糖尿病予防と水分補給|おすすめの飲み物や血糖値を下げる飲み方を解説

2023.12.05

糖尿病とは、インスリンがうまく働かず血糖値の高い状態が続く病気です。糖尿病予防には、水や麦茶などの飲み物がおすすめです。糖尿病予防において水分補給は重要な役割があるのです。

この記事では、糖尿病予防におすすめの飲み物や注意すべき飲み物、血糖値を下げる飲み方について解説します。記事を参考に、普段の飲み物から糖尿病を予防しましょう。

糖尿病について

糖尿病は、悪化すると命に関わる合併症を引き起こす恐れがあり、早期の発見と治療が必要です。糖尿病の治療には、運動療法やインスリン注射などがあります。また、食事療法も欠かせません。

糖尿病の治療内容と、食事療法の重要性について詳しく紹介いたします。予防のためにも把握しておくと安心です。

糖尿病の治療内容

糖尿病の治療内容には、以下のような方法があります。

  • 食事療法:糖尿病は、まず生活習慣の改善が必要で、食事療法は基本となる治療内容です。次の項目で詳しく紹介いたします。
  • 運動療法:食事療法と並び、基本となる治療方法です。運動は糖や脂肪を使います。また、肥満が解消されれば、インスリンの効きが良くなるのです。ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。スクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせるとさらに効果的です。
  • 経口薬による薬物療法:食事療法と運動療法だけでは血糖値の改善が見られない場合、薬物療法が必要です。薬は数種類有り、場合によっては組み合わせて血糖値をコントロールします。
  • インスリン注射:1型糖尿病の方は、インスリン注射を中心とした治療になります。2型糖尿病の方も、症状が進行すると必要です。インスリン注射は自己注射です。患者本人が腹部などの皮下脂肪に自分で注射します。

糖尿病治療には食事療法は欠かせない

糖尿病治療には食事療法は欠かせません。基本の治療と言えます。食事療法は難しいものではなく、食べてはいけないものもありません。毎日の食事で、以下のポイントに気を付けましょう。

  • 1日3食決まった時間に食べる:糖尿病の食事療法は、食べ過ぎても食べ過ぎなくてもいけません。1日3食を規則正しく食べてください。
  • 食物繊維を多く摂る:食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにします。摂取量の目安は1日20~25g。
  • 栄養バランスの良い食事:食品の種類を多く摂り、必要な栄養素をバランス良く摂りましょう。
  • 食べ過ぎに注意する:一日に必要なエネルギー量を超えないようにしましょう。特に炭水化物(糖質)の摂り過ぎに注意しましょう。腹八分目を心がけてください。

食事療法を適切に行えば、運動療法や薬物治療などの効果も上がります。糖尿病治療において、食事療法は重要な役割を担っているのです。

糖尿病予防におすすめの飲み物

糖尿病予防におすすめの飲み物は、水やお茶などです。糖尿病を改善する飲み物はありません。しかし、血糖値の上昇を抑え糖尿病を予防する効果が期待できます。

この章では、おすすめの飲み物を3つ紹介します。糖尿病が気になる方は、まずは飲み物を変えてみましょう。

糖尿病予防におすすめの飲み物の一つ目は、水です。ジュースや炭酸飲料など、糖分を多く含む飲み物は血糖値を上昇させます。全く糖分を含まない水は、糖尿病の予防に効果的と言えるでしょう。

水そのものに血糖値を下げる働きがあるかは、はっきりとした研究結果は出ていません。しかし、水は体内の老廃物を排出したり、血液がドロドロになるのを防いだりする働きがあります。生命の維持に欠かせません。喉が渇いた際は水を選ぶのが、糖尿病を始め様々な病気の予防に効果的と言えるでしょう。

麦茶

麦茶も、糖尿病予防におすすめの飲み物です。水と同じく糖分が含まれていないので、血糖値が上がりません。糖尿病を予防には、まずは無糖の飲み物を選ぶと良いでしょう。

また、麦茶には糖尿病合併症を防ぐ効果がある、という研究結果もあります。麦茶に含まれる抗酸化作用の成分が、血液をサラサラにしたり、虫歯や歯周病を予防したりするためです。麦茶は、無糖で抗酸化作用成分が含まれているため、糖尿病予防に適した飲み物と言えるでしょう。

ルイボスティー

糖尿病予防におすすめの飲み物の三つ目は、ルイボスティーです。水・麦茶と同じく無糖ですので、血糖値が上がる心配が無く安心です。また、ルイボスティーには『アスパラチン』と『ピニトール』という抗酸化作用成分が含まれています。

アスパラチンは、高血糖を予防する研究結果が出ている成分で、ピニトールは、血糖値の急上昇を抑える研究結果が報告されています。どちらもマウスを使った実験の結果なため、人への作用ははっきりと証明されていません。しかし、食事中や食後にルイボスティーを飲むと、血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。

