50代の血圧正常値はいくつ?原因や対策も解説!

2024.02.12

生まれてから死ぬまで人間の体に血液と栄養を送り続ける心臓。
年を重ねるごとにその機能は衰えていきます。

昔はなんともなかったのに、年を重ねるごとに血圧の数値が…、職場の健康診断や町の検診で
血圧に注意するように言われた…なんて方も多いのではないでしょうか?

この記事では、そんなあなたの健康寿命を維持するために、血圧の正常値や原因と対策に
ついてご紹介します!
血圧について理解を深め、60歳、70歳になっても健康で元気に過ごしましょう!

50代の血圧正常値はいくつ?

血圧は、年齢や体格、生活習慣によって敏感に変化します。とくに50代を超えると血管や内蔵も衰えてきますので、高い血圧の負担に耐えかね
思わぬ病気を招いてしまうことも。そんな血圧の正常値はいくつなのでしょうか。

結論から申し上げますと、血圧の正常値は、「120mmHg / 80mmHg」以下とされています(病院で測定した場合)
実は血圧は年齢によって正常値が変化するということはありません。
しかし、だからといって、若い頃のように血圧が多少高くても気にしないというわけには
いきません。なぜなら、若い頃と血圧が同じでもその血圧を受け止める、他の体の部位は
衰えているかもしれないからです。

ちなみに50代の血圧の平均値は、男性で133mmHg / 86mmHg 女性で125mmHg / 79mmHg となっております。
平均でも正常値が超えているということは、いかに血圧が高めの方が多いかということが
いえるでしょう。

では、なぜ血圧が高めの方、高血圧の方が50代には多いのでしょう?

50代に多い高血圧の原因

さて、ここからは高血圧になる原因について深掘りしていきます。原因について理解し生活習慣を見直すことで正常な血圧を手に入れましょう!

高血圧の定義は「最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上」となっています。
繰り返し血圧を測定しても、この値から下がらないという方は高血圧である可能性が濃厚です。

病院やクリニックで血圧について助言があった方、最近、体がつらく感じる方、老後も健康に
過ごせるか不安を感じてきた方、ぜひ一度血圧を測定し、ご自身の血圧と比較して
みてください。そして、高血圧に数値が近い場合、このあとの原因と対策の記事も要チェック
してみてください!

 塩分の取り過ぎ

日本人が高血圧になる一番の理由は、ズバリ「塩分の取りすぎ」と言われています!
日本の食文化がそもそも塩分の多い食事が多いというのもありますが、時代の発展とともに、
美味しい食べ物がすぐに手に入るようになった。味の濃いものを好む方が増えた。
油や食塩をつかった料理やスナック菓子が増えた。という理由もあります。

では、なぜ食塩をとりすぎると血圧が上がるのでしょう?
塩分が、胃腸から血液に吸収されると、血液中の塩分濃度が上がります。
血液の塩分濃度があがると体は濃度を下げようと血管内の水分を増やそうと働きはじめます。

すると、血管内を流れる血液が増え細かい血管にかかる圧力が高まることがから、
血圧が上昇すると考えられています。

50代で硬くなってきた細い血管に高い圧力がかかると、血管が切れたり詰まったりする原因
となります。これが心臓や脳の血管であれば深刻な病気や、後遺症の原因となりえます。

 タバコの吸い過ぎ

日本の50代の喫煙率は、男性で約32%、女性で約13%となっており、50代の1日の喫煙本数は2
2本で、これは一般的に売られているタバコ1箱以上の本数です。
なんと、20代〜60代以上の中で、50代の喫煙本数が最も高くなっています!

では、タバコを吸うとなぜ血圧が上昇するのでしょうか?
これは、タバコに含まれている化学物質ニコチンが関係しています。
ニコチンは体内に吸収されると、血管を収縮させる特徴があります。

ホースで水を流すとき、排出口を指で狭くすると水が飛び出る勢いが強くなりますよね?それと
同様に血管も収縮してそ細くなると送り出される血液の圧力が高くなるということです。

体の中で、あの勢いよくでる水が再現されていると想像すると、細かい血管が壊れやすくなるのは
想像にかたくないですよね。
また、ニコチンと同様にタバコに含まれる一酸化炭素には、狭心症や脳梗塞、心筋梗塞とも
深い関係があると言われており、まさに百害あって一利なしというわけです!

 飲酒のし過ぎ

酒は百薬の長とも言われ、適度な飲酒であればストレス発散やコミュニケーションのツールにも
なり得ます。しかし、過度な飲酒は自分の体を壊す自傷行為に等しいといえます。

飲酒を百薬の長とするか、身から出た錆とするのか、残りの人生を健康的に過ごすためにも、
適度な飲酒を心がける必要がありそうです!

