「介護うつ」にならないために|疲れた時の症状や特徴を知って予防しよう

2024.02.05

この記事では、介護うつにならないために、いくつかの介護うつと言われている症状について学びます。

それから、介護うつになりそうな方の特徴や、介護うつになったかもしれない場合にどのように
対応したらよいかについて記します。

介護に一生懸命になっていると、知らず知らずのうちに疲れた状態になってしまうことがあります。
典型的な例を覚えておくことで、前向きに対応できるようにしましょう。

介護疲れに注意!症状は?

ここでは、介護疲れが起こったときに現れる典型的な症状について学びます。

自分では、介護疲れは起こさないと思っていても次のような症状に少しでも思い当たるようであれば、介護疲れの兆候があるかもしれないという「気づき」になるかもしれません。

 食欲不振

 まず、介護疲れの典型的な症状として、食欲不振が挙げられます。
食欲不振も様々あり、まったく食欲がなく、食事を摂取する気持ちにならない。
あるいは、食事がなかなか喉を通らないなどの状況があるようです。

普段の食事を忙しいからと言ってお茶漬けや、インスタントラーメンなどでその場しのぎに
すませると、栄養の偏りから体調の変化にもつながりかねません。

食事の時間は、自分のためのゆとりの時間と考えて、ゆっくりと時間をかけて栄養バランスの良い食事をするように心がけるとよいでしょう。
食事は、要介護者に作った食事と同じもので良いのです。

 睡眠障害

次に、重要なポイントとして、十分な睡眠が取れないということがあります。
これは、夜間に介護をする場合、特に困るケースではないでしょうか?
あるいは、夜間の介護は苦にならないのだけれど、だんだん寝付きが良くない状態になってしまった、ということもあるかもしれません。

眠れないのは、基本的には、気持ちが張ってしまって交感神経優位になり、軽い興奮状態になっていることも考えられます。

この場合昼間に暇を見て、散歩をするなど軽い運動を行ったり、ゆっくりと入浴を行うことで、
睡眠をとりやすくなるということもあります。

 疲労感・倦怠感

慢性的に、精神的や身体的に疲労感や倦怠感を感じることがあるでしょうか?
単に、睡眠不足で倦怠感がある、ということであれば時間をつくって昼間に軽い睡眠をとる
という方法もあります。

しかし、常に疲労感、倦怠感を感じるということであれば、まずはかかりつけのお医者様に
相談することが考えられます。

介護ストレスによって、どこか体に不調をきたしている可能性がありますので、まずは身体的に問題がないか、確認しましょう。

 不安感・焦燥感

 また、介護をしていることで、例えようのない不安感や、焦燥感にさいなまれることがあります。
この場合、なんらかの精神的ストレスから生じている可能性があります。

好きな音楽を聞いたり、甘いものを食べたりして、五感を刺激することでストレス解消を
はかりましょう。

あるいは、身近に相談できる人がいれば、話しているうちに落ち着くということもあります。
ひとりで、抱え込まないようにすることが大切です。

 憂うつ感

 憂うつな気持ちがなかなか晴れない方は、少し介護に一生懸命になりすぎているのかもしれません。
介護もなにもかも完璧にしなくてもよい、あるいは、ちょっと仕事しすぎてしまったかな?
誰かに相談してみようか?という感じに切り替えて行くのもよいかもしれません。

憂うつになるほど、疲れが溜まってストレスになっているのでしょうから、そういう場合は、
自分を甘やかして楽にすごしてみてもよいのではないでしょうか?

介護に疲れやすい人の特徴

ここで、介護に疲れやすい人の特徴について考えてみましょう。
疲れやすい人の特徴について知ることで、客観的に自分の行動や性格を振り返ることができます。
いくつかのポイントで自分自身に、思い当たることがあるかもしれません。

 真面目で責任感が強い

 ご家庭で一人で介護をまかされていたり、あるいは介護施設などで仕事として介護を提供されている方もいらっしゃると思います。
高齢の方の介護をまかされるということは、責任を伴います。
なにかあったら、介護されている方の責任になるかもしれません。

