介護療養型医療施設とは?費用やサービス、他の施設との違いも解説!

2024.02.07

みなさん、こんにちは!
この記事では、介護療養型医療施設について、わかりやすく説明します。
あまり聞き慣れない名称の施設かもしれませんが、介護保険で入所することのできる施設です。
ショートステイを併設している場合もあります。

それでは、どういう施設なのか詳しく説明をしてきます。
(2024年3月経過措置期間の期限となっています)

介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設は、病院に入院していた方が、もう病院での治療は必要ないけれど、
継続的に医療的な対応の必要がある場合、在宅復帰を目指して、リハビリテーションを行いながら、
身体能力の回復をはかる施設になります。

多くが病院に併設されているため、医療処置やリハビリテーションも手厚く対応してくれるのが
特徴です。

 医療処置やリハビリに手厚い施設

介護療養型医療施設は、医師の診察を受けることができます。
看護師、理学療法士、介護士がそれぞれ専門的なケアを行います。必要に応じて、投薬や注射、
点滴、検査などの医療サービスを受けることが可能です。

リハビリテーションについては、在宅復帰を想定して集中的なリハビリテーションを実施されます。
リハビリテーションには、どのように、何を目的として実施するのか、
リハビリテーション実施計画がたてられます。

また、ケアマネージャーが入院時にどのようなサービスを受けられるのか、総合的な計画をたて
同意の上、サービスが実施されます。

 介護療養型医療施設の設備

介護療養型医療施設においては、設置する設備の基準の一覧があります。

入院する部屋は、多床室と個室があります。食事は、基本的に食堂に集まって、皆で食事をします。
リハビリテーションをする部屋があり、平行棒などの必要な器具が設置されていることとあります。

入浴するための浴室、トイレ、洗濯を行うための設備、給食室があります。
テレビやラジオ、本だななどもあり、自由時間に使用できるようになっています。

 老健との違い

老人保健施設と、介護療養型医療施設の違いは、どこになるのでしょうか?

制度的には、介護療養型医療施設が介護保険法に基づく「指定」であるのに対して、
介護老人保健施設は「許可制」となります。

在宅復帰を目指すという点では、介護用療養型医療施設と同じです。
しかし、老健は、よりリハビリをして自宅に帰ることに重点がおかれています。

医療が限定的になるため、医療的対応が必要な方は施設と相談の上で入所することになります。

 介護医療院との違い

介護医療院とは、新しく創設された施設形態です。介護療養型医療施設が、
2024年3月末をもって廃止されることが決定しています。

廃止に伴い、介護医療院として移行されるのか、老人保健施設として移行される
といったことが考えられます。

介護医療院は、厚生労働省により「要介護高齢者の長期療養・生活のための施設です」と
定義されています。
つまり、要介護者であり、長期療養が必要な者に対し、計画に基づいてサービスを提供する
となっており、基本的に介護療養型医療施設とよく似ています。

介護療養型医療施設の費用

介護療養型医療施設の費用は、介護保険での利用料と、事業所によって設定された
居住費(水道、光熱費含む)、食費の自己負担となります。
介護保険の利用料は、地域や、事業所、利用者さまの要介護度、個室、多床室に
よって変わってきます。
入居一時金は発生しません。

また、施設の職員配置が手厚い場合などに、加算が発生するケースなどもあります。
詳しくは、ご利用予定の介護療養型医療施設の事業所でご確認ください。

介護療養型医療施設の入所条件

介護療養型医療施設の入所条件として、介護保険の要介護認定で介護度1〜5の方になります。
要支援1、2の方は対象にはなりません。

また、特別に医療による管理が必要であり、長期にわたる療養や介護を受ける見込みの
あることが条件となります。

特に、病気の治療がほぼ終了し、急性期のリハビリテーションを行うことで、
日常生活自立度の改善の見込みが高い方も条件に合います。

介護療養型医療施設を利用するメリット・デメリット

ここでは、介護療養型医療施設を利用することの、メリット、デメリットについて記します。

介護療養型医療施設は、ベッド数が少ないため、緊急性の高い方が優先的に利用することになります。基本的に、入院加療後に、必要性があり入所することが多いです。

 介護療養型医療施設を利用するメリット

介護療養型医療施設を利用するメリットとは、医療的対応が行き届いていることです。
例えば、自宅では医師、看護師の訪問がなければ対応できないような医療的な対応も介護療養型医療施設であれば可能です。

次に、リハビリテーションの充実があげられます。
専属の理学療法士により、専門的なリハビリテーションを受けることで、病気やけがをしたあと、
自宅へ戻るために必要な訓練を受けることで、自立度の向上を見込めます。
単なる入所施設ではなく、病院を退院したあとの中間施設になります。

 介護療養型医療施設を利用するデメリット

介護療養型医療施設を利用するデメリットは、基本的に長期入所するための施設ではないため、
ある程度回復したあとは、別の施設に入所になる可能性があるということです。

理想的には、必要な治療とリハビリテーションプログラムが終了して、専門職がこれ以上の
回復は望めないと判断した場合、退所することとなります。

社会的入院と呼ばれる、医療的対応が必要であるが、これ以上回復することもないという
長期入所の方もいらっしゃるようですが、施設本来の目的にはそぐわないということになります。

まとめ

これまで、介護療養型医療施設について、老人保健施設や、新設の介護医療院と比較しながら
その違いについて学びました。

介護療養型医療施設は、新設を認められないまま廃止が決定し、延長措置を受けるという形で
存続していましたが、いずれは介護医療院や老人保健施設へ転換することとされています。

その形態から、ニーズはありながら、資源として少ないため貴重な入所施設といえるでしょう。

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