障害高齢者の日常生活自立度とは?詳しい判定基準や注意点を解説!

2024.02.05

利用者によって生活の中で出来ること・できないことは様々です。
また、似たような言葉でADLというワードもあります。
この記事では、日常生活自立度についての評価基準や注意点について解説します。

日常生活自立度とは?

要介護を決める時の一つとして「日常生活自立度」があります。
寝たきり度とも呼ばれて、主に移動をするときの状態について4段階で評価をするための指数です。

同じような言葉で「認知症自立度」という言葉があります。
認知症自立度は,認知症のかたに対して、意思疎通が可能か?主事ている症状や行動に基づき評価をするための指数です。

判定方法は、「認知症高齢者」と「障害高齢者」の2種類があり、4つのランクに区分されます。

 日常生活自立度とADLの違い

ADLは、食事・排泄入浴など日常の基本動作に対して行う評価基準です。
一つ一つの生活動作について詳しく記載されているものなので、介護サービスの提供時やリハビリをするときに現場のスタッフが使用することが多く、ケアプランの見直しや改善計画を行うときに使用されるデータです。

日常生活自立度は、障害高齢者・認知症高齢者がどれだけ自立した生活を送れるかを判定します。
この判定は、主に認定調査や介護サービスを受けるために必要な書類を作成するのに使用されます。

障害高齢者の日常生活自立度の評価基準

日常生活自立度は、厚生労働省が定めた基準により判断されて、寝たきり度と認知症の症状と行動で区分を分けて自立した生活を送れているのかを判断します。

障害高齢者は4段階、認知症高齢者は9段階に分かれています。
この章では、ランクごとの状態について解説します。

 ランクJ

交通機関を利用して外出することができます。
また、利用者の状態に合わせてj1・j2の2つのランクに分かれます。

j1…電車などの交通機関を利用して遠くに外出することができる
電車やバスの乗り換えが一人でできる・道を自分で調べて旅行に行くことができるなどを
することができる方です。

j2…近所への買い物や訪問など自宅周辺であれば外出することができる
近所であれば家までの道が分かり徒歩で外出することができる方です。

 ランクA

自宅での生活がどれくらいできるのかを判断する項目です。

A1…介護者が付き添えば外出することができる方です。
日中は基本起きていて食事や排泄などの日常動作が可能です。

A2…病院受診など必要なとき以外介護者がいても外出の頻度が少ない方です。
日中は起きて寝てを繰り返していますが起きている頻度が高いです。
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしでは外出しないといった部類になり、
介護者がいれば比較的多く外出できるレベルです。

A2は、寝たり起きたりしているものの、日中の離床時間が長く、
介護者がいても外出頻度が少ない方が該当します。

 ランクB

昼夜問わずベット上で過ごすので、自立度では「寝たきり」に分類されます。
食事・排泄・更衣・入浴には一部介助を必要としてベットで過ごす時間が長い方です。

B1 介助なしでベットから車いすに移乗ができるので食事と排泄はベットから離れて行うことができる方です。
日中ベッド上で過ごしますが立位を保持することが可能で介助がなくても車いすからベッドまで移ることができる方です。

B2 車いすの移乗に介助が必要で、食事・排泄も一部介助が必要な方です。

 ランクC

昼夜問わずベッド上で過ごして、食事・排泄・更衣・入浴など全介助が必要な方です。
ランクBよりも介護度が重く1日通してベットの上で過ごしている方が該当します。

C1 日中寝て過ごすが、寝返りをする・オムツ交換時に腰を上げるなどの動作をすることができる方

Ⅽ2 自力で寝返りを打つことができない方です。
排せつや食事・着替えなど、全面的に介助が必要となるため、ランクBより障がいの程度が重くなります。自力で寝返りがうてるかどうかで判断されるところがあります。

C1は、常時ベッド上で過ごすものの、自力で寝返りがうてる場合、
C2は、寝返りをうつことなく常時臥床している方が該当します。

日常生活自立度の評価における障害の例

日常生活自立度の評価において、障害はさまざまな側面で影響を与えることとなります。
例えば運動面に関しては、足腰の問題や四肢の損傷により、歩行や移動に支障が生じることがあります。

認知機能においても認知症は非常に大きな障害で、記憶力の低下や認知機能の障害がある場合日常生活の中での計画や組織立てが難しくなることがあります。
他にも自閉症スペクトラム、社交的な相互作用やコミュニケーションに課題があり、日常生活での適応が難しいことがあったりすると、生活自立度に影響します。

日常生活自立度評価時の注意点

この様に、実際の障害などを含めた様々な観点から日常生活自立度は評価されることとなります。
日常生活自立度の評価において考慮される障害の例を見ても心身両方の影響があることが
分かるでしょう。

最後に、実施に自立度評価をする際の注意点についていくつか解説していきましょう。

 健常高齢者は対象外

一般的に、日常生活自立度の評価は主に高齢者や障害を持つ人々の生活支援や介護の必要性を評価するために行われます。
健常な高齢者は、通常、基本的な日常生活活動やIADLなどで大きな支援を必要としないため、日常生活自立度の評価の主要な対象外となっています。 

ただし、個別の評価や状況によっては、特定の健康上の課題や要支援状態がある場合、健常な高齢者に対しても評価が行われることがあります。 

例えば、特定の疾患や急性の健康問題がある場合、それが日常生活に影響を与えている可能性があるのです。

 一定期間の状況を見てから判断

日常生活自立度の評価は、通常、一定期間の状況を見てから判断されることが一般的です。
この期間は、評価対象者が日常生活の様々な活動にどれだけ適応し、自立しているかを正確に評価するために設けられています。  

一定期間を見てから評価することで、被評価者の状態が一時的なものではなく、安定しているかどうかを確認することができます。
一時的な状態や特定の事象が評価に影響を与える可能性がありますが、時間をかけて観察することで、機能の継続性を正確に評価することができるのです。

まとめ

日常生活自立度は様々な側面から総合的に評価されるため、一定期間をかけて異なる状況や活動が見られることとなります。
また、要介護認定の認定調査やケアプランの作成にも活用されていますので、サービスを受けたりするためにも評価は受けることとなるでしょう。 

障害高齢者、認知症高齢者で使用する評価スケールも違っていますので、本記事をぜひ参考にしてみてください。

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