介護における看取り期間とは?平均やすることを期間別に紹介

2023.12.27

この記事では「看取り」についてわかりやすく説明をします。「看取り」と聞いてなにを想像されるでしょうか?人が亡くなっていくのを、手を握って見送るようなそういう場面が思い浮かばれるのではないかと思います。

実際に、看取りの最期の場面では、誰かがそばについて声をかけるということはよくあります。どのような経緯をたどって最期の看取りになるのか、学んでいきましょう。

介護における看取り期間とは?

通常、看取りにあたる状況は、医師から余命宣告を受けている方などをお世話する場合のことを指します。この場合、余命宣告を本人がご存じかどうかでもお世話の仕方が変わってきます。また、寝たきりの状態にあっても健康であれば看取り介護にはあたらず、病気などで余命を医師から宣告されている場合の介護を指すことが多いようです。

看取り介護では、医師や医療職との連携が重要になります。

看取り期間に平均はある?

看取り介護期間に平均はありません。その方の病気であったり、心身状態、年齢などさまざまな要因があり、数ヶ月から数年という期間にわたります。

医師から余命宣告を受けた場合、都度状態を確認して体がどの程度の状況なのか確認し、どのように対応したらよいのか助言を受けたりといったことができるでしょう。介護をする方も精神的な負担が大きいため、無理をせず助けを受けることも大切です。

看取り期間別にやること

一般に看取り介護と言われるのは、医師から余命宣告を受けた場合が多いと説明しました。年単位であったり、月単位の場合があります。この場合、看取り介護が長期化することがありますので、期間別にどのような介護を行っていくのか説明します。

看取り安定期

看取り安定期にあたるのは、比較的心身の状態も良好で、要介護者の気持ちも落ち着いている状況と言えるでしょう。要介護者、介護者ともに残された余命について落ち着いて考えることのできる期間です。

自己判断の可能な要介護者であれば、余命宣告を医師から受けている場合もあるかもしれません。この場合、落ち着いてみえるかもしれませんが、要介護者の心の中では死を受け入れることに対する葛藤があるものです。

介護者も基本的には見守りながら、穏やかに過ごすことができるような配慮が必要になります。

看取り不安定期

看取りの不安定期とは、少しずつ体の不調が出てきて、要介護者も思うように生活を送ることができない時期です。病気によっては強い痛みを伴う場合もあり、薬を使用することで緩和ケアを行いながら、できるだけ穏やかな生活が送れるように配慮したり、必要な介護を行ったりする必要があります。

要介護者も、体の不調から精神的に不安定になったりする場合もありますので、介護する側も気を使う場面が多くなる期間です。

看取り介護期

看取り介護期とは、病状の進行に伴って要介護者がベッドに寝たきりになるなどして、介護が必要になった状態の期間になります。今まで自分でできていたことができなくなり、場合によっては、トイレなども自力では行うことができず、ポータブルトイレを使用したり、おむつで対応することもあります。

夜間も介護が必要になることもありますので、介護をする人がいつもそばにいないと生活がなりたたない状況となります。

看取り期間はどこで過ごすのか

ここでは、実際に看取りが行われている場所について、それぞれどのように看取りが行われているのか説明します。看取りの場所としては、病院、自宅、施設の3つがあります。時代のうつりかわりにより、少しずつ看取りの場所も変わってきています。

病院

看取りの場所は、病院や診療所で行われることが多く、割合としては7割程度です。これは、自宅では対応できないような医療が必要であり、入院されている方が多いことがあげられます。

長期に入院されている方もいらっしゃいますし、状態が悪くなってから入院される場合もあります。医師や看護師、介護士も常駐していますので、家族としては安心です。

介護施設

介護施設での看取りは1割程度となります。介護保険制度の開始とともに、入所できる介護施設も増えました。介護施設によっては、状態が良くない場合は病院に入院する事もあります。施設によっては、高度な医療対応が必要でなければ、医療機関と連携してそのまま施設で看取りまで行うようになってきました。

特に、看取りの状況であることがはっきりしている場合は、施設の責任者とご家族、本人様でどのような看取りを行うか話し合いを行う場合もあります。

自宅

自宅での看取りが2割弱くらいです。自宅では比較的安定して過ごすことができる方であれば、本人様もご家族もできるだけ住み慣れた自宅で過ごしたいという気持ちが強いのです。この場合も、医療職や介護職との連携が必要となります。

看取り期間であることがはっきりしている場合、どのように対応するか必要な機関と事前に十分に話し合いを行うことが考えられます。

看取り期間中は家族のケアも大事

医療職、看護職の場合は、看取りの必要な要介護者のケアにあたられている場合、ご家族に対しても心情的にケアをしていく場面も多くあります。

看取りの場所が自宅である場合は、普段の介護はご家族が行われており、その際の心中も要介護者の状況次第では荷重に感じている場合もあるでしょう。その際、ご家族の様子などもさりげなくうかがって、配慮する必要があります。

要介護者とご家族がどのような看取りを望まれているのか、皆で共有しながらケアを行うことが大切です。

まとめ

この記事では「看取り」について、要介護者やご家族、施設、医療職の方などがどのように関わってくるのかを、説明しました。近年は、自宅で介護職や医療職と連携して看取りを行うことも多くなってきています。普段から講演会なども行われていますので、機会があればどのような様子なのか話を聞くとより理解が進むでしょう。

看取られる方の気持ちを尊重しながら、周りの方々と相談して一歩ずつ進んで行くことで、納得のいく看取りが行われますことをお祈り申し上げます。

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