生活保護受給者の権利と手続き方法|医療サービスについても解説

2023.12.12

この記事では、生活保護受給者の権利と手続き方法について、分かりやすく解説しています。経済的困難に直面し、生活に支障をきたしている各々に対し、生活保護制度を利用する方法とその受給者としての権利、また、利用できる医療サービスについて詳しく解説します。さらに、手続きの詳細も明確にし、誰でも簡単に申請できるよう解説しました。

これは生活保護を必要とする人、または生活保護に興味がある人、そして社会福祉に関わる職業に就いている人にとっておすすめの記事となっています。

生活保護とは?

生活保護とは、日本の社会保障制度の一部で、生活に困窮した人々が必要最低限度の生活を営むことができるように支援する仕組みのことです。

生活保護制度の目的と、その対象となる人について詳細に解説します。2023年時点で、生活保護を利用する約201万人の受給者たちがどのように援助を受け、社会からの支援を活用しているかを例に挙げながら具体的な手続きや権利についても紹介します。

生活保護受給者の権利

生活保護受給者には、7種類の援助申請権利があります。

  • 生活扶助
  • 教育扶助
  • 福祉扶助
  • 医療扶助
  • 育児扶助
  • 出産扶助
  • 葬祭扶助

生活状況に応じて援助が給付されます。例えば、医療行為の無償化(医療扶助)や教育費の援助(教育扶助)等です。また、給付の不適切さや不承認について異議を申し立てる、受給開始の経緯や援助内容を知る権利も保障されています。ただし、援助は生活の安定を目指す手段であり、受給者には自立への努力義務もあります。

生活保護の受給資格

生活保護の受給資格は、主に以下の条件に基づいて判断されます。

まず、収入が一定以下で生活を維持することが難しいと認められる人が該当します。また、自己や家族の努力だけでは生活を立て直すことができないと判断される場合も対象となります。資産も評価の一部で、一定の貯蓄や不動産などがある場合にはそれを生活費に充てるべきとされ、存在する場合は援助が受けられません。

援助の目的は経済的自立の支援であり、市町村のソーシャルワーカーやケースワーカーの判断により大筋の方針が決まります。全体的な生活状況や個々の背景が考慮されます。

生活保護の申請方法

生活保護の申請は、原則住所地の福祉事務所で行います。必要な書類は

  • 印鑑
  • 本人確認書類(運転免許、写真付きマイナンバーカード等)
  • 預金通帳
  • 保険証
  • 年金手帳
  • 家賃のわかる賃貸借契約書等

です。申請書を提出後、福祉事務所の担当者が家庭訪問し生活状況や受給の条件が満たされているか調査します。冗長な手続きが求められますが、申請は拒否されることはありません。どんな状況でも、必ず福祉事務所が相談に応じます。

まずは生活保護の窓口で相談

生活保護申請は国民の権利であり、困窮している人は窓口で相談することが推奨されています。相談窓口は各地域を管轄する福祉事務所の生活保護担当、または都道府県、市の福祉担当部署、社会福祉協議会、NPOなどに設置されており、申請するかどうか悩んでいる人に対して求められる支援を提供します。

相談を始めるためには窓口へ行き、生活保護の申請を考えている旨を伝えましょう。申請ができるのは、本人または扶養義務者、同居している親族です。

申請書の記入

生活保護の申請は、福祉事務所で受け取った申請書に必要事項を記入することから始まります。記入すべき内容は、申請者の基本情報(名前や住所など)、家族構成、収入や財産の有無、健康状態などにわたります。また、申請に必要なさまざまな証明書類も同時に提出する必要があります。

記入や提出が困難な場合は、福祉事務所の職員が支援します。申請書記入後、次の手続きとして福祉事務所の職員による家庭訪問が行われ、申請者の生活状況が確認されます。この一連の手続きを経て、最終的に生活保護が認定されます。

生活保護受給者は医療費が無料

生活保護を受けている人は医療費が全額補助されます。これは、経済的困難を経験している人々、特に医療費に対する負担を感じている人々にとって、大きな安心材料となります。

生活保護受給者の医療サービス

生活保護受給者にとって、健康管理は重要な課題です。経済的困難に直面している人々にとって、医療費は大きな負担となり得ます。そこで、日本の生活保護制度では、受給者の医療費を全額補助します。これにより、どのような病気やケガにも対応できるよう医療サービスが提供されます。

全国の医療機関で医療サービスを受けることが可能で、病院選びに制限はありません。また、処方される薬も全額無料です。医療サービスは人々の生活にとって不可欠ですが、特に困難な生活環境にある人々にとっては、その恩恵は計り知れません。

生活保護受給者が医療機関を受診する場合は医療券が必要

生活保護受給者が医療サービスを受けるためには、医療券の取得が必須です。医療券は、受給者が国の医療補助の対象であることを証明する書類で、これを所持していることで、診察や薬の処方などの医療サービスが利用可能となります。

受給者は医療機関に来院する際、医療券を提示しなければなりません。これによって、医療費全額補助の対象者であることが確認され必要な医療サービスを受けることができるのです。

医療券の管理は非常に重要で、紛失した場合はすぐに生活保護所に連絡して再発行を申請する必要があります。すべての人に安全な医療を保障するためのこの制度を、うまく利用しましょう。

医療券の注意点

医療券は生活保護受給者が医療サービスを受ける際に必要な証明書類です。注意点は以下の通りです。

  • 医療券は医療機関受診時に必ず提示する必要があります。医療券がないと、医療費の全額補助が受けられません。
  • 医療券は個人または家族専用で、他人に譲渡したり、他人の医療券を使用することはできません。
  • 医療券を紛失した場合、即時に最寄の生活保護所に連絡し再発行を申請する必要があります。

以上の点を心掛け、医療券の正しい使用と管理に努めましょう。

まとめ

生活保護受給者の権利は多数存在し、それぞれの特長を理解することが大切です。最大の特長は全額医療費補助で、医療券で医療サービスを受けることが可能です。受給者が死亡した場合でも、適切な手続きを経れば救済権は繋がれます。

権利の享受・保護はその数が年々推移しています。困難を抱える受給者が増えて実感する悩みを解決するための相談体制が整っており、弁護士費用も一部支援されます。どんな悩みも一人で抱え込まず、早めの相談をしましょう。

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