や知人に介護施設で知った個人情報を話してはいけません。例えボランティアでも、個人情報の守秘義務があります。

もしも個人情報をもらした場合は、施設の信用問題に関わり、訴訟問題に発展する恐れも有ります。ご注意ください。

依頼された案件に専念する

介護ボランティアでは、依頼された案件に専念しましょう。介護施設によって、ボランティアに対しルールや活動内容が決められています。ボランティア活動に積極的になるのは良いことですが、ルールを無視してボランティアの活動範囲外にあたる行動をしては、施設や入居者に迷惑がかかります。

特に、食事や入浴などの身体介護は、介護資格の保有者のみに許されます。介護ボランティアは決して行ってはいけません。必ず依頼された案件に専念し、入居者からできない活動を依頼された場合はすぐに介護職員に報告しましょう。

介護ボランティアをしたいと思ったら?

介護ボランティアをしたいと思ったら、介護施設や社会福祉協議会などに問い合わせましょう。

自宅近隣でボランティア活動をしたい方は、直接介護施設に募集していないか問い合わせるのがおすすめです。ただし、東京や大阪などの都市部では施設が多く、自分で確認するのは困難です。その場合は、市区町村や地域包括支援センター、または近隣の社会福祉協議会に問い合わせましょう。

  • 市区町村や地域包括支援センター:自治体によっては、「介護ボランティア制度」を導入しています。ボランティア活動でポイントが付与され、寄付や換金ができます。
  • 社会福祉協議会:社会福祉協議会は、ボランティアセンターを設置しています。ボランティアセンターは、介護ボランティアと募集している施設をマッチングします。

まずは、最寄りの社会福祉協議会のホームページでボランティアセンターを確認しましょう。直接訪問しても構いませんし、電話やメールでの問い合わせも可能です。

基本的に、18歳以上であれば誰でも参加できます。しかし、施設やイベントによっては高校生でも参加可能です。一度お問い合わせください。

まとめ

介護ボランティアとは、介護施設などにおいて介護職のサポートをする活動です。

主な活動場所は、高齢者宅への訪問や介護施設で、介護現場を見たり入居者の心身をサポートしたりします。活動内容は、介護スタッフの補助やレクリエーションのサポート・主催などです。

参加する際は、体調管理や個人情報の取り扱いなどに注意しましょう。介護ボランティアの募集に関しては、介護施設や社会福祉協議会のボランティアセンターなどにお問い合わせください。

高校生などの学生から元気な年配の方まで、幅広い年齢層が参加可能な介護ボランティア。介護現場での体験は貴重な人生経験となり、やりがいや生きがいを感じられるでしょう。ぜひあなたも一度、参加してみてはいかがでしょうか。

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