胃ろうとは?メリットやデメリット、在宅介護でのやり方なども解説!

2024.02.07

胃ろうは、消化器系の疾患や神経疾患、先天性疾患などによって、口から十分な栄養を摂取できない患者さんのために、胃の管を通じて栄養を補給する治療法です。

  • 消化器系の疾患によって、口からの食事が困難となった方
  • 神経疾患によって嚥下機能が低下している方
  • 先天性疾患や障害によって、口からの食事が不可能な方
  • がん治療に伴って摂食機能が低下している方達が有効な治療です。

胃ろうとは?

胃ろうとは、口からの摂食が困難な患者さんに対して、胃の管を通じて栄養を補給する治療法のこと
です。
消化器系の疾患や神経疾患、先天性疾患などによって、十分な栄養を摂取できない患者さんに対して、胃ろうは栄養療法として用いられます。

胃ろうには、手順が煩雑で、合併症が発生する可能性もあります。
患者さんや家族にとっては、生活の大きな変化を強いることになります。そのため、慎重な検討と医師の指導が必要です。

胃ろうのメリット・デメリット

【メリット】
必要な栄養素を補給できる
摂食困難な患者でも安全に食事ができる
栄養療法として用いられる

【デメリット】
手順が煩雑
合併症のリスクがある
患者や家族にとっての生活の大きな変化を伴う

 胃ろうのメリット

胃ろうのメリットは、摂食困難な患者さんでも必要な栄養素を補給することができることです。
口からの摂食が困難な患者さんにとって、胃ろうを用いることで、安全に食事ができるようになり、
体力を維持することができます。

消化器系の疾患や神経疾患、先天性疾患などによって、十分な栄養を摂取できない患者さんに対して、胃ろうは栄養療法として用いられます。

胃ろうを用いることで、薬剤投与や医療処置が容易になる場合もあります。
胃ろうは手順が煩雑で、合併症のリスクがあるため、慎重な検討と医師の指導が必要です。

 胃ろうのデメリット

胃ろうのデメリットは、手順が煩雑で、合併症のリスクがあることです。
胃ろう手術は、外科手術と同様に手順が複雑で、合併症のリスクも存在します。
胃ろうを用いることで、患者さんや家族にとっての生活の大きな変化を強いることになります。
自宅での胃ろうケアには、消毒や点滴など、一定のスキルが必要になります。

胃ろうを行うことで、嚥下機能が低下することがあり、口からの食事が困難になる可能性もあります。
そのため、胃ろう手術を行うかどうかは、慎重な検討が必要です。

胃ろうのカテーテルの種類

胃ろうのカテーテルの種類には、

  • 一次胃ろう用の鼻から挿入するN/Gチューブ
  • 口腔内から挿入するGチューブ
  • 直接腹部に穿刺するP.E.Gチュ-ブ
  • 直接腹部に穿刺するP.E.Gチューブ
  • 手術による造設のG-Jチューブなどがあります。

患者さんの症状や状態、医師の判断により、適切なカテーテルが選択されます。
それぞれのカテーテルには、特徴や利点、欠点があります。
患者さんの状態に応じて選択する必要があります。

 体外部ボタン型

胃ろうの体外部ボタン型は、手術によって直接腹壁にチューブを挿入する手法の一つで、チューブの一部が体外に出るようになっているタイプの胃ろうです。

チューブの外部には、開閉可能なボタンが付いているため、食事や薬の投与などを行う際に、チューブを取り外す必要がありません。
手術による穿刺のために、一定のリスクが伴います。チューブが体外に出ているため、外部からの刺激や感染リスクがあることもデメリットの一つです。
適切な管理と定期的な検診が必要となります。

 体外部チューブ型

胃ろうの体外部チューブ型は、消化管に通じるチューブを直接腹壁に穿刺し、体外にチューブを出す方法です。

体外部チューブ型の胃ろうは、体外部に出たチューブから経口摂取ができない患者さんに対して用いられます。この方法で胃ろうを行う場合、消化管の一部が閉塞している場合でも、摘出可能であれば可能性があります。

チューブが外部に出ているため、感染のリスクがあることや、管理が手間がかかることがデメリットとして挙げられます。
適切な管理と定期的な検診が必要となります。
チューブが外部に出ているため、見た目が気になる患者さんもいるため、本人や家族の心理的なケアも必要です。

 胃内部バルーン型

胃ろうの胃内部バルーン型は、胃内にバルーンを配置することによって、胃の容積を減少させ、食事量を制限する方法です。
これは、肥満症や過食症の治療に使用されることがあります。

バルーンは、口から挿入され、食道から胃へと移されます。バルーンは、胃内に配置された後、
液体で膨らませることができます。
この方法には、外科手術が必要ないことや、ダイエットや運動の努力が不十分な患者に対して
有効であることがメリットです。

バルーンが胃内に留置されている期間中、不快感や嘔吐、胃痛などの副作用が生じることがあることがデメリットです。
効果が一時的であるため、定期的な治療が必要であることがあります。

 胃内部バンパー型

胃ろうの胃内部バンパー型は、胃内にチューブを挿入し、胃内にバンパーを配置して摂食量を制限する方法です。

胃内バンパー型の胃ろうは、食道から胃へとチューブを通すことで、胃の広がりを防ぎ、食事量を制限することができます。
バンパーは、胃の中で留置され、食事中に胃の入り口を塞ぐことで、満腹感を与えます。
この方法には、外科手術が必要ないことや、胃バイパス術などの手術を行うことができない患者さんに対して有効であることがメリットです。