では、なぜ飲酒のし過ぎは高血圧の原因となるのでしょう?
お酒に含まれるアルコールは体内に吸収され分解されるとアセトアルデヒドに変化します。
このアセトアルデヒトは実は血管を広げる特徴があり血圧を下げる力があるのです。

しかし、長時間飲酒を続けると、血液の濃度が下がるため体は血管を収縮させるように働き始めます。そのおかげで結果的に血圧が上昇するというわけです。

また、お酒と一緒に食べるつまみは塩分が多く含まれているものが多く、アルコール&塩分の
ダブルパンチで、高血圧のほかに、肥満や内蔵への負担にも繋がります。
現に50代に人気のおつまみを調べてみたところ、ローストビーフや生ハムなどのお肉系やチーズ、
乾き物のお菓子など塩分が多く含まれているものが多いようです。

アルコールは判断能力も鈍くさせてしまい、満腹も感じづらくなることから、アルコールも
おつまみもついつい飲み過ぎや食べ過ぎになってしまいます。
1日に飲む量を予め決めておくようにしたり、食事にプラスして晩酌する習慣を改善し徐々に生活習慣を見直していきましょう!

 ストレス

昨今、物価の高騰や時代の多様化、ハラスメントや少子高齢化など、日本はなにかあるごとに
ストレス社会と叫ばれがちです。
その中でも50代は日常的にストレスを感じやすいと答える方が7割と、各年代に比べてもストレスを
感じやすい年代という調査もあります。

50代は若い頃に比べ体調を崩しやすくなることをストレスに感じたり、職場では中枢の立場で多くの部下を持ち責任の思い役割になることが多く精神的にも、身体的にもストレスを感じやすい年代と
言えるでしょう。

それでは、ストレスと高血圧はどんな関係があるのでしょう?
人間には交感神経と副交感神経という2つの神経があり、交感神経は活発に動くためのアクセルを担う神経で、副交感神経はリラックスするためのブレーキを担う神経です。

そして、人間はストレスを感じると緊張状態になり、交感神経が優位になります。
つまりストレスを感じている間、人間はアクセルを踏みっぱなしの状態になってしまうのです。
交感神経が優位になり活発になると血流を促進させます。また、交感神経が優位になると血管を
収縮させるよう体に働きかけます。

長時間、ストレス状態にいると、収縮した細い血管に、つよい流れの血液を送り続けることに
なります。これがストレスによる高血圧の原因の一つと言われています!

では、ストレスを解消するためにはどうしたらいいのか、世間のストレス発散についての意見を見ていきましょう!

・誰かとおしゃべりする。 
 悩みやストレスを吐き出してスッキリする。そしてそのことは忘れてしまう!
・スポーツや趣味に熱中する。 
 適度な運動は体にも精神的にもよいです。カラオケなどは大声もだせますし、ストレスを発散
 しながら健康にもなり一石二鳥!
・美味しいものを食べて時間を気にせず睡眠をとる。 
 食べ過ぎには注意ですが、自分の好きなものを食べて、しっかりと休息するのが、
 シンプルイズベスト!

 肥満

厚生労働省の統計によると、50代の肥満率は、男性で約39%、女性で約21%が肥満という結果
がでています。
さらに、40代、50代は基礎代謝が落ち、ついた脂肪が落ちにくいといわれており、
一度肥満になってしまうと戻りづらいという悪循環にも!

しかし、肥満になるとなぜ高血圧になるのでしょうか?
肥満になるということは、体に脂肪がたくさんあるということといっても過言ではないでしょう。
それは内蔵や皮下脂肪だけではなく、血液の中も一緒なのです!
血液中に脂肪がたくさん含まれると、血液はドロドロになります。流れの悪い血液を送り出すためには、より強い力で血液を送り出さないと体の中を血液が巡らない。

結果、高血圧の状態になり、心臓に負荷がかかります。また、それを処理する内蔵にも脂肪が
まとわりつき機能が落ちてしまい病気に繋がってしまいます!

それでは、50代でもできる肥満対策にはなにがあるのでしょうか?

・運動量を増やし、エネルギーを消費すること(有酸素運動)  
 ウォーキングやエアロバイクなど
・筋肉をつけ、基礎代謝をあげる(無酸素運動)         
 ハードな筋トレは間違えると体を壊すので、スクワットなど大きな筋肉を使う自重トレーニングなど
・食事の内容や量を見直す                   
 毎食タンパク質をとり、炭水化物はおさえず脂質を抑える献立を。

この3つがポイントとなります。食事制限だけでは筋肉が増えず太りやすい体になり、
リバウンドを起こしやすくなります。

また、いきなりハードな回数や時間から始める必要はなく、ダイエットは長期戦ととらえ、
無理のない回数や時間からはじめ、脂肪の減少に合わせてトレーニングの量を少しずつ調整していきましょう!

 遺伝

ここまで、食生活や喫煙、飲酒、ストレスなど、高血圧に環境的な要因が深く関わっていることを
説明しましたが、実は環境的な要素だけでなく、高血圧は遺伝的な要素も深く関係しているのです!

