現代の高齢化社会において、介護サービスの需要が増え、さまざまな種類のサービスが提供されています。
本記事では、介護サービスの種類やそれぞれの特徴、提供される支援内容について詳しく解説します。
また、介護サービスを受けるための手続きについても具体的に紹介します。ぜひ、介護サービスの利用を検討する際に参考にしてください。
介護サービスとは、高齢者や障害を持った人々に対して、日常生活のサポートや生活援助などを提供するサービスのことです。
このサービスは、介護の必要度合いに応じて認定者が受けられる介護サービスの種類が異なります。
要介護1〜5の認定者が受けられるの「介護給付」サービスと、要支援1~2の認定者が受けられる「予防給付」サービスの2つの種類に分かれます。
介護サービスの利用者によって必要な介護サービスは、ケアマネジャーが作成したケアプランに沿って、提供されます。
また、介護サービスは、介護保険が適用されるサービスの総称で、さまざまな種類があります。
公表されているサービスは20種類以上の介護サービスがあります。
内容もさまざまですが、以下の介護サービスを受けることができます。
・介護サービス利用の相談やケアプランの作成
・自宅で受けられる家事援助等のサービス
・施設に出かけて日帰りで行うサービス
・施設で宿泊しながら受けられるサービス
・訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス
・福祉用具の利用にかかるサービ
受けられるサービスの費用は、介護保険が適用され、費用の1割(所得に応じて2〜3割)を自己負担することで、サービスを利用できます。
居宅サービスは、自宅で生活する人を対象とした介護保険の介護サービス全般のことを言います。
このサービスは、介護を必要としている人が住むところを変えずに利用できるサービスで、自宅で生活を続けるために、必要な介護や支援を提供しています。
主なサービスは以下の3つがあります。
1.訪問サービス
2.通所サービス
3.短期入所サービス
その他に、杖や車イスなどの福祉用具のレンタルや購入も、居宅サービスに含まれます。
訪問介護は、介護福祉士や訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪れ、身体介護や生活援助を行うサービスです。
訪問介護には、「身体介護」と「生活援助」の2種類があり、それぞれ介護方法も異なります。
身体介護には主に、食事、排泄、衣類の着脱、入浴などのサービスがあります。
一方、生活援助には主に、掃除、洗濯、買い物などがあります。
訪問介護は、要介護者ができるだけ自立した生活を送れるようサポートすることを目的としています。
通所サービスは、自宅で暮らしながら、介護や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを利用できるサービスです。
通所サービスには、「通所介護(デイサービス)」と「通所リハビリテーション(デイケア)」の2種類があります。
通所介護(デイサービス)は、食事、入浴、排泄、機能訓練、レクリエーションなどのサービスを利用できます。
通所リハビリテーション(デイケア)は、通所介護と同じサービスのほかに、医療的なリハビリテーションも利用できます。
通所サービスは、要介護者・要支援者が自宅で暮らしながら、できるだけ長く自立した生活を送れるようにするためのサービスです。
短期入所サービスとは、短期間、介護施設に入所して、食事、入浴、排泄、機能訓練などのサービスを利用できるサービスです。
短期入所サービスには、短期入所生活介護(ショートステイ)と短期入所療養介護の2種類があります。
短期入所生活介護は、ある程度自立できている利用者に適したサービスで、入浴や食事、排泄などの日常生活の介護を基本としています。
また、施設によっては、機能訓練やレクリエーションといったサービスも受けられます。
短期入所療養介護は、日常生活の介護以外にも、看護やリハビリテーションなどの医療的ケアを受けることができます。
看護師が常駐している施設で短期間生活を送るため、持病がある人や医療ケアを必要としている人に適しているサービスです。
施設サービスは、要介護者が24時間体制で身体介護や生活援助を受けることができるサービスです。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3種類があります。
介護老人福祉施設は、寝たきり状態で自立的な生活が困難な場合など、要介護度3以上の利用者が長期間入所できる施設です。
入浴・排泄・食事といった生活援助やリハビリテーション、健康管理などを受けられます。
介護老人保健施設は、現在の病状が安定していて感染症がなく、介護やリハビリテーション、医療ケアを必要としている人が入所できる施設です。
在宅復帰を前提としているため、長期的な入所は難しいですが、入浴、排泄、食事などの生活援助や、機能訓練などを利用できます。
介護療養型医療施設は、要介護者のために、医療中心のサービスを提供する施設です。
医学的な管理のもとリハビリテーションなどの機能訓練をはじめ、入浴や食事、排泄などの介護が受けられます。
地域密着型サービスとは、利用者やその家族が出来る限り住み慣れた地域で、自立した生活を継続できるように支援することを目的としています。
施設の規模が小さく、その地域の利用者に合わせ居宅・通所・入所のサービスを兼ね備えたサービスが特徴です。
地域密着型サービスには、次のようなものがあります。
・小規模多機能型居宅介護
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・認知症対応型サービス
・認知症対応型通所介護
・グループホーム
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
介護サービスを受けるには、介護施設に申し込めば利用できるというものではありません。
実際にサービスを受けるまでには、お住まいの市区町村での要介護判定や、ケアプランの作成などが必要になります。
その流れとポイントをご紹介します。
1.要介護認定の申請:まずは、お住まいの市区町村の窓口で要介護認定(要支援認定を含む。以下同じ。)の申請をしましょう。
2.認定調査・主治医意見書:市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行います。
3.審査判定:要介護度の判定が行なわれます。
4.認 定:市区町村が、審査判定結果に基づき要介護認定を行います。
5.介護サービス計画書の作成:居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)へ依頼し、介護サービス計画書を作成します。
6.介護サービス利用の開始
医療費控除とは、1年間に支払った医療費に基づき算出した額の一部を、その年の所得額から差し引くことができる制度です。
医療費控除は、医療費のうち、自己負担金を除いた額が対象となります。
介護サービスは医療費控除の対象になります。ただし、すべての介護サービスが対象になるわけではなく、介護サービスの種類によって異なります。
対象となる介護サービスは、療養上の世話等に相当する居宅サービス・施設サービスや、通院のための電車やバス等の交通費、おむつ代などが該当します。
また、デイサービスや短期入所生活介護は福祉サービスであるため、医療費控除の対象となる居宅サービスと併用して利用した場合に限って医療費控除の対象となります。
介護サービスは、介護を必要とする人の日常生活をサポートするための重要なサービスです。
本記事では、様々な介護サービスの種類とその特徴について解説しました。
介護サービスを受けるためには、まず地域の介護支援センターや福祉事務所に相談し、必要な手続きや条件を確認することが重要です。
また、介護サービスの利用には費用がかかる場合がありますが、公的な支援制度や医療費控除の対象となる場合もあります。
介護サービスを利用する際は、自身の環境に合ったサービスを選び、専門家や地域のサポートを活用することが大切です。