ここでは、介護施設・病院など、看護師と介護職が連携して仕事をする場合、仕事の内容や待遇の
違いなどわかりやすく説明いたします。
看護師と、介護職がそれぞれの役割を分担して協働することで、要介護者に対するケアが
円滑に行われるようにお互いが配慮して行うことができるようになります。
目次
看護の介護の違いは、どこにあるのでしょうか?ある程度イメージされていることだと思います。
実際に働く場合は、ある程度臨機応変に対応していく必要がもあります。
しかし、職場やあるいは法律によって、看護業務と、介護業務に明確に区別されていることも
あります。
ケアの目的という観点で考えてみましょう。看護とは、基本的に医療を行うことで、患者さんの病気を治癒することが目的になります。
介護は、基本的には要介護者の「自立支援」を目的としています。
仕事内容としては、看護師は、要介護者の体調をより医学的な視点からケアする役割になります。
介護職も、ある程度の医学的知識を学ぶ機会も多いですし、経験を積むことで、看護師に
要介護者の情報を的確に伝えることができるようになると思います。
看護師と、介護職は職種が違います。職種の違いとはどこからくるのでしょうか?
看護師という職業は今から百年くらい前には存在していました。イギリスにおいては看護師は、
今とはずいぶん違った扱いを受けていたようです。
当時の病院は、環境も良くありませんでした。そして、看護師はあまり良い職業と社会的にも認知されていなかったのです。
医学の進歩につれて、その専門性が次第に高く評価されるようになります。
介護職も、同じような経緯を経ているようです。
介護職も、最近は専門性が認められ、取得できる資格は多岐にわたります。
当初はホームへルパーという資格が一般的でした。
さまざまなルートがありますが介護の資格としては、介護福祉士が厚生労働省により国家資格として
認められています。
看護師の場合は、正看護師と准看護師があります。正看護師は国家資格です。
准看護師は各都道府県知事が免許を発行しています。正看護師と准看護師では、業務内容が少し異なります。
介護職、看護職ともに、給料には地域によって差があるため具体的な数字についてはここでは
記すことができません。
ただ、一般論として、基本的に看護職の方が介護職より比較的給料は多いようです。
看護職も現在の給与水準になるまで、社会での地位向上のため、さまざまな努力がなされています。
介護職も、歴史的にみれば介護保険の導入とともに認知度が上がり、「社会的に必要な職業である」と、広く社会一般に認められている現実があります。
看護の仕事に向いている人は、どのようなタイプでしょうか?実際にはさまざまなタイプの看護師さんがいらっしゃるため、一概に記すことは難しいでしょう。
しかし、看護師として学ぶべき先人として、フローレンス・ナイチンゲールさんがいます。
彼女は看護師を職業として選んだ人に向けて本を書いています。
ナイチンゲールさんの本を読んでみて、看護師は魅力的な職業であると思える方は、看護師に向いているのではないでしょうか?
介護士や、看護師として、さまざまな場所で働きたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
介護保険制度が始まってから、高齢者の方をお世話する介護保険施設も多岐にわたり、選択の幅が広がってきました。
これは、看護師、介護職どちらも、必要とされており、現在は人材不足もあり、求人が常にあります。
介護保険制度が始まってからは、状況にあった新しい施設も新設されており、例えば
小規模多機能型居宅介護は比較的新しい業態となります。
業務内容は、務めている施設によって変わってきます。
一般的には、デイサービスと通所リハビリテーション施設でも似ているようですが、施設の目的が異なるため、求められる業務内容も少し異なります。
入所施設でも、特別養護老人ホームや、グループホームでは、施設の規模が違いますし、
グループホームでは、食事を作ることも業務内容となるところも少なくありません。
訪問系サービスであれば一般家庭や、場合によっては外部サービスを利用する施設に訪問することに
なります。
仕事をするからには、給与を十分に報酬として受け取りたいというのは当然だと思います。
高い給料をもらうには、いくつか条件をクリアする必要があります。
ひとつは、給与にみあうような資格を取得していることです。
例えば介護職であれば、介護福祉士、介護支援専門員の資格を取得することは、会社組織として基本的に推奨されています。
資格を取得することで、資格手当が上乗せされた給料となります。
介護の仕事においては、さまざまな人材が求められています。性別や、それまでどのような仕事をしていたのかということは、特に気にする必要はないでしょう。
介護系の学校を卒業した方であれば、十分な教育を受けて自信を持って、仕事に就くことができると思います。
介護の仕事を志してから一からのスタートということであれば、まずはヘルパー二級相当の介護職員初任者研修を受講された方がいいでしょう。
学校によって資格取得のコースにかかる費用や期間が変わります。地域によっては、職業安定所で
資格取得のためのコースが設定されている場合、費用が安くなる可能性があります。
仕事に就く場合も、自信がつきますし、優遇される可能性もあります。
介護経験を三年以上積むことで、介護福祉士を取得するための実務経験ルートの基礎となります。
実際の現場でも、解剖学的な知識を必要とされる難易度の高いケアを求められることがあり、介護をしている立場からすると、「責任が重い」と感じられることがあると思います。
ただ、介護職には介護職に求められる技術があります。身体介助なども、その一例です。
看護師と介護職同士、お互いの力量を認め合って仕事をすることができるのが理想です。
この記事では、看護職と介護職の違いについて説明しながら、給与や資格を取得するための
方法などについて記しました。
介護の現場や病院においても、看護職と介護職が協働して仕事をする機会が増えてきています。
お互いの専門領域について理解を深めて、時には自らが中心になったり、サポートに徹したり
しながら、仕事の質を高め、資格取得などステップアップすることで、仕事に対する意欲が
高めることができるでしょう。