高血圧が遺伝する確率は、一説によると「両親がともに高血圧の場合、子供に高血圧が遺伝する確率は50%」「片方の親が高血圧の場合、子供に高血圧が遺伝する確率は30%」と言われています。

しかし、遺伝的に高血圧になる可能性が高いといっても、特別な対策をとる必要はないので
安心してください。
これまで紹介した、食生活や喫煙、ストレスについて注意し対策していけば、遺伝で高血圧に
なりやすいとしても、正常な血圧を保つことはできます。

自分たちが高血圧な場合は、子や孫にも遺伝する可能性があることを広く家族で共有し、
事前に対策していきましょう。また、生活習慣の見直しなど一人では難しく、やる気も
長続きしないことであっても、家族みんなで取り組むことで長期的に励まし合いながら
取り組むことができるのもメリットです!

更年期高血圧に要注意!

若い頃から血圧が低めで、「自分は低血圧だ」「血圧の数値は気にしなくて大丈夫」と思っていた方も、更年期になると高血圧になる可能性があります!
更年期高血圧は、予備軍も含めると50代の半数近くがその危険がある可能性も!

しかし、更年期高血圧は以外と認知されておらず、体調不良で受診した際に高血圧と言われ
初めて気づき驚く方もすくなくありません!

では、なぜ更年期になると高血圧になりやすくなるのでしょうか?
更年期によくみられる、動悸やめまい、イライラ、体のほてりなどは女性ホルモンの一つである
エストロゲンが減少することが原因と考えられています。

このエストロゲンが減少すると血圧のコントロールをしている自律神経が不安定になるため、
更年期高血圧になってしまうのです!
更年期は個人差がありますが、誰しもが通る道です。40代をすぎたら自分の血圧に気を配り、
はやめに対策していきましょう!

低血圧の人はここに注意!

さて、いままでは高血圧についてご紹介と対策について書き出しましたが、高血圧について
知っていくと反対に、正常の値より低い低血圧の場合は何に気をつければいいの?
という疑問がわいてきます。低血圧の値はいったいどれくらいなのでしょう?

一般的に広く言われている低血圧の目安は、最高血圧が100mmHg以下、または最低血圧が60mmHg以下を低血圧としています。
(もちろん、個人差があり、元々血圧が低いが日常生活に支障がないかたもおられます)

それでは一体低血圧とはどういうものなのか、「血圧が低くなってしんどい!」という時は
どう対処すればよいのか、深掘りしていきましょう!

 低血圧の種類3つ

さて、一言に低血圧といっても、たくさんの種類があります。そのうちの3つを今回はご紹介します。

・本能性低血圧(一次性低血圧)
 本能性低血圧は、低血圧症の9割を占める低血圧です。特別な原因や疾患がなく、常に血圧が
 低い方のことをいいます。
 体質的や遺伝的なものが多く、特に本人が悩まされている症状がなければ、病気とはいえません。
・症候性低血圧(二次性低血圧)
 こちらは、体質的や遺伝的なものではなく、ケガによる大出血や、心臓や胃腸の疾患による
 栄養不良や機能の低下、末期がんなどで起こる低血圧です。
・起立性低血圧
 起立性低血圧は、急に立ち上がった時や急に体を動かした時におきる、立ちくらみを起こしたり
 急激に血圧が下がることをいいます。下半身にたまった血液が心臓に戻りにくくなるために
 起こるものです。これは、動く前と動いたあとの血圧の差が引き起こすものなので、
 高血圧の方でも起きることがあります!

 低血圧の改善方法

低血圧の改善方法を4つご紹介します!

・食生活を改善する。
 栄養バランスの整った食事をとることと、塩分をしっかりととることが大切です。
 塩分はとりすぎると血圧があがりすぎるため適切な量を計算して接種しましょう!
・十分な水分を飲む。
 血液量を増やし、血圧を上げるために水分をよく飲みましょう。食事や体内でも水分は
 作り出されますが、飲水としても1日に1.2L〜1.5Lを目安に飲みましょう。
 急に大量に飲むと尿として排尿されてしまうことがあるので、こまめに飲むほうがしっかりと
 吸収されやすいようです!
・血液循環を良くする運動を取り入れる。
 低血圧の方は、手足の末端の血液が心臓に戻りにくく、低血圧になることが多いです。
 末端分の筋肉を鍛え、血液循環を良くしましょう。ふくらはぎなどの筋肉を動かす
 ウォーキングや手を降ったり、開いたり閉じたりする運動を取り入れて、
 末端の血液循環をよくしましょう。
・食後にカフェインを摂る
 カフェインは交感神経を刺激し、血液の循環をよくする働きがあります。
 食後に血圧が下がりやすい方は、食後にお茶やコーヒーを飲んでカフェインを取り入れるのが
 おすすめです!

まとめ

今回は血圧の中でも50代の血圧について焦点をあてて、高血圧の原因をご紹介しました!
また、塩分やタバコ、飲酒からストレスや遺伝まで幅広く血圧二影響を及ぼす原因を
深掘りして対策を解説しました!
また、派生して更年期高血圧や低血圧についても説明と対策をご紹介しました!

50代は社会的にも身体的にも体に負担がかかる年齢です、血圧について理解を深め、
体調の管理をつづけることで、60代や70代になっても健康で元気な生活を維持
しましょう!

健康寿命を伸ばして残りの人生をハツラツにエンジョイしちゃいましょう!

お役立ちコラム一覧へ戻る