脈拍80は異常?こんな症状があったら要注意!年齢別の正常値も

2024.02.19

人間が生まれてから亡くなるまで、途絶えることなく働き続ける心臓。
それを感じることのできる脈拍は、鼓動だけではなく、病気や疾患のサインにもなります。

この記事で、正常な脈拍についてや異常な脈拍、そこから気づくことができる疾患などについて
紹介します!
正常な脈拍を維持することや、正常な脈拍に戻すためにどうすればいいかポイントも解説!

「最近、脈が速い気がする…」「健康診断で脈が早い、遅いと言われたけどどうすれば?」という
不安を解消して、健康で元気な生活を目指しましょう!

脈拍80は異常?年齢別の脈拍正常値

脈拍の値は1分間に拍動する回数を値とします。
その回数が多いと「頻脈」その回数が少ないと「徐脈」と言います。

脈拍の一般的に言われている平均は、1分間に「60〜100回」と言われています。
では、脈拍80なら大丈夫?と感じるかもしれませんが、同じ脈拍数であっても、「年齢」や
「体の大きさ」によって個人差があり、運動状態や体調によっても敏感に変化します。

自分の年齢の平均値と、自分の脈拍の平常値を比較し、自分の環境や体調管理について
一度考えていきましょう!

以下に、年代別の脈拍の正常値についてまとめましたので、参考にどうぞ!
【年齢別、脈拍の正常値】(安静時心拍数の中央値)
年代   男性    女性
20代   63回    69回
30代   66回    69回
40代   67回    69回
50代   68回    68回
60代   67回    68回
70代   63回    66回

 脈拍80は異常ではないが注意が必要

さて、年代別の脈拍にいて紹介しましたが、大体60〜70回前後となっております。
では、脈拍が80回以上になると異常なのでしょうか?

結論から言いますと「脈拍80前後は異常な値ではないが、少し気にする必要がある」です。

一般的な脈拍の正常値は1分間に60〜100回とされているので、ひとまずは安心しても大丈夫そうです。しかし年代別の正常値からは少し多いようです。

また、運動や興奮をしていないのに、自分の脈拍の値から大きく離れている場合は注意が必要です。
もしも「普段と同じ状態なのに、いつもと違って脈拍80が続く」という場合の、脈拍80回以上
でしたら体に異常が起きている可能性がありますので、「脈拍80は”一般的には”異常な値ではないが、”自分の平均値と違う”のであれば少し気にする必要があります」では脈拍以外にも
どんな症状があれば要注意していくべきなのか見ていきましょう!

こんな症状があったら要注意!

前述した通り、脈拍80以上は、一般的な値からすると異常とは言えませんが、「場合によっては
注意が必要」ということがわかりました。

若い頃から、脈拍が80以上あり、その状態で何年も平常であれば、問題はないかもしれませんが、
もしも、普段から脈拍が60台なのに、最近になって80台まで上昇し80回以下に戻らなくなっている
などがあれば、体に異常が潜んでいる可能性があります。

それでは、具体的にどんな症状があれば要注意するべきがチェックしていきましょう!

 安静時で脈拍が早いことがわかる

興奮しているわけでも、運動の後でもなく、普通に安静にして座っているだけでも
「脈が早くなっていることがわかる」のであれば、それは明らかな異常です。

「脈が早いな」と思っても、発熱や気分不良、体調不良がないからといって見逃してしまうと危ない
可能性があります。
むしろ、「何ともないのに脈が明らかに早い」という原因の見当たらない
謎の脈拍の上昇 = 何らかの異常が体の中で起きている。 
と考え、早めの受診をすることをおすすめします。

脈以外は何ともないから大丈夫だろうと、そのまま放置し頻脈にまで至り放置を続けると、
心臓の病気や血栓ができてしまう原因になり自分の寿命を縮めてしまう可能性も。
脈拍だけだから…というふうに思わず、早めに病院の受診を!

 安静時で脈拍が早いのに自覚がない

脈拍が早いことに自覚があるという方とは、反対に脈拍が早いのに自覚がない。というのは、
無症状で健康な日常生活をしているのにたまに脈を測ってみると、いつも脈が早い
方のことです。

もしもその脈拍が80以上であれば、早いと考えて、それが100以上であればあきらかな異常と
覚えておきましょう。
このような脈がいつ測っても続き戻ることがない場合は、病気が隠れている場合があります。

可能性が一番高いのは、貧血や甲状腺機能の病気です。
また、心臓の病気や何らかの感染症の可能性も考えられます!