さらにルイボスティーは、インスリンの分泌に必要な亜鉛やミネラルも多く含む飲み物です。抗酸化作用成分を含め、体に良い成分が多いので糖尿病予防におすすめです。

糖尿病に注意すべき飲み物

糖尿病に注意すべき飲み物には、清涼飲料水やコーヒーなどがあります。糖分を多く含んでいたり、血糖コントロールを乱したりするためです。これから紹介する4つの飲み物を多量に摂取するのは危険です。量や飲み方に注意しましょう。

清涼飲料水

甘い清涼飲料水は、糖尿病に注意すべき飲み物の一つです。清涼飲料水には糖質が非常に多く含まれています。しかも、糖の吸収を遅らせる脂質や食物繊維などがほとんど含まれていません。結果、急激に血糖値が上昇してしまうのです。

また、熱中症対策にスポーツドリンクや経口補水液を選ぶのは要注意です。身体に水分を素早く吸収させるために多量の糖分と塩分が含まれています。糖尿病の方が多く摂取すると、急激に血糖値が上昇し危険です。最悪昏睡状態になる可能性もあります。喉の渇きを感じる場合は、糖質の多い清涼飲料水は選ばないようにしましょう。

アルコール

糖尿病に注意すべき飲み物の二つ目は、アルコールです。アルコールが含まれるお酒は、適度な量ならストレス緩和や糖尿病のリスク軽減などの効果があると言われています。しかし、量を多く摂り過ぎると糖尿病の悪化に繋がる恐れがあるのです。また、場合によっては医師からアルコールを禁止される場合もあります。

アルコールの多量摂取は、肝臓や膵臓に影響を与え、血糖コントロールを乱す恐れがあります。また、ビールやチューハイ、日本酒などは糖質を含むため、飲むと血糖値が上昇します。一緒にカロリーの高いおつまみを食べると、肥満の原因にもなります。肥満は糖尿病を引き起こす要因の一つです。

アルコールは糖尿病の発症・悪化の恐れがありますので、摂取する際は医師に量を相談しましょう。

コーヒー

コーヒーは、糖尿病の場合飲み方や量に注意が必要です。実は、コーヒーのリラックス効果は糖尿病の発症リスク低下に繋がるという研究結果があります。しかし、糖尿病を発症している方がコーヒーを飲むと、血糖コントロールが乱れる恐れがあります。カフェインがインスリンの働きを妨げたり、血糖値を上げやすくしたりするためです。

コーヒーを飲む場合は、量や飲み方に注意が必要です。一日に何杯も飲まず、2杯程度にしてください。砂糖は入れず無糖で飲みましょう。また、カフェインの含有量が少ないカフェインレスコーヒーを選ぶと、より安心です。

ジュース

甘いジュースも、糖尿病に注意が必要な飲み物です。ジュースには多量の糖質が含まれています。例えば、コーラなら3gのスティックシュガー約19本分、オレンジジュースなら約15本分です。

ジュースを飲み続けると、血糖コントロールが乱れ、高血糖状態が続いてしまいます。血糖値が高い方は避けた方が無難でしょう。また、体に良いイメージがある野菜ジュースも、糖質が多く含まれるものがあります。糖尿病の悪化に繋がる恐れがあるのです。果物や野菜は、ジュースでなくそのまま摂取するのがおすすめです。糖の吸収を穏やかにする食物繊維をより多く摂れます。

飲み過ぎと食事中の水分補給にも注目しよう

水分を3L以上欲するなど飲み過ぎている場合は、糖尿病の可能性があります。高血糖状態が続くと、体は血中のブドウ糖を体外へ排出しようとします。結果、通常より多くの尿がブドウ糖と共に排出されます。体が脱水状態になり、喉が渇くのです。

水分は一度にたくさん飲みすぎても体外へ排出されてしまいます。血糖値を下げるためには、一日複数回に分けて摂取してください。ただし、糖尿病の合併症で糖尿病性腎症を発症した場合は、水分制限が必要です。摂取量は医師の指示に従いましょう。

また、食事中は血糖値が上昇します。食後の血糖値上昇を緩やかにするために、食事中も水分をこまめに補給してください。

まとめ

糖尿病の予防は、水分補給に注意が必要です。おすすめの飲み物は、水や麦茶、ルイボスティーといった無糖の飲み物です。糖尿病に注意が必要な飲み物は、清涼飲料水やアルコールなどがあります。糖質を多く含み血糖値を上昇させたり、血糖コントロールを乱したりするため、摂取を控えましょう。

一日に3L以上もの水分を必要とする場合は、すでに糖尿病の可能性があります。血糖値を下げるためには、一日複数回に分けて水分補給してください。また、食事中も血糖値の上昇を緩やかにするために、こまめに水分補給するようにしましょう。

糖尿病は、薬物療法の前にまずは食事や運動といった生活習慣の改善が重要です。まずは水分補給から糖尿病を予防し、健康的な生活を維持しましょう。

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