ユニット型と従来型の違いは?費用やメリット・デメリットを解説!

2023.11.29

特別養護老人ホーム(特養)や老人保健施設(老健)といった介護施設で、近年増えつつあるユニット型。従来型と居室の配置などに違いがあり、個別ケアに特化しています。この記事では、ユニット型と従来型の違いについて詳しく紹介します。

メリットやデメリット、費用面についてもまとめました。ユニット型は、アットホームな雰囲気を好まれる方におすすめです。介護施設をお探しの方は、ぜひ記事を参考にしてください。

ユニット型と従来型の違いは?

ユニット型と従来型は、居室やスタッフの配置などに違いがあります。近年増えてきているユニット型の介護施設ですが、従来型とどちらを選ぶべきか、迷われる方もおられるでしょう。違いを知り、あなたやご家族に合う介護施設を探す際の参考にしてください。

ユニット型の特徴

ユニット型の特徴は、以下の通りです。

  • 居室は個室:ユニット型は居室が個室となり、プライバシーを確保しやすいのが特徴。リビングや風呂などは共有です。ただし、孤独感を感じやすい人は個室が合わない場合もあり注意が必要。
  • ユニットごとにスタッフが固定:ユニット型は、10名以下の利用者で1ユニット。ユニットごとに固定のスタッフが対応します。スタッフは入居者の体調や生活リズムを把握しやすいため、個人に合わせたケアを行えるのです。
  • 個人に合わせたケア:個別ケアに特化したユニット型は、利用者の生活リズムや個性に合わせた介助を行います。食事や入浴を好きな時間に行え、自宅にいるような感覚で過ごせる施設と言えるでしょう。
  • 利用者同士の交流が多い:少人数制で共有スペースもあり、人間関係を築きやすいのが特徴。他者との交流が苦手な方は、苦痛に感じる場合もあります。

従来型の特徴

従来型の特徴は、以下の通りです。

  • 居室は多床室:従来型の居室は、2~4人の多床室。プライバシーの確保が難しく、家族の面会なども居室では行いにくい場合があります。個室のユニット型に比べ利用費は安価なため、できるだけ費用を抑えたい方におすすめです。
  • 大勢のスタッフで対応:従来型では、大勢の利用者を大勢のスタッフでケア。ユニット型と違い、利用者に対しスタッフが固定されることはありません。
  • 集団的なケア:入浴や排泄の介助が、個人に合わせてではなく決まった時間に合わせて行われがちです。なかなか個人に合わせたケアが難しい場合が多いと言えます。
  • 利用者同士の交流が少なめ:人数での生活になるため、利用者同士の深い関係は築きにくいかもしれません。他者とあまり交流を持ちたくない方に向いているとも言えます。

ユニット型のメリット

ユニット型のメリットは、個別ケアができる点や家族の面会がしやすい点などがあります。この章では、少人数制で個室のユニット型ならではのメリットを3つ紹介します。あなたやご家族の気に入るメリットがあるかもしれません。

個別ケアができる

個別ケアができるのが、ユニット型のメリットです。ユニット型は、10人以下の利用者で1つのユニットを形成します。ユニットを担当する職員は決まっているため、利用者一人ひとりに合わせた介護をすることが可能です。

また、従来型では集団ケアが主でした。利用者のタイミングや気持ちに関わらず、決まった時間に入浴や食事の介助が行われがちです。個別ケアでは、利用者の好きなタイミングで食事や入浴が可能。日中の過ごし方も、居間などの共有スペースで他の利用者と談笑したり、個室で過ごしたりと好きに選べます。

ユニット型では、利用者の生活リズムに合わせた柔軟な個別ケアができるのです。

家族の面会がしやすい

ユニット型は、家族の面会がしやすいというメリットがあります。従来型の介護施設は2~4人の多床室ですが、プライバシーが守られにくく家族と個人的な会話をするのが困難です。ユニット型は個室なので、他の利用者を気にせずゆっくりと自室で面会ができます。他者に聞かれたくないような話も、気兼ねなくできるでしょう。

