介護をする人なら、誰でもなりえる介護うつ。予防には誰かに相談するのが効果的です。この記事では、介護の悩みを相談できる場所を詳しく紹介します。また、サービスの利用者やご家族から相談を受ける、介護相談員についてもまとめました。
介護相談ができる場所を探している方、また自分自身が介護相談に携わりたい方におすすめの記事となっています。
目次
介護によるストレスや疲れから発症するのが、介護うつです。介護うつは介護者なら誰でもなりえる病気です。介護うつにならないためには、まずは相談できる人や場所をもちましょう。
責任感が強く、真面目な人は介護うつになりやすいと言われています。一人で問題を解決しようとし、ストレスを抱えてしまうためです。誰かに相談すると気持ちが軽くなり、精神的負担が軽減します。また、介護の悩みに対しアドバイスや解決法を提示してもらえる場合も。
外部との関わりは、自宅介護で感じる孤独感の解消にも繋がります。介護うつの予防には、まず悩みを相談することが大事なのです。
介護うつにならないためには、介護の悩みを相談できる場所が必要です。地域包括支援センターやシルバー110番などで相談できます。
この記事では、介護相談ができる場所を6つ紹介。介護でつらい思いをされている方は、一度利用してみてはいかがでしょうか。
地域包括支援センターは、介護や高齢者の生活に関する悩みを無料で相談できる総合窓口です。各市区町村に設置され、社会福祉士と保健師(看護師)、主任ケアマネージャーが配置されています。
介護の現状や悩みを相談すると、適切なサービスや制度を紹介してくれます。また、要支援と判定された高齢者には介護予防のケアプランを作成します。その他に、まだ介護が必要でない方への予防支援や、高齢者の権利擁護などを行う機関です。
利用対象者は、対象地域に住む高齢者やその家族などの支援者です。お住まいの市区町村のホームページや電話で相談の予約ができます。地域包括支援センターは、介護の悩みを気軽に相談できる場所です。
医療機関の相談窓口でも、介護の悩みを相談できます。怪我や病気で介護が必要になった時は、通院や入院をしている医療機関の医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。治療に対する不安や、退院後の生活に対する悩みなどに対応しています。
利用者の身体状態に合ったサービスの提案や、介護保険についての説明などを行います。また、医療費に関する金銭面での相談も受けてくれます。医療機関の相談窓口は、通院や入院中だけでなく、退院後の生活に向けたサポートも行うのです。
市区町村には介護担当の窓口があり、介護の悩みを相談できます。市区町村の担当窓口では、高齢者の生活や介護について様々な相談が可能です。市役所で「介護保険課」や「介護福祉事業課」などの名称になっている窓口です。要介護認定の申請や、介護保険制度の利用手続きも行えます。
利用対象者は、自治体がある市区町村に居住している方です。介護担当の窓口は、自治体のホームページや、自治体の代表番号への電話で確認できます。市区町村の担当窓口に介護の悩みを相談すれば、必要な介護制度の手続きがスムーズに行えるでしょう。
市区町村の社会福祉協議会でも、介護の悩みを相談できます。社会福祉協議会は、地域に根差した介護サービスを幅広く行っている機関です。
高齢者が気軽に通える「サロン」を展開しています。地域ボランティアとのネットワークがあるため、高齢者向けの有償ボランティアを紹介する所もあります。また、住み慣れた地域でより長く生活できるよう、地域の医療機関や介護サービス事業者との連携もサポートしてくれます。
対象者は、対象地域に住む高齢者やその家族などの支援者です。直接行くだけでなく電話での相談もできます。社会福祉協議会は、地域に精通した相談窓口です。
シルバー110番は、電話で介護の悩みが相談できます。シルバー110番とは、各都道府県に設置された高齢者や家族が悩みや不安を相談できるサービスダイヤル。通話料はかかりますが、相談は無料です。また、匿名で相談できるため、気軽に利用できます。
「#8080」に電話すれば、お住まいの地域のシルバー110番に繋がります。相談受付時間は、9:00~17:00です。介護に関するお金など、専門的な相談には弁護士や医師などの専門家からアドバイスがもらえます。シルバー110番は、相手の顔が見えない分、本音や悩みを相談しやすいのがメリットです。
24時間無料の相談窓口なら、いつでも介護の悩みについて相談できます。「JA共済の健康・介護ホットライン」は、全国どこからでも通話料・相談料無料。匿名で24時間相談できます。看護師やケアマネージャーなどの専門家が答えてくれるので安心です。
また、保険会社でも24時間対応の相談窓口を設けている会社があります。あなたが対象保険会社と契約していれば、無料で相談できるので便利です。一度契約している保険会社に介護の相談窓口が無いか、ご確認ください。24時間無料の相談窓口なら、時間や料金を気にせず気軽に介護の悩みを相談できます。
介護相談員とは、介護施設の入居者に話を聞き、問題の改善やサービスの質を向上させる職業です。任意事業のため普及していない市区町村があり、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。実は、介護の現場と行政との橋渡しをする重要な役割をもつ職業なのです。
介護相談員になるにはどうしたらいいのか、また仕事内容やメリットも紹介いたします。
介護相談員になるには、特別な資格がいるのでしょうか。実は、実務経験や資格は必要ありません。ただし、自治体が実施する基本カリキュラムによる養成研修を受ける必要があります。研修は合計40時間以上です。介護に関する知識や、介護相談員としての役割・スキルなどを学びます。
さらに、各市区町村長に「事業活動の実施にふさわしい人格と熱意」があると認められなくてはいけません。介護相談員になるには、一定水準以上の研修を受け、かつ各市区町村長の任命を受ける必要があるのです。
介護相談員は、介護の現場と行政とを繋ぐ役割があります。詳しい仕事内容は以下の通りです。
介護相談員は、直接的な介護(入浴や排泄介助)は行いません。また、利用者同士のトラブルの仲裁や家族問題への介入など、個人的な問題の相談は対応不可です。
介護相談員になると、以下のようなメリットがあります。
介護うつにならないためには、まず相談できる場所や人をもつことが大事です。介護の悩みを相談できる場所は、地域包括支援センターや医療機関の相談窓口などがあります。
介護相談員は、サービスの利用者やその家族から悩みや不安の相談にのる職業です。介護相談員になるには一定水準以上の研修を受け、かつ各市区町村長の任命を受ける必要があります。介護サービスの利用者から話を聞き、行政と介護の現場とを繋ぐのが仕事です。
介護の悩みを相談すると、気持ちが楽になったり孤独感が和らいだりして、介護うつの予防に効果的です。あなたもぜひ、ご紹介した相談場所をご利用ください。