50代の血圧平均値は?高血圧・低血圧についても解説!

2024.02.08

この記事では50代の人の血圧の正常値や高血圧、低血圧がもたらす健康への影響について
解説していきます。

50代になると自分の健康について不安を抱く人も増えてくるのではないでしょうか。

ここでは高血圧や低血圧によってもたらされる病気について触れていきます。
リスクだけではなく、血圧を管理し高血圧のリスクを下げるポイントについても
解説していきますので、この記事を参考に血圧管理に気を配っていきましょう。

50代の血圧は正常値よりも高い傾向

血圧は年齢が上がるほど上昇する傾向にあります。
その原因は血管の弾力性が失われ硬くなることで起こる「動脈硬化」が原因です。

加齢により「動脈硬化」のリスクは高まり、最高血圧といわれる収縮期血圧は高く、最低血圧といわれる拡張期血圧は低くなる傾向にあります。
そのため50代の平均的な血圧は正常値よりも高くなる傾向がみられます。

50代の血圧平均値

ここでは男女別の50代の血圧平均値についてみていきます。
正常血圧値は収縮期血圧/拡張期血圧がともに120/80mmHg未満とされています。
では50代の血圧平均値はいくらなのでしょうか。
男性から見ていきましょう。

 男性の平均値

男性の血圧平均値は、収縮期血圧/拡張期血圧が131.7/82.0mmHgです。
正常血圧が120/80mmHg未満であることから、50代男性の平均値が高めであることがわかります。

日本人間ドッグ学会における高血圧基準値は、収縮期血圧129mmHg以下拡張期血圧84mmHg以下が正常値とされており、こちらと比較しても収縮期血圧が高めであることがわかります。
収縮期血圧131.7mmHgは日本人間ドッグ学会の高血圧基準値における軽度異常に分類されます。

このことから50代男性血圧平均値は高めであるといえるのです。

 女性の平均値

一方の女性の血圧平均値は123.7/75.4mmHgです。
この数値は日本人間ドッグ学会の提唱する高血圧基準値と比較しても正常値に分類されます。
このことから同じ年代でも女性の方が血圧平均値が低いことが窺えます。

しかし、この年代は更年期の時期でもあるため、ホルモンバランスが乱れ、高血圧になるリスクもはらんでいます。
そのため平均値だから高血圧とは無縁であると考えるべきではないでしょう。

血圧が高いことによるリスク

高血圧は血圧が高いという点以外、特に自覚症状がありません。
そのため自分でも気が付かないうちに病気になっているというリスクがあります。
そのためここでは、血圧が高いことで引き起こされるリスクの高い病気を5つ解説します。

 閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症が起こると、動脈硬化による手足の動脈が詰まりなどを起こすことで
栄養や酸素が十分に届けられない状態となります。
そのため手足や足先の冷え、筋肉の痛みといった自覚症状が現れます。

閉塞性動脈硬化症が起こると、動脈硬化による手足の動脈が詰まりなどを起こすことで栄養や酸素が十分に届けられない状態となります。
閉塞性動脈硬化症の原因となる動脈硬化は、高血圧などで常に血管に負担がかかることで起こる症状です。放っておくと最悪皮膚が潰瘍や壊死を引き起こす恐れもある病気です。

 脳梗塞・脳出血

脳梗塞は脳の血管が詰まることで起き、脳出血は脳の血管が破れて出血することで起こります。
脳梗塞の症状は、手足のしびれや感覚の低下、手足の運動障害、言語障害、半身不随や麻痺、意識障害や昏睡です。

脳出血の症状は麻痺や感覚低下、めまいやふらつき、意識障害など様々な症状がみられます。
どちらも高血圧による動脈硬化が原因となって引き起こされます。

 狭心症・心筋梗塞

狭心症や心筋梗塞は心臓に送られる血液の巡りやつまりによって引き起こされる虚血性心疾患の
一つです。
狭心症は冠動脈の異常により血流が悪くなることによっておこる虚血により、胸の痛みや締め付けられるような圧迫感を伴う病気です。

心筋梗塞は狭心症以上に虚血の症状が重く、冠動脈が閉塞し、完全に詰まった状態になります。
このことで心臓の一部が壊死することで引き起こされます。
主な原因は動脈硬化で、動脈硬化を起こす因子に高血圧があげられます。

 心不全

心不全とは全身に血液を送るポンプの役割を担っている心臓のポンプ機能が低下し、
十分に働かなくなった状態のこと
を指します。
心不全になると、全身に十分な血液が届けられないため、様々な症状を引き起こします。

