バーセルインデックスってなに?評価基準や特徴を徹底解説

2023.12.18

バーセルインデックスは、私たちの日常の動作がどれだけ自立しているかを数値で表す指標です。バーセルインデックスという言葉は看護分野、介護分野、リハビリ分野でよく聞くと思います。

そのスコアは生活の質や介護ニーズを物語り、人々の機能状態やケアの必要性を表しています。
今回はバーセルインデックスについてわかりやすく解説していきます。

バーセルインデックスとは?

バーセルインデックス(Barthel Index:BI)とは、要介護者や病気を持つ人の日常生活動作(ADL)を簡易的に評価するものです。

身体機能の低下や介護の必要性を判定するのに用いられます。

バーセルインデックスの特徴

Barthel Indexは、日常生活動作の自立度を0から100点で評価します。食事、入浴、歩行など10項目を対象に、要介護者がどれだけ自分で行えるかを評価します。高得点は高い自立度を示し、低得点は介護の必要性を示唆します。

医療・介護のプラン作成や患者の機能状態のモニタリングに利用され、患者の生活の質や介護ニーズを把握するのに役立ちます。

バーセルインデックスの目的

バーセルインデックスの目的は、要介護者の日常生活動作の自立度を定量的に評価し、身体機能の低下や介護の必要性を把握することです。この指標を使用して、患者の生活の質や介護プランを適切に評価し、医療・介護の方針を立てる上での基準とします。

また、患者の機能状態の変化やリハビリテーションの進捗をモニタリングするためにも利用されます。

バーセルインデックスの評価項目

バーセルインデックスでは、次の10項目を評価の対象とします。各項目の介助量により0〜15点の基準が設けられています。

  1. 食事
  2. 移乗
  3. 整容
  4. トイレ動作
  5. 入浴
  6. 移動
  7. 階段昇降
  8. 着替え
  9. 排便コントロール
  10. 排尿コントロール

食事

食べる環境や動作、栄養をとる方法、食事内容などを0〜10点で評価します。

10点 自立
自助具の有無にかかわらず、準備さえ行えば自己にて食事を適切な時間内に摂取することができる。
その他には、自己にて食べ物を食べやすい大きさに切ることやエプロンが必要な場合は装着が自己にてできる。

5点 部分介助
食べ物を切るなど介助が必要である。食事に時間を要す。例外としては、提供する段階で刻み食などの場合は介助に当たらない。

0点 全介助
経管栄養の場合

移乗

車椅子からベッドの乗り移りの状況を0〜15点で評価します。

15点 自立
ベッドから車椅子に移る一連の動作が一人で安全に行える

10点 部分介助〜見守り
車椅子の停車位置の声かけや立ち上がる際に軽くお尻を支えるなどが必要

5点 ほぼ全介助
自分で起き上がり腰掛けることができるが、立ち上がり動作・方向転換にかなりの介助が必要

0点 全介助、不可能
自分で起きることもできず、介護用のリフトなどを利用する場合

整容

洗面動作、歯磨き、整髪、ひげそりを0〜5点で評価します。

5点 自立
手洗い、顔を洗う、歯磨き、整髪、髭剃りのすべての動作が一人でできる。道具の操作や管理も含めて一人でできる。女性の場合で習慣的に化粧もする方は化粧もすることができる。

0点 介助
手洗い、顔を洗う、歯磨き、整髪、髭剃りの1つでも介助が必要

トイレ

便器に腰かける、便器から立ち上がる、衣服の着脱、衣服が汚れないよう整える、トイレットペーパーを使うを0〜10点で評価します。

10点 自立
上記の一連のトイレ動作が一人で安全に行うことができる。リハビリパンツやパッドなどを使用していても、一連のトイレ動作、パッド処理が自己管理できる。

5点 介助
体を支えたり、トイレットペーパーの操作に一部の介助が必要

0点 全介助
全ての動作に介助が必要。尿器やポータブルトイレを使用し、介助が必要となる。ベッド上でオムツ対応。

入浴

体や髪の毛を洗う、シャワーを使う、浴槽に入るを0〜5点で評価します。

5点 自立
一連の入浴動作が一人で安全に行うことができる。

0点 介助
洗体、浴槽の出入り、一連の動作は可能であるが転倒のリスクがあるため、見守りや介助が必要な状態。機械浴などを使用している。

歩行

歩行補助具の使用の有無にかかわらず、どの程度移動することができるかを0〜15点で評価します。

15点 自立
45m以上連続して歩くことができる。装具、杖、車輪付きではない歩行器の使用の有無は問わない。

10点 介助歩行
見守りや介助があれば、45m以上歩くことができる。車輪付き歩行器を使用も可能。

5点 歩行不能
歩くことはできないが車椅子を操作し、45m以上移動することができる。

0点 全介助
歩行か車椅子駆動で45m以上移動することができない。

階段昇降

階段の昇り降りの状態を0〜10点で評価します。

10点 自立
一人で1階分の階段昇降が行える。手すりや杖などの使用の有無を問わない。

5点 部分介助
一人では危ないので見守りが必要。脇を支えるなどの介助があれば階段昇降が行える。

0点 全介助
3〜4段の段差昇降はできるが、1階分は全介助が必要である。

着替え

普段身につけている衣服のボタンを留める、ファスナーの開閉の動作、靴、装具の着脱を0〜10点で評価します。

10点 自立
普段身につけている衣服、靴、装具の着脱を適切な時間内に一人で行うことができる。

5点 部分介助
少なくとも更衣動作の半分以上が行うことができ、適切な時間内に行うことができる。

0点 全介助
少なくとも更衣動作の半分以上の介助が必要である。

排便コントロール

排便するための行動が適切に行えるのかを0〜10点で評価します。

10点 自立
失禁がなく、浣腸や座薬の管理を一人で行うことができる。人工肛門(ストーマ)を使用している場合は、パウチの交換や破棄を一人で行うことができる。

5点 部分介助
時々失禁があり、浣腸や坐薬の取り扱いに介助が必要。

0点 全介助
ほとんど失禁している。

排尿コントロール

排尿するための行動が適切に行えるのかを0〜10点で評価します。

10点 自立
失禁がなく、昼夜ともに排尿のコントロールができている。尿器や留置カテーテルを使用している場合は、一人装着し、破棄や洗浄をおこなうことができる。

5点 部分介助
時々失禁があり、尿器の使用に介助が必要。昼間に失禁はないが、夜間は数日に一度程度失禁している。

0点 全介助
ほとんど失禁をしている。オムツを使用している。

まとめ

この記事では、バーセルインデックスの特徴や目的、評価項目などについて詳しく解説してきました。介護プランを適切に評価し、医療・介護の方針を立てる上での基準としてバーセルインデックスはとても重要な指標であることをお伝えできたかと思います。

この記事を参考に今後の医療や介護にバーセルインデックスを役立てていただけますと幸いです。

お役立ちコラム一覧へ戻る