ここで、責任感が強い方の場合、過剰に重荷に感じていらっしゃるということもあります。
また、性格が真面目なためいい加減なことができないという方も、やはり過重に介護によって受けるストレスが大きくなりがちです。

 完璧主義

完璧主義の方は、与えられた仕事をきちんとこなさないと気がすまないという方ではないでしょうか?
もちろん、きちんと要介護者に対して対応をしないといけないポイントというのはあります。

しかし、逆にあんまり手を出しすぎても要介護者にとってはよくないという事もあります。
基本的には「自立支援」という考え方ですので、できないところだけ手を出すと言うのが基本です。

家事なども、できなかったところは明日に回すなどして、気長に手を抜くことを覚えることで、
精神的な負担を軽くしていきましょう。

 頼れる人がいない

要介護者のお世話を刷る場合、どうしても自分一人では判断ができないという場面が多くあります。
この場合、近くに相談をできる方がいれば、話をしながら対応することで解決するということが
あります。

もし、身内に相談するような人がいなかったとしたら、プロに尋ねるのが一番早い解決方法です。
まだ、介護サービスを受けていないということであれば、市の相談窓口や、包括支援センターなどに電話するのも良い方法です。

 経済的に不安

 経済的な不安についても、市の相談窓口や諸機関を紹介してもらって相談することで、
解決することがあります。

福祉の制度に関しては、「社会福祉士」がさまざまな社会資源を紹介することで、
解決するための方法を提案します。

社会福祉士は、病院や包括支援センターなどに配置され、退院時や福祉サービスの利用がない方
の相談に乗っています。

すでに、介護サービスの利用があるようであれば、介護支援専門員も、対応するはずです。
まずは、気楽に相談してみましょう。

介護に疲れてしまった!介護うつだと思ったらすぐに行動!

 自分は、もう介護に疲れてしまった。今の状態で介護を続けるのは難しい。
自分は、介護うつなのではないだろうか?と不安に思われた方に、どのような解決策が
あるでしょうか?

ここでは、もう限界を超えたかもしれないという介護者の方への対処法を説明いたします。

 家族に助けを求める

近くにご家族がいらっしゃるのであれば、御自身の状態と、介護を続けていくのは無理だということを伝え、助けを求めることが第一にすべきことでしょう。

理由があって、ご家族に助けを求めることがむずかしいという方であれば、例えば介護サービスを利用されているのであれば、職員さんに相談するということでも良いです。

とにかく一人で抱え込まず、誰でもいいので問題を共有して、皆で解決する方法を探ることが
大切です。

 精神科・心療内科を受診する

介護に無理がある場合、なんらかの不調を感じていらっしゃることでしょう。
心療内科などの、心のケアを頼んだほうが良いと考えていらっしゃるかもしれません。

まずはかかりつけのお医者様に相談しましょう。しかるべき病院を紹介していただけるはずです。
これは、お薬の飲み合わせの問題などもあるため、主治医に紹介してもらうことが基本になります。

 主治医に相談して、処方してもらうだけで問題のないケースもあるでしょう。もし、どうしても専門の病院にかかりたいということであれば、その旨を伝えましょう。

 介護休業を取得する

仕事との両立が難しい場合は、介護休業を取得することもできます。
厚生労働省で介護休業について詳しい記載があります。

労働条件などで、介護休業が認められていない場合もありますので、会社と相談の上で取得されたほうが良いでしょう。

介護休業を取得することができれば、最大で3回通算93日まで休業することが可能です。
雇用保険の被保険者で、一定の要件を満たす方は、介護休業期間中でも、一定額の給付金を受け取ることができます。

まとめ

 ここまで、介護うつにならないようにするには、どうすればよいのかという主旨で説明を
行いました。

「介護うつ」になる大きな要因は、精神的、肉体的に苦痛を伴いながら介護をしているから
起こると言っても過言ではないでしょう。

苦しみから逃れることは、恥ずかしいことではありません。
どうか一人で苦しみを抱え込まないように誰か気楽に相談できる方を探しましょう。

行政、介護保険、福祉の諸機関などいつでも相談に乗ってくれるところがあります。
まずは、相談することで気持ちを楽にすることを考えましょう。

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