ケアマネジャー(ケアマネージャー)の資格を取るには?難易度や条件も

2023.11.29

ケアマネージャーという職種についてご存じでしょうか。高齢者や障がい者の生活を支援し、その人にあった計画を策定する職種です。この役割を果たすためには適切な資格が必要となります。その資格取得プロセスには一定の難易度を伴います。

誰にこの資格が最適なのか、そしてどのように取得するのかを解説していきます。

ケアマネジャー(ケアマネージャー)とは?

ケアマネジャーとは、『介護支援専門員』とも呼ばれます。ケアマネジャーは高齢者や障がい者などのケアプランを立て、サービスの調整や提供を行います。状況のモニタリングやフォローアップも担当し、継続的なケアの品質を確保します。

利用者や家族、事業所の担当者などと話し合いの場を設け、中心的な役割を担います。主治医や病院との連携もスムーズにいくよう、日ごろからコミュニケーションがとても大切な職種です。

ケアマネージャーの資格試験の概要

ケアマネジャー試験は、介護の専門家養成を目的とし、高齢者や障がい者の支援に従事する者を認定する試験です。介護福祉士としての知識やスキルを評価し、倫理観やコミュニケーション能力もテストされます。

また、法令や制度の理解、ケアプランの策定能力、ケアマネジメントに関する知識が問われます。資格を取るには試験に合格することです。福祉現場でのキャリアの機会が広がります。費用は6,700円~9,200円程度で、都道府県によって違います。

受験の条件

特定の国家資格を保有している人

  • 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士
  • 義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)
  • 精神保健福祉士

上記のいずれかを保有し、これらの国家資格に基づく業務の実務経験が通算5年以上であり、従事した日数が900日以上であれば受験資格を得られます。

介護施設などで援助業務等に従事している人
上記の国家資格を保有していない場合でも、生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として、受験資格に定められる相談援助業務に通算5年以上の従事期間があり、900日以上の従事日数があれば、受験資格が与えられます。

試験内容

  • 試験形式:5肢複択でほとんどの都道府県がマークシート方式を採用
  • 試験時間:120分 ※点字受験者…180分/弱視等受験者…156分
  • 出題内容:介護支援分野 25問 保健医療サービス分野 20問 福祉サービス分野 15問 計60問
    科目1 介護保険法その他関係法令に関する科目
    科目2 居宅サービス計画・施設サービス計画および介護予防計画に関する科目
    科目3 介護給付等対象サービスその他の保健医療 サービスおよび福祉サービスに関する科目
    科目4 要介護認定及び要支援認定に関する項目

難易度・合格率

合格ラインは、各分野の正答率70%程度を基準としていますが、問題の難易度によって毎年補正されています。また、合格目安として各分野70%以上の正答率を目標にするとよいでしょう。ケアマネージャー試験の合格率は10~20%程度が続き、他の介護・福祉系の資格と比べても難易度の高い資格といえます。

ケアマネージャー受験申込からのスケジュールを紹介!

ここでは、受験資格を得たあなたに分かりやすく試験の申込や必要書類など解説しています。ケアマネ試験の受験時期は、毎年10月の日曜日に開催されています。年1回です。この時期に間に合うようにスケジュール調整していきましょう。

願書の受け取り

例年、試験の2~4ヵ月前から受け取りを開始し、願書〆切日は6月下旬から7月下旬となっています。地域によって異なりますので確認が必要です。

介護支援専門員試験願書受け取りは、オンラインまたは郵送が可能です。公式ウェブサイトから願書をダウンロードし、必要事項を記入の上期限の期限までに送付またはオンラインで申請してください。

受験申し込み手続き

都道府県の社会福祉協議会などで配布される受験案内を受け取り、以下の必要書類を用意します。

  • 受験申込書
  • 証明写真
  • 実務経験証明書または実務経験見込証明書
  • 資格証明書
  • 戸籍抄本
  • 欠格事由申出書

実務経験証明書または実務経験見込証明書とは、ケアマネジャーの試験を受けるために必要となります。申込時に条件を満たしていれば「実務経験証明書」、申込時には満たしていないが、試験前日まで含めれば満たせる場合には「実務経験見込証明書」を提出します。

この証明書は勤務先に記入してもらいますが、複数の職場の勤務期間を合わせることで条件を満たす場合には、複数の勤務先に記入してもらう必要があります。

本試験・合格発表

受験票に記載されている試験会場で本試験を受けます。受験票には試験当日の注意事項も書かれていますので、事前によく読むことが重要です。

合格発表は、毎年11月下旬~12月上旬にあります。郵送かネット、郵送のみで合否が通知されます。都道府県によって発表の仕方はまちまちです。どうしても試験の合否をすぐに知りたいという方は、各都道府県の公式HPにて、合格発表がネットでも行われているのかどうか調べてみることをおすすめします。

「介護支援専門員実務研修」の受講

介護支援専門員試験に合格したからと言って、実務に就けるわけではありません。まずは「介護支援専門員実務研修」を受講する必要があります。受講までの流れを説明します。

  1. 受講案内が届いたら速やかに内容を確認し、受講手続きを始めましょう。案内の中には「申し込み書類」と「受講料金の振り込み用紙」などが入っています。
  2. 受講の申し込みと支払いが完了したら、「実務研修受講決定通知書」が届きます。
  3. 研修時間は87時間以上、日程は9〜16日間のところが多く前期と後期に分けられています。前期と後期の間に居宅介護支援事業での現場実習が1〜3日間行われ、全ての研修を終了するまでに数ヶ月かかります。

指定された全ての日数に出席する必要があり、修了評価に合格すると「研修修了証明書」の交付を受けます。

「介護支援専門員資格登録簿」へ登録申請

研修終了後3ヶ月以内に都道府県へ登録の手続きを行います。手続きは原則郵便で行うところが多いです。介護支援専門員登録申請に必要なものは以下の通りです。

  • 申請書
  • 研修修了証明書の写し
  • 証明写真2枚
  • 住民票
  • 手数料納付書の領収証や都道府県の収入証紙

介護支援専門員証の交付申請

登録申請と同時に介護支援専門員証の申請も行いましょう。登録だけでは介護支援専門員として働くことができません。働く予定のある人は介護支援専門員証の交付を受けましょう。また、介護支援専門員証は申請から交付まで1ヶ月程度かかるので、早めに申請しましょう。

ケアマネージャーの資格は5年ごとに更新!

資格取得から5年間で実務経験がないものの、今後ケアマネジャーとして従事していきたい人は、54時間の「更新研修」を受講する必要があります。

初めて更新する場合、5年の期限内に6ヶ月未満の実務経験があれば88時間の「更新研修」を、6ヶ月以上3年未満の実務経験があれば32時間の「更新研修」と「専門研修Ⅰ」を、3年以上あれば「専門研修Ⅰ」と「専門研修Ⅱ」を受講することによって資格を更新できます。

2回目以降の更新の場合、前回までの更新で実務経験者用の「更新研修」(32時間か88時間)を受講したかによって、受けるべき研修の内容が変わってきます。

まとめ

この記事ではケアマネジャーの試験概要から受験資格、試験までの流れ、合格後の流れについて解説しました。福祉の世界は、自分の力でスキルアップできることが魅力的です。しかし、日々の仕事に追われ、勉強するのも大変だと思います。

ケアマネジャーという仕事はたくさんの知識も身に付きますし、利用者様やご家族様の声を直接聞けるのでとてもやりがいのある仕事です。ぜひ、皆様も新しい一歩を踏み出しましょう!

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