病気はありませんが、ストレス状態に長期間さらされている環境にある場合などもこのような
脈拍が現れることがあります。
いずれにせよ、早めに病院を受診し原因を調べてみましょう!

 動悸がする

脈が早くなり、頻脈の状態が続くと動悸が起きることがあります。
脈が早くて動悸がするという方もいます。

これは、血液を送り出す心臓の動きが早くなりすぎることで、うまく血液を送り出せない
ようになっている場合が考えられます。

この時に、疑われる病気や疾患としては、「狭心症・不整脈・心筋梗塞・心不全・肺の疾患・バセドウ病など甲状腺の疾患」が考えられます。
脈が早くなって動悸がするという方は、すぐに治る場合であっても、一度病院で検査することを
オススメします。

 息苦しい

脈拍の上昇とともに動悸を感じたり、息苦しさを感じる場合は、不整脈が起きている場合が
考えられます。
不整脈は、頻脈の他、脈が遅い徐脈でも起きることがあるため、脈拍数が60以下の方も、
脈が早くないからと油断せず息苦しいなどがあれば一緒に注意していきましょう。

不整脈が起きる状態を、放置すると心臓が痙攣し活動を停止させることがあります。
これがいわゆる心不全といい、最悪の場合突然死に至る可能性も。

また、不整脈が心房細動によって起きている場合は、脳梗塞のリスクも高まります。
脈拍の異常に加えて息苦しさが続く場合は、一度病院を受診し検査をしましょう。

 吐き気

脈拍が頻脈となり不整脈が起きた場合は、吐き気を伴う場合があります。
これは心臓の動きが早くなり不快感を感じ吐き気を催している場合があります。

また、心臓の動きが早くなることで、心臓のポンプ機能が空回りし吐き気につながっている場合も。

脈が早まり吐き気がする場合、呼吸が浅くなっていることが考えられるため、焦らず深呼吸をして
まずは気持ちだけでも冷静さを保つようにしましょう。
できるだけ早く病院で検査をして対処していきましょう。

 冷や汗

脈拍の異常が起き、動悸や吐き気がするとき、冷や汗を伴う場合があります。
こちらも心臓の動きに異常が起きてうまく血液が送り出せていない。
全身に血が行き渡らない状態になり冷や汗が出ている状態が考えられます。

また、脈拍の異常でできた血の塊ができてしまい、その塊が血液に詰まる場合があります。

その梗塞状態(心臓や肺に多い)が隠れている場合や心臓に異常が起きている場合や内臓で出血を
起こして脈拍や心臓の異常が起きている「ショック状態」が原因の場合は、一刻の猶予もありません。
すぐに助けを求めるか救急で病院を受診し検査と対処をしましょう。

脈拍が早くなる原因は?

脈が早くなる原因は、ここまで紹介したように心臓や甲状腺の病気が原因となる場合の他に、
糖尿病やストレス、疲労の蓄積や睡眠不足によっても起きえます。

また、過度なアルコールやカフェインの摂取、それが体に合わなかった場合にも脈拍の異常が
起きる場合があります。

脈拍の異常が不安な方、病院を受診した際に、頻脈や不整脈と言われた方、
加齢によって起きる脈拍やそれに伴う病気のリスクが気になる方など、
各項目と脈拍の関係について一つずつ説明していきますので、チェックしていきましょう!

 ストレス

ストレスによって脈拍に異常が起きる場合があります。
これは精神的なストレスや肉体的なストレスによって脳が反応した結果、交感神経が優位になり
心臓に力が入ることや心拍数の増加を引き起こすことで異常が起きるのです。

ストレスが一時的ですぐに治る場合はストレス発散することを意識すれば良いですが、
そのストレスが頻回に起きたり、長期間にわたりその環境にいる場合は、最悪の場合
精神的な病気や、肉体的な病気につながるため、自分に合ったストレス発散方法を見つけうまく
ストレス発散をしましょう。

もしも環境的にストレスが加わり続ける場合は、病院の受診や部署の移動、転職なども視野に入れて、自分の体と心を守っていきましょう。

 心臓の病気

脈拍の異常が起きると心臓の病気が疑われたり、すでに心臓の病気にかかっている場合があります。
脈拍の異常によって起きる心臓の病気、病気によって脈拍に異常が出るケースを見ていきましょう。