バンパーが胃の中に留置されている期間中に、不快感や吐き気、嘔吐、胃痛などの副作用が生じることがあることがデメリットです。

食事制限を強制するため、栄養不良や偏った食生活になるリスクもあります。
適切な管理と定期的な検診が必要となります。

胃ろうの人を在宅で看護・介護する際のポイント

在宅で胃ろうの人を看護・介護する際のポイントは、適切な清潔管理と定期的なチューブ交換、
栄養管理、適切な体位変換や運動、感染症予防などです。

医師や栄養士、看護師などの専門家のサポートを受け、胃ろうの管理やトラブル時の対応について
正しい知識を身につけることも重要です。
患者さんや家族の心理的サポートにも配慮することが必要です。

 姿勢を正しくしておく

胃ろうを持つ人は、胃内の異物を安定して保持するために、適切な姿勢が重要です。
特に食事中は、直立または少し傾斜した姿勢が重要であり、横になったままで食事をすることは
避けるべきです。

寝ている間も、ヘッドレストを使用して、上半身を少し起こした状態にすることで、胃液の逆流や
胃液が胃ろう管に入ることを防ぐことができます。

体位変換を定期的に行い、長時間同じ姿勢でいないようにすることも重要です。
これらの対策は、胃ろうを持つ人が健康で快適な生活を送るために必要なことです。

 口腔ケアをしっかり行う

胃ろうとは、胃の機能が不全となっている人に対して、栄養を摂取するために行われる手術です。
胃ろうの患者さんは、胃を通過しないため、口からの食事ができなくなります。
そのため、人工栄養を胃ろうから与えることになります。

胃ろう患者さんは、口腔ケアをしっかりと行うことが重要です。
胃ろうからの人工栄養は、口からの食事と異なり、口腔内での刺激が少なく、唾液の分泌が減少するため、口腔内が乾燥しやすくなります。
胃ろうチューブを挿入するために口内に器具を入れるため、口内の傷ができたり、
口腔内環境が変化することもあります。

口腔ケアを行うことで、口腔内を清潔に保ち、口内環境を整えることができます。
具体的には、歯磨き、うがい、口腔内の洗浄を行うことが重要です。

これらを定期的に行うことで、口内環境を健康的に保ち、食事の摂取にもつながります。
口腔ケアを怠ることで、口内環境が悪化し、口腔炎や歯周病などの合併症が生じることがあります。
そのため、口腔ケアをしっかりと行い、健康的な生活を送ることが大切です。

 胃ろう周りの皮膚のケア

胃ろうを持つ人は、胃ろう周りの皮膚ケアをしっかり行うことが大切です。
胃ろう管が皮膚に圧迫されることで、皮膚が軟化してしまい、圧迫性潰瘍や感染症を引き起こすことがあります。そのため、胃ろう周りの皮膚を清潔に保ち、適切な保湿剤を使用することが必要です。

胃ろう周りには、皮膚保護用のシートを貼り、機会的に位置を変えることで、皮膚の圧迫を軽減することができます。

皮膚の異常を早期に発見するために、胃ろう管周辺の皮膚を定期的に観察することも重要です。
これらの対策は、胃ろうを持つ人が皮膚トラブルを防ぎ、快適な生活を送るために必要なことです。

 使用する器具の衛生面

胃ろうを使用する器具の衛生面は非常に重要です。
胃ろう管や注射器、経皮的栄養チューブなど、使用する器具は、清潔で滅菌されたものを使用する必要があります。
使用前には必ず手洗いを行い、使用後には洗浄や滅菌を行い、次回使用の前に十分に乾燥させる必要があります。
器具の使い回しは避け、新しいものを使用することが推奨されています。

胃ろうを挿入する際には、医師や看護師による適切な指導を受け、清潔な状態で挿入することが大切です。
これらの衛生面の対策を遵守することで、胃ろうを使用する人が感染症などのトラブルを防ぎ、
健康な生活を送ることができます。

胃ろう以外の延命治療法はない?

延命治療法は胃ろう以外にもあります。
例えば、人工呼吸器、人工心臓、人工透析、抗がん剤治療、手術などがあります。
これらの治療法もリスクが伴い、患者の状態や希望に応じて適切な治療法が選択されます。

延命治療には医療費がかかる場合があるため、患者や家族は治療法の選択にあたってよく考え、医師との十分なコミュニケーションを行うことが重要です。

 鼻からチューブを入れる経鼻経管栄養

胃ろうは、経鼻経管栄養の一種であり、鼻から胃にチューブを通して栄養や薬剤を与える方法です。
手軽に行えるため、急な病気や緊急時には一時的に利用されることもあります。

長期間にわたって使用する場合は、口腔内や食道、胃にダメージを与える可能性があるため、胃ろうに切り替えることが推奨されます。

鼻からのチューブは動きやすく、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるため、経鼻経管栄養を行う場合にも、患者の状態やリスクを考慮した上で行うことが重要です。

 中心静脈栄養

胃ろう以外の栄養摂取方法として、中心静脈栄養があります。
中心静脈栄養は、静脈を介して栄養液を体内に投与する方法であり、術後やがん治療などで食事が難しい場合に利用されます。

静脈内投与のため、感染症や血栓症のリスクがあるため、慎重に行われる必要があります。
胃ろうに比べると管理が複雑で、医療従事者のスキルが求められることがあります。
中心静脈栄養が適切かどうかは、患者の状態や医師の判断によって決定されます。

まとめ

胃ろうは、口から食事が摂取できない場合に、胃にチューブを挿入して栄養や薬剤を投与する方法です。在宅でも利用でき、栄養状態を維持することができます。

胃ろうを使用することにはデメリットもあり、適切な管理が求められます。
姿勢や口腔ケア、皮膚ケアなどを行い、器具の衛生管理にも注意が必要です。

胃ろうは、患者の栄養状態を維持するための有効な手段の一つですが、適切な使用方法を理解し、
管理することが重要です。

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