高齢者におすすめ!椅子を使った人気の楽しい体操7選!効果も解説

2023.11.29

ここでは、高齢者の方が楽しみながらできる体操を紹介します。体操をすることで、筋力を維持したり、現在できている日常生活動作を続けていくことができます。椅子を使った体操をはじめ、体の各部位を使った体操の種類、体操をする際の注意点などを解説します。

安全に楽しみながら体力の向上をはかりましょう。

高齢者に椅子を使った体操がおすすめな理由

高齢者の方の身体状況は、その方々によってできることとできないことのばらつきがあります。そのような条件下で、みんなで楽しみながら体操をするには「椅子に座ったままでできる体操」が安全性も確保できるのでおすすめです。

体力の維持・向上になる

高齢者は徐々に体力が低下し、日常生活動作でできていたことが次第にできなくなっていきます。体操をすることで体力の維持や向上を図り、現在の生活を続けていけるといった効果も期待できます。高齢者の身体状況によっては、できる体操とできない体操がありますが、その方にあった体操をすることが大切です。

維持したほうがよい身体能力など、理学療法士などの専門職に相談することで、より効果的な体操を行うことができます。

運動不足解消になる

高齢者は運動する機会が少ないため、運動不足から、全身の運動機能が低下しやすい傾向があります。日ごろから体操する習慣をつけることで、運動不足の解消ができます。運動をすることで食欲も増し、睡眠の質もよくなるといった効果も期待できるでしょう。

楽しみを作るきっかけになる

体を動かすことで、気分が爽快になった経験はどなたにもあると思います。工夫して体操を行うことで、体を動かすことがひとつの楽しみになれば理想的です。

また、集団で体操をする場合、「体を動かしながら、楽しい時間を過ごす」という側面もあり、世間話などをしながら、参加者それぞれとコミュニケーションをとれる時間になります。参加者も個別に声をかけてもらえること、皆に注目されることで喜びを感じる方もいるでしょう。

椅子を使った人気の楽しい体操メニュー7選!

椅子を使った人気の楽しい体操メニュー7選を紹介します。

  1. ラジオ体操
  2. グーパー体操
  3. 地元の踊りを取り入れた体操
  4. いきいき百歳体操
  5. 各自治体のオリジナル体操 市役所や包括支援センターなどで紹介されています。
  6. ロコモ体操 健康長寿財団のホームページなどで紹介されています。
  7. 肩こり予防体操など

それぞれ、インターネットでイラストが見れる場合がありますので、探してみるとよいでしょう。

首の体操

椅子に座ったままできる首の体操です。

  1. 椅子にゆったりと背筋を伸ばした状態で腰掛けます。
  2. 首を前にゆっくりと傾けてもらい、呼吸はしたままゆっくりとリラックスした状態で行います。
  3. あまり仰向けにならない程度、斜め上を見るくらいに軽く首を後ろに傾けます。
  4. 首の横の筋を伸ばす感じで、右、左に首を傾けます。タイミングは、声かけをする方が指示を出しながら行います。
  5. 最後に首を右回し左回しして終了です。

肩の体操

肩の体操をする前に、まず深呼吸をゆっくりと3回行います。

  1. 肩をすぼめるようにして、上下に10回程度上げ下げをしてもらいます。タイミングは、声掛けをする方が指示を出して行います。
  2. 両手を挙げて背伸びをしてもらいます。背伸びをしたまま手を組み、前に体ごと腕を傾けてもらいます。
  3. 後ろに腕を背伸びするように伸ばします。これを3回行います。
  4. 同じように両手を組んだまま、体を左右に傾けます。体の側面を延ばすような感じで3回行います。

太ももの体操

椅子に座ったままできる、太ももの体操です。この体操をすることで、段差を超えたり浴槽の出入りといった日常生活動作を安定させることができます。

  1. 椅子に座り、可能であれば足首に百円均一などでも手に入る重りをつけてください。
  2. 「いち、に、さん、よん」と数を数えながら右ひざを伸ばします。そのとき、つめ先もしっかり自分のほうにむけるようにします。
  3. 右足が10回終わったら、左足も同じように行います。

口腔体操

口腔体操は、食事をするとき唾液が出やすくなる効果があり、舌を動かしたり飲み込むための準備体操です。

  1. まず、発声です。「パ、タ、カ、ラ」という言葉を順番に10回ずつ発声します。
  2. 舌の体操です。舌を前に出したり、戻したりを3回。右、左に3回。鼻の方とあごの方、上下に3回。そして、左右の頬の内側を舌で強く押す体操を3回します。
  3. 唾液腺を刺激します。耳の下からあごのラインにそってマッサージをします。唾液がでてきたら「ゴックン」と飲み込みを行います。

グーパー体操

比較的人気があるのが、グーパー体操です。よく行われる基本的なグーパー体操を紹介します。

  1. まず、両手をグーにして胸元に揃えます。
  2. 指示者の合図で右手を前に出します。そのとき、前に出す手は「パーの形に」と胸に当てた手を「グー」の形にします。実際に、「右手を前にー」と声をかけて、参加者が前に出した右手がパーになっているかを確認します。
  3. 次に左手を前に出し、交互に何回か行います。
  4. 次に、前に出した手を「グー」に、胸に当てた手を「パー」にしてください。前に出した手をうまく「グー」にできない場合があり、ほほえましい雰囲気になる場面もみられます。

ボールを使った体操

椅子に座ったままでできる、ボールを使った体操を紹介します。一番簡単なのは、輪になって座り、隣の人にボールを渡すゲームです。ただ渡してもらうだけでもうまくできない人もいるので、ある程度緊張感を持ってゲームを行うことができます。

次第にボール回しに慣れてきたところをみはからって、次のゲームを行います。これは、脳トレを取り入れたゲームになり、しりとりをしながら隣の人にボールを渡します。もし難しいようなら、数をひとつずつ増やしてカウントしながら、隣の人にボールを渡すというゲームもおすすめです。

足踏み体操

椅子に座って、足踏みをする体操の紹介です。

  1. まず、足首の運動から行います。椅子に座って、背筋を伸ばしてしっかりと座ります。「いち、に いち、に」と声かけをしながら足首を爪先立ちにしたり、かかとを下ろしたりします。これを10回程度行います。
  2. 次に、足踏みをします。このとき、手すりつきの椅子を使用し、てすりにしっかりつかまってもらいながら、掛け声に合わせて片足ずつ太ももから上げたりおろしたりします。転倒しないように見守りをしながら10回程度繰り返します。

高齢者が体操をする際の注意点

高齢者が体操をする場合、体調が良好かどうか事前の確認が必要になります。高齢者によっては判断ができず、参加をしたがる傾向があるため無理をすることがあるからです。もし、看護師などがいれば確認すると安心です。

体操をする際に、バランスを崩して椅子ごと転倒する可能性があります。椅子は手すりがついていて、安定性のあるものを選びましょう。

まとめ

ここまで、椅子に座ったままできる体操を紹介してきました。高齢者や障害のある方にとっては、椅子に座ったまま安心して体を動かせるということが重要になります。また、体操を指導する方にとっても、安全で多人数の方に同時に体操を実施できます。

時には冗談をいいながら楽しい体操の時間を過ごすことは、高齢者の方にとって生きがいを生み出すことにもつながります。

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