「自分の脈拍ってちょっと高いかも」「最近ずっと鼓動が早いけど大丈夫かな?」と、
自分の脈拍を心配している方は多いのではないでしょうか。
脈拍が正常値ではないと、あらゆる病気や疾患になるリスクがあります。
今回は、高齢者の脈拍について解説していきます。
脈拍が変動する原因や、頻脈による健康被害などを理解し、健康的な生活を送りましょう!
目次
高齢者の脈拍の正常値は、50~60回とされています。
また、成人の脈拍の正常値は、60~90回とされています。
成人と比べて高齢者の脈拍正常値は下がっていますが、これは活動量や代謝が少ないことが
大きな原因となっています。
実際に、成人の時のように仕事をしたり、運動をすることは少ないですよね。
高齢者の中でも人によって正常な脈拍には個人差がありますが、一般的な高齢者の脈拍の正常値は、
50~60回となっています。
高齢者の脈拍が100前後になると、頻脈と言われる部類になります。
加齢とともに心臓機能は低下し、成人と同じ労働量をこなすためには、より多くの血液を送り出す
必要があり、心拍数が上がると同時に脈拍も高くなります。
頻脈は、「冠動脈疾患」や「心不全」などの疾患によって引き起こされている可能性があります。
また、ストレスや疲労によって頻脈になるケースもあります。
頻脈は生活習慣が原因の場合もありますが、脈拍が120以上になると、あらゆる病気や疾患になるリスクが上がることを理解しておきましょう。
脈拍が120以上の場合は、すぐに受診することをお勧めします。
先ほどもお伝えしましたが、基本的に、加齢によって脈拍は低下する傾向にあります。
しかし、加齢以外にも高齢者の脈拍が変動する原因は存在します。
主な原因として、3つ挙げていきます。
1つ目に、運動などによる体温の上昇です。
運動時には体が必要とする酸素が増加し、それを供給するために血液を全身の組織に送るために、
心拍数は増加します。
スポーツをした後やランニング後には鼓動が早くなっているのがわかりますよね。
また高齢者は、体温調節機能が低下しており、運動によって体温が上昇しやすい傾向があります。
よって、運動などにより体温が上昇し、脈拍も高くなります。
2つ目は、心臓機能の低下です。
加齢により、心臓機能が低下するため、同じ労働量でも、成人に比べて必要とされる脈拍が
上がります。年を重ねるにつれて、運動をする時やモノを運ぶ際に疲労がたまりやすいのは、
心臓機能が低下していることが原因になっています。
また、高齢者は心臓の収縮力も低下するため、一度に送れる血液の量が減り、心拍数をあげる
必要があります。
心臓機能の低下には、高血圧、動脈硬化、心臓病などが関連している可能性があります。
心臓機能の低下は、脈拍の変動に関係している可能性があるので、脈拍が正常値ではない場合には、
これらの病気にかかっていることが疑われます。
よって、定期的な健康診断や医師を受診することで、早期発見することが大切です。
3つ目は、大量の出血です。
出血多量の状態になると、体内の血液量が減り、同じ労働をするために心臓の働きを活発にする
必要があります。よって脈拍も高くなります。
大量の出血による脈拍の変化には個人差があり、健康状態や生活習慣、または持病の有無などが
関係している場合もあります。
出血多量が疑われる際には、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。
頻脈とは、通常時よりも脈がかなり速くなっている状態です。
運動や緊張によって脈が速くなることはありますが、それは頻脈とは言えません。
安静時に計測した脈拍が、一分間に100回以上で頻脈とされています。
また、健康診断などで頻脈と診断されても、頻脈以外に何もなければあまり問題ないとされています。
しかし、次のような症状がある場合は注意が必要です。
頻脈の症状には、動悸や息切れがあります。
急に胸がドキドキしたり脈が乱れると、改めて心臓の存在を感じると思います。
安静にしていても動悸と息切れの状況が続くと、「心筋梗塞」や「心狭症」、「心不全」などの
疾患が疑われます。
そのような状況が続く際は、自己判断せず、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
頻脈の際には激しいめまいや、立ちくらみになることもあります。
心臓の血液を送り出す力が落ちることによって、十分な酸素や栄養を全身に送ることができなくなっていることが原因です。よって脈拍が速くなります。
疲れがたまった際にめまいが起こったり、長時間座った後に立ち上がった時に、立ち眩みをすることは、正常者にも起こりえます。
しかし、症状がひどい場合は、「心室細動」や「心房細動」の可能性もあるので、早めに受診し、
検査を受ける必要があります。
また、頻脈は胸痛を伴う場合もあります。
胸痛とは、体の全面部分である胸あたりに、締め付けられる感覚や何かに押されているような圧迫感
を感じる症状です。
また頻脈は、「心筋梗塞」や「心狭症」などの可能性があります。
安静にしていても、胸部に強い痛みが引かない場合は、すぐに医療機関を受診することを
お勧めします。
頻脈の際には、失神のおそれもあります。
長い時間立っていた時や興奮した時、疼痛などをきっかけに失神することが多く、きっかけが分からないこともありますが、けがをしなければ生命に影響はないと言われています。
しかし、失神して倒れた際に大きなけがを負ってしまうことも、少なくありませんん。
また、「神経疾患」や「脱水」などが原因で起こる場合もあります。
脈拍は、身体のすみずみまで血液が行き渡っているかどうかを知る指標になります。
また、脈拍の数やリズムに異常があると、心臓や血液循環に関連した病気が疑われます。
脈拍を定期的に測定することで、自分の脈拍の平均を知り、健康状態に異常がないかを簡単に
確かめることができます。
「最近体の調子が悪いな」と、思った時に脈拍を測定すると、病気や疾患の早期発見に繋げることが
できます。よって、定期的な脈拍の測定は自分の体調を理解するために、とても便利な指標と
なります。
これまで、高齢者の脈拍や、頻脈の際の症状についてご紹介してきました。
高齢者の脈拍は成人と比べて低い傾向にありますが、いくつかの原因により、変動することがあります。
また、頻脈になると、あらゆる症状があると同時に、病気や疾患になっていたり、なるリスクをあげてしまいます。
正しい生活習慣を意識し、脈拍を測定する習慣をつけることが、疾患の予防や早期発見のために
とても大切です。