また、家具や雑貨などを自分で持ち込めますので、自分が落ち着く環境を作れます。

スタッフとの関係が築きやすい

ユニット型のメリットに、スタッフとの関係を築きやすい点があります。ユニット型では、ユニット専属のスタッフを配置しています。担当スタッフが固定されているので、利用者の様子や体調の変化に気付きやすくなります。

目が行き届きやすいため、利用者一人ひとりに合わせたケアを行いやすいのも特徴です。また、利用者側もスタッフが変わらないため、コミュニケーションが取りやすくなります。結果、家族のような安心感を覚える関係を築けるのです。

ユニット型では、専属のスタッフがきめ細やかな対応ができ、利用者との信頼関係が築きやすいと言えるでしょう。

ユニット型のデメリット

メリットの多いユニット型ですが、デメリットもあります。利用費が高めだったり、孤独を感じてしまう可能性があったりする点などです。従来型でもユニット型でも、個人によって合う合わないがあります。あなたやご家族の求める介護施設像と比較するために、デメリットも把握しておきましょう。

利用費が高め

ユニット型のデメリット一つ目は、費用が高めな点です。特養や老健は、居室のタイプや要介護度、所得で利用費が決定します。完全個室でプライバシーの確保ができやすいユニット型は、多床室の従来型に比べて費用が高めです。水道料金や電気料金といった光熱費なども、やや高くなります。

入居費を月額料金で比較すると、ユニット型は従来型に比べて約4~5万円ほど高くなるのです。自分だけの居室を確保できるユニット型ですが、利用費が高めなため入居を諦める方もいるでしょう。

孤独に感じてしまう可能性がある

ユニット型のデメリット二つ目は、孤独に感じてしまう可能性がある点です。居室が個室であるため、プライバシーの確保がしやすいユニット型は一人の時間が欲しい方には安心できるでしょう。しかし、人によっては一人で過ごすのが寂しいと感じる方もいます。

居間などの共有スペースはありますが、自分一人の部屋に孤独感を感じ、従来型の多床室を望む方もいるのです。一人で過ごすのが苦手で大勢での生活を望む方には、ユニット型は孤独に感じてしまうかもしれません。

トラブルがあった時に居づらくなる

ユニット型のデメリット三つ目は、トラブルがあった時に居づらくなる点です。ユニット型は少人数の利用者と固定のスタッフで構成されるため、同じ人と毎日のように顔を合わせます。信頼関係を築きやすいと同時に、トラブルがあると気まずい思いをする場合も。

従来型に比べて人同士の距離が近いため、トラブルの解決が難しい時もあるでしょう。場合によっては、退去せざるを得ないかもしれません。

ユニット型の費用

ユニット型の費用は、特養に入居する場合以下の料金がかかります。入所一時金はありません。

  • 介護サービス費:介護サービスを受ける上で発生する基本料金。居室タイプや要介護度により変わります。
  • 介護サービス加算:人員やサービス内容などに合わせて加算されます。施設によって内容が変わりますので、事前にご確認ください。
  • 食費:原則一日3食分を請求。外出などで一食食べなかったとしても、料金は変わりません。
  • 居住費:賃貸住宅で言う家賃のようなもの。多床室の従来型に比べ高くなります。
  • その他の費用:日用品や嗜好品の代金、理美容代、医療費など。レクリエーションなどで外出した際の費用(施設入場代など)も含まれます。おむつ代や、クリーニングのいらない衣類の洗濯料金はかかりません。

月額の合計料金は、約13万円です。従来型は約8~9万円と言われますので、4~5万円ほど高くなります。また、短期入所生活介護を利用する際も従来型よりユニット型の方が高額となります。

まとめ

ユニット型は、10人以下の利用者でユニットを形成する、少人数制の施設です。従来型と違い居室が個室でプライバシーを確保しやすく、特養や老健で増えてきています。

ユニット型は、家族の面会がしやすい、スタッフとの信頼関係が築きやすいなど多くのメリットがある反面、利用費が高めなどのデメリットもあります。

ユニット型の月額費用は、特養に入居する場合約13万円で、従来型に比べ4~5万円ほど高額です。短期入所生活介護を利用する際も、従来型より高い利用費がかかります。費用はかかりますが、利用者一人ひとりに合わせたケアを行うユニット型。介護施設選びの候補に入れてみてはいかがでしょうか。

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