訪問リハビリテーションとは?対象者から費用・利用手順までを解説

2024.02.09

在宅介護をされている方、これから在宅介護される方は「訪問リハビリ」という言葉を
聞いたことがあると思います。

しかし訪問リハビリの目的や対象者、費用などがわからないと思います。
そういった方に訪問リハビリについて、わかりやすく説明していきます。

訪問リハビリテーションとは?

訪問リハビリテーションとは、患者の自宅で提供される医療・介護保険によるサービスです。
病気や怪我の影響で身の回りの生活に制限ができた患者に対して、リハビリの専門家が自宅に訪れて、機能改善や生活への適応をサポートするものです。

 訪問リハビリテーションの対象者

訪問リハビリテーションの対象者は、以下のような状況や状態の方です。

1)病気やけがにより機能が制限された患者
2)手術後や急性疾患から回復する患者
3)高齢者や慢性疾患患者、障害を持つ個人
4)住んでいる場所が施設外で、通院が難しい患者

また、介護保険、医療保険によって対象も変わってきます。
医療保険の場合は、厚生労働省が規定する特定疾病の診断が必要です。

 訪問リハビリテーションの利用タイミング

訪問リハビリテーションの利用タイミングは、以下のような状況や条件があります。

1)病気やけがの後、手術をした後
2)慢性疾患の影響で機能が低下したとき
3)老化により機能が低下したとき

上記のような時に、リハビリの必要性を感じた時が利用のタイミングです。
長期入院からの退院直後は、特に在宅生活に移行期間する期間として、訪問リハビリテーションを
利用するのに適しています。

 訪問リハビリテーションのサービス内容

訪問リハビリテーションのサービス内容は、患者の状態に応じて異なります。
個別に評価、計画・プログラムを立案し、下記のような関わりを行います。

1)健康確認(血圧や呼吸状態の確認)
2)筋力・体力トレーニング、言語・嚥下機能練習などの機能練習
3)麻痺や褥瘡解消のためのマッサージ
4)食事、排泄、着替えなどの生活動作練習
5)住宅環境の改修や福祉用具の提案
6)ご家族へ介助方法の指導

訪問リハビリテーションのメリット・デメリット

訪問リハビリテーションにはメリットとデメリットがあります。

自宅でのケアや患者中心のアプローチがメリットとして挙げられますが、一方で施設や道具不足や緊急対応の遅れが懸念されます。
以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

 メリット

1)自宅でのリハビリ:実際の生活環境に即したトレーニングが可能であり、成果が直結する。
2)患者中心のアプローチ: 個別のニーズに合わせたリハビリが提供される。
3)モチベーション向上: 慣れ親しんだ場所で治療を受けることで精神的な落ち着き、モチベーションが高まる。
4)通院が不要:外出するのが困難な方の一助となる。

 デメリット

1)施設・道具不足:専門的な施設や機器が限られるため、リハビリ内容が制限される。
2)他者との交流不足:リハビリの専門家が一人訪問するだけなので、社会交流の場としては乏しい。
3)時間制約: 訪問時間が短く、集中的なリハビリが難しい場合がある。
4)緊急対応の遅延:緊急時の医療対応が通院よりも遅れる可能性がある。

訪問リハビリテーションの費用

訪問リハビリテーションの費用は基本料金と加算料金から構成されます。

基本料金には標準的なサービスが含まれ、加算料金は特定の条件やサービスに対する追加費用を
示します。以下で詳しく解説します。

 基本料金

訪問リハビリの基本料金は1回20分約3000円です。

介護・医療保険料の負担割合により、1〜3割の支払いが決定します。
利用回数は、医療保険は原則として週3回まで、介護保険では1日3回、週6回までの制限があります。

基本料金には、リハビリ専門家による評価、治療プログラムの立案、治療プログラムの実施、
進捗モニタリング、自主トレーニングの指導、介護方法の指導、福祉用具・環境設定の提案などが
含まれます。

 加算料金

上記基本料金に加え、事業所や時期により下記のような加算料金があります。

  • サービス提供加算:約60円/回
  • 短期集中リハビリテーション加算:約2000円/日
  • リハビリテーションマネジメント加算:約1800〜4800円/月
  • 移行支援加算:約170円/日

要介護・要支援、負担割合により異なるので、費用は事業所に確認してください。

 介護保険・医療保険も利用可能

訪問リハビリテーションは、介護保険のほか、医療保険でも利用することができます。
原則として要介護認定を受けている方は介護保険が優先です。

しかし、65歳未満や65歳以上でまだ要介護認定を受けていない方は医療保険で利用します。

訪問リハビリテーションの利用手順

(介護保険の場合)

1.ケアマネジャーに相談し、利用したい事業所があれば伝える。
2.医師が訪問リハビリを必要と判断し、指示書を発行する。(3ヶ月に1回受診が必要)
3.サービス者担当会議を行い、目標、注意事項を確認し、契約。
4.サービス開始

(医療保険の場合)

1.医師が訪問リハビリを必要だと判断し、指示書を発行する。(1ヶ月に1回受診が必要)
2.ケアマネジャーを介さず、事業所や医療機関と直接契約を行う。
3.サービス開始

まとめ

今回は、「訪問リハビリテーション」についてできるだけわかりやすく説明していきました。
住み慣れた自宅で、マイペースに個々の目標に沿ってリハビリを受けたい方に大変オススメです。

利用条件や費用は個々で異なるので、医療機関や地域の窓口で相談・確認してください。

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