高血圧が原因となって引き起こされる心不全のことを高血圧性心不全といい、息切れや
手足のむくみを訴える人が多いです。

また初期の高血圧性心不全は自覚症状がないため、知らないうちに心不全が進行しているという
場合も多いです。早期発見のため、気になることがあったらすぐにかかりつけ医に相談しましょう。

 腎不全

腎不全は腎臓の機能が正常に働いていない状態です。
腎臓は体内で血圧を調整する役割を担っており、高血圧であると腎臓の働きが低下し、
慢性腎臓病を発症します。

これは高血圧が長く続くことで腎臓の血管にも負担がかかることで動脈硬化が起き、これにより血管が狭くなり腎臓へ流れる血液の量が低下します。

そのため腎臓の機能が悪化し、水分を尿として排出できなくなり、血液の量が増加します。
結果として心臓の負担が増え、高血圧をさらに進行させます。
慢性腎臓病になると、蛋白尿などの症状がみられるため尿検査を受けた際は結果を確認しましょう。

低血圧症の症状

低血圧の基準値は明確にされていませんが、収縮期血圧が100mmHg未満の場合を低血圧
とするのが一般的
です。
低血圧の症状として、

  • 立ちくらみやめまい
  • 立っていると気分が悪くなる
  • ひどくなると倒れる
  • 少し動くだけで息切れや動機が起こる
  • 疲れやすい

といった症状があげられます。

低血圧の治療期は目標基準がないため、症状の有無によって判断が分かれ、
無症状の場合は経過観察となります。
主な対処法は生活習慣の改善やバランスの取れた食事、適度な運動をすることです。

血圧を正常に保つポイント

高血圧は目立った自覚症状がありませんが、放っておくと重大な病を引き起こすリスクがあります。
そのため、日頃から正常な血圧を保つ工夫が必要です。

そこでここでは血圧の正常化のために必要なポイントを4つ解説します。

 食生活を見直す

濃く血圧の対策として減塩やバランスの取れた食生活があげられます。
塩分を多く摂取している人は塩分量の多い食品や食材を把握し、減塩につとめることが大切です。
減塩は出汁をうまく活用するなど、工夫次第で手軽に行えます。

また、血圧を下げる効果が期待できるカルシウムやマグネシウムを多く含む食品を積極的に
摂取しましょう。
カルシウムは牛乳やヨーグルト、マグネシウムは納豆などの豆製品などから摂取できるため、
日頃の食事に取り入れることも大切です。

まずは日々の食事を紙に書き出し、塩分を多くとりすぎてはいないか、カルシウムなどは摂取しているかを確認することから始めましょう。

 適度な運動をする

運動を習慣化することで、血管の収縮力や弾力性の改善に期待できます。
その他にも肥満予防やストレス解消など様々なメリットがあります。
運動に慣れている人は積極的に運動を取り入れ、慣れていない人は負担も少なく継続しやすい
「ながら運動」から始めてみましょう。
自分にあった運動方法を見つけ、継続していくようにしましょう。

また、運動以外にもウォーキングやランニングも効果があります。

 睡眠と休養をとる

睡眠は体を休息させる働きがあるため、血圧を下げる効果があります。
十分な休養を取ることで、次の日にそなえ疲労を解消させられます。
しかし、寝不足や睡眠の質が悪いことで、高血圧発症のリスクが高まります。

その他にも睡眠不足が続くことでストレスが溜まり、それが高血圧リスクを高めることにもなります。
十分に睡眠をとり高血圧のリスクを下げるようにしましょう。

 節酒や禁煙をする

普段から飲酒する習慣のある人は、自身の飲酒量に注目しましょう。
適切な量であればまだよいのですが、明らかに飲み過ぎている場合は飲酒量を見直し、
節酒することから始めていきましょう。
少量の飲酒は心臓の血管を保護する見込みがあるという研究結果もあることから、
飲酒する際は量に気をつけましょう。

喫煙は血圧に影響を与えるほか、健康上管理する必要があります。
喫煙自体にがんの発症などのリスクがあるため、喫煙をしている場合は直ちに禁煙することをおすすめします。

まとめ

50代の平均的な血圧は若年層よりも高い傾向にあり、高血圧のリスクが高いです。
高血圧になると動脈硬化を招き、そこから脳梗塞などの重大な病に繋がります。

高血圧のリスクを避けるためには、減塩や運動などを取り入れ生活習慣を見直すことが重要です。

最初は面倒だと思うかもしれませんが、「ながら運動」などを手軽にできることから始めていき、
高血圧のリスクを下げるようにしていきましょう。

お役立ちコラム一覧へ戻る