・不整脈
 脈拍のリズムが不規則になり、時には動悸や不快感、吐き気を催します。一時的で問題のない不整脈もありますが、心臓の疾患による不整脈の場合はすぐに受診が必要。

・心室細動
 体から送られる色々な電気信号により、心臓がうまく動かず、非常に速くふるえる状態。
数秒で意識を失い迅速に治療を行わなければ死にいたります。

・持続性心室頻拍
 心臓を動かしている電気信号に異常が起き、脈に異常が起きることを心室性不整脈と言います。
この不整脈が30秒以上、続く場合や、危篤な状態に陥り緊急治療が必要な場合のことを、持続性心室頻拍と言います。これらは心不全や心停止を引き起こす場合があり、突然死の原因にもなりえます。

・心筋梗塞
 心筋梗塞は、心臓につながる冠動脈という血管がつまり、心臓に十分な栄養や酸素が送られなくなり、心臓の細胞が壊死する病気です。
 頻脈はこの血管の詰まりになる、血の塊ができやすくなるため、結果的に心筋梗塞のリスクも上がると言えるでしょう。

 甲状腺の病気

甲状腺とは、喉仏の下にあり、蝶が羽を広げたような形をしています。甲状腺は人間が生きるのに重要な「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
甲状腺ホルモンは
新陳代謝を促進させ、脈拍や体温、自律神経の働きを調整する役割を担い、エネルギーの消費を
一定に保っています。
脈拍を調整する役割の甲状腺が病気になるということは、脈拍の異常が出やすくなるということに
繋がります。

・慢性甲状腺炎(橋本病)
 甲状腺に慢性な炎症が起き、甲状腺が腫れてくる良性の病気。進行すると甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンが足りない状態)になることがあります。
 病気の発見者の名前をとり「橋本病」と呼ばれ、大人の10人に1人がこの病気を持っていると言われています。

・甲状腺機能低下症
 甲状腺に慢性な炎症が起き腫れが生じる、慢性甲状腺炎(橋本病)の内、10人に1人が甲状腺機能低下症になることがあります。
 これは、甲状腺の手術の後や脳下垂体の病気、薬の副作用に起きることが多い病気で、特にヨード系うがい薬や昆布エキスなどが含まれる一部の健康食品などを常用すると、大量に含まれるヨウ素の影響で、甲状腺の機能が抑えられ、甲状腺機能低下症になることがあります。
その場合はこれらの常用をやめると回復することが多いです。

・バセドウ病
 甲状腺亢進症、つまり甲状腺ホルモンが過剰になる病気のひとつです。
原因は不明ですが、血縁者にあらわれることが多く、体質で出現する可能性があります。
本来できないはずの甲状腺の抗体が出現し甲状腺を刺激し甲状腺が腫れます。
動悸や手のふるえ冷や汗や倦怠感、体重の低下が現れ、人によっては目が出てきます。

 疲労・睡眠不足

脈拍の異常は、疲労や睡眠不足によっても現れます。
これらは自律神経やホルモンが影響されていることが多いです。

・疲労による脈拍の乱れ
 人間は疲労が蓄積すると、体をそのストレスから守ろうとして攻撃的なホルモンを分泌します。それらのホルモンが分泌されることで、血圧や血糖値を上昇させます。
 その結果、心拍数が上昇します。その状態が持続すると脳や心臓に負担をかけてしまいます。

・睡眠不足
 睡眠が不足すると自律神経のバランスを崩し、交感神経の活性が進み血圧や脈拍が上昇します。
それらが持続すると高血圧や不整脈の原因となります。
 まや、動悸や息切れ倦怠感、不安感も出現など自律神経失調症状が出現しやすくなってしまいます。

まとめ

今回は、脈拍80は異常?というテーマで、脈拍の正常値や脈拍の異常を感じた時にどうするべきか、どんな病気などのリスクが隠れているかを解説しました!

脈拍80回以上は、それだけでは異常とは言い切れませんが、年齢や普段の血圧からの差、
それに伴う症状などから心臓病や甲状腺の病気が隠れている可能性があります。
症状がないからと、安易に放置はせず早めに病院を受診し検査をしましょう。

また、ストレスや疲労、睡眠不足によっても脈拍の異常は見られます。
適切な食事や適度な運動、自分に合ったストレス発散方法を見つけ脈拍の正常値を手に入れ
健康で元気な生活を楽しみましょう!

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