要介護5とはどういう状態?受けられる介護サービスや介護費用などを解説

2024.01.31

本記事では、要介護5がどんな状態なのか、どのようなサービスを受けられるのかなどについて解説します。
一昔前から少子高齢化が叫ばれており、高齢になった時の介護サービスをどう受けるか、どれだけ受けられるかが大切になってきました。
要介護5の状態を取り巻く環境についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

要介護5とは?

「要介護」とは、高齢者や障がいを持つ人が日常生活において、身体的なケアや生活支援などの援助を必要とする状態を指します。

要介護の程度は、認定された介護保険制度において、介護が必要な度合いによって
「要介護1から要介護5」までに分類されます。

 要介護度の認定基準

要介護5は、日常生活のほぼすべてに支援が必要な状態を指します。
食事、入浴、排せつを基本とする日常生活の大半にサポートが必要なため「全介助の状態」とも呼ばれます。
要介護認定は、「介護の手間」に係る一次判定と二次判定により行われ、一次判定は、認定のうち最長の「110分以上またはこれに相当する状態」が基準です。

そして二次判定では、保健・医療・福祉などの学識経験者による「介護認定審査会」が一次判定結果を審査し、必要に応じ区分を変更します。

 要介護4との違い

要介護4も要介護5も、いずれも重度の介護を必要とする状態です。どちらも、身体機能の低下だけでなく、理解力も著しく低下していることが多くなっています。
要介護4では理解力の低下が日常生活で全般的に認められますが、意思の疎通がまったくできないわけではありません。

しかし、要介護5では意思の疎通がほぼ不可能なことも多いです。しかも、要介護5では基本的に寝たきりの状態で、あらゆる動作・行動に介護が必須なことが多いです。
ほとんどに介助が必要なのか、それともすべてに介助が必要なのかによって分かれているといってもいいかもしれません。

要介護5で受けられる介護サービス

この様に、要介護も段階は色々とありますが、5になると最も重篤な状態で介護に関しても手厚く行わなければならない事が分かります。
ここからは、要介護5に認定されたときに受けられる介護サービスの内容をご紹介します。

 自宅での介護サービス

まずは、自宅での介護サービスについてです。
例えば、介護職が利用者の自宅を訪れ、身体介助や生活支援を行う訪問介護サービス、理学療法士や作業療法士が訪れ、リハビリテーションを行う訪問リハビリテーションなどが挙げられます。
通所介護系では、日中の一定時間を施設で過ごし、様々な活動やサポートを受けることのできるデイサービスも利用可能です。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護なども入っています。

 施設に通って受けられるサービス

続いては、施設に通って受けられるサービスについてです。
まずは、通所介護のデイサービスです。要介護の高齢者や障害を持つ方が、施設などに通って日中の一定の時間を過ごすサービスのことです。
デイサービスでは、理学療法士や作業療法士などが関与し、利用者の身体機能の維持や向上をサポートします。
通所リハビリなどもここに入っており、個別に合わせたリハビリテーションプログラムが提供されます。
療養通所介護・認知症対応型通所介護・地域密着型通所介護なども通所して受けられるサービスです。

 組み合わせて受けられるサービス

複合的な組み合わせでのサービスとしては、小規模多機能型居宅介護があります。
多機能型という言葉からもわかるように、様々な介護サービスや機能が統合されています。例えば、身体介護、生活援助、看護ケア、リハビリテーションなど、利用者が必要とする多岐にわたるサービスを提供します。
他にも看護小規模多機能型居宅介護などもあります。
高齢者や要介護者が自宅で生活するためのサポートを提供するサービスの一つです。
介護サービスが看護のみならず、様々な機能を組み合わせて提供されます。具体的なサービスには、日常生活の支援、レクリエーション、栄養サポートなどが含まれます。

 短期間の宿泊で受けられるサービス

施設への短期宿泊ができるサービスには、短期入所生活介護があります。
高齢者や障がいを持つ人が一時的に施設に入所し、必要な支援や介護を受けるサービスの一つです。
通常、日常生活の一部または全部において自立が難しい人々が、一時的な期間だけ施設に滞在し、
日常生活の様々な活動において支援を受けられます。
名前は似ていますが、短期入所療養介護もあります。
急な病気やケアの必要性が生じた際に、自宅での介護やリハビリテーションが難しい場合に利用されます。

 施設に入居して受けられるサービス

入居して受けられるサービスの代表としては、やはり特別養護老人ホームがあります。
入居者が安心して過ごせるように、福祉施設としての機能を備えています。
個室や共有のリビングスペース、食堂、入浴施設、庭園などが含まれます。
介護老人保健施設などもあります。

高齢者が日常生活において必要な介護サービスを提供するための施設で、高齢者が安心して生活し、
必要なサポートを得ることができるように設計されています。

 福祉用具の使用

福祉用具貸与による用具使用も認められます。日常生活をより快適に過ごすために必要な福祉用具を、一定期間限定で貸し出す制度やサービスのことを指します。
例えば車いす、歩行補助具、手すり、入浴用具、補聴器、視覚補助具などが含まれます。
特定福祉用具販売もあり、福祉用具の中でも特に高齢者や障がい者など、特定のニーズに合わせた製品を販売するものです。
歩行補助具、トイレ用具、入浴用具、食事補助具などがその一例です。

要介護5でもらえる給付金

要介護認定を受けた方は、介護度に応じて決められた介護保険サービスを受けることができます。
ただし、受けることができる介護保険の1か月あたりの上限金額が決まっています。この上限額が「区分支給限度額」で、要介護5だとおよそ36万2千円と定められています。
この限度額のうち、利用者が自己負担する額は原則1割までです。

要介護5の上限額まで介護保険を利用したとすれば、1割負担の場合の自己負担額は約3万6千円です。

要介護5の介護費用

実際にかかってくる介護費用に関しては、ケースによって異なってきます。
特に、施設に住んでいるのか、それとも一人暮らし又は家族と一緒に住んでいるのかによっても金額が変わりますので、ケースごとに見ていきましょう。

 一人暮らしの場合

要介護者が一人暮らしの場合は、通所介護や訪問入浴、訪問介護などの訪問系のサービスまたは通所サービスを利用するのが一般的です。
要介護5になると、自分自身で身体を動かして何かをすることがほとんど難しくなってしまいます。ですから、生活のすべてに介護が必要な状況です。
このため、一人暮らしの場合は、1日2回以上の介護が必要になり3万円以上はかかるとされています。
日常生活そのもが厳しい状況ですので、費用面においても後述する宿泊施設を利用する場合以上にかかってきます。

 家族で暮らしている場合

続いては、家族で暮らしているケースです。
この場合も通所介護、ショートステイ、訪問介護をはじめとしたように一人暮らしのケースと同じような内容になっています。
要介護5で家族と一緒に暮らす場合、家族の負担はかなり大きなものがあります。
通所介護の回数も多くなり、時間も費用もかかります。
また、訪問介護の回数も相当増え、1日に2回以上の介護が必要になることも珍しくありません。
よって、費用面に関しても一人暮らしと同等かそれ以上になる可能性があります。

 施設に入居している場合

最後に、要介護5で施設入居の場合です。
要介護者が住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの住居系の施設に入居しているのを想定した場合だと、3万円前後となります。

要介護5の場合は症状も重度ですので、施設への入居を考える方も多くなります。
施設内で受けることとなる介護サービスの種類も増え、回数も多くなります。
家族暮らしや一人暮らしよりは多少安い程度で、要介護4と比べると同じ同じ施設利用にしてもかかる費用が異なっているのが現状です。

まとめ

本記事では、要介護5の状態や認定基準、利用できる介護保険サービスの種類・内容、介護費用例などを解説しました。
要介護5になると、日常生活のほぼ全ての動作においてほぼ全く自立できない状態を示し、高度な支援や介護が必要とされます。
是非とも本記事を参考にして、利用者本人と家族の希望に合う介護サービスや施設を選ぶようにしましょう。

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