入院中に介護保険の申請はできる?タイミングや注意点を解説!

2024.02.21

「病気やケガで入院中に体力が低下したり、ケガで思うように動けなくなってしまったら、
どうしよう?」
こんなふうに、退院してからの生活について不安を持たれる方も多いのではないでしょうか?

退院後に介護を受けられるよう、入院中に介護保険を申請しておけば安心ですね。
入院中に介護保険の申請は可能です!

では、入院中の、どのタイミングで申請をすれば良いのか詳しく解説しましょう。

介護保険の申請とは?

介護保険の申請は、要介護認定を受けて介護サービスを利用するために必要な手続きです。
介護保険は介護が必要になった方に、介護費用の一部が給付される公的な社会保険で、
給付を受けることにより金銭的な負担を少なくできます。

介護保険は第1号被保険者(65歳以上)、第2号被保険者(40歳〜64歳)で、
条件を満たしていれば介護保険を申請できます。

病気やケガで入院中、体力が低下したり、ケガで思うように動けなくなり、
介護が必要となった時に介護保険の利用を検討しましょう。

入院中に介護保険の申請はできる?

入院中に介護保険を申請することは可能です。
病院に入院中は、医療保険が適用され、介護保険の利用はできません。

主治医と相談して身体状態が安定した時期になってから、退院の1〜 2 ヶ月前に
申請をするのが良いでしょう。

 入院中は医療保険が適用される

入院中は医療保険が適用されます。
また、入院中は介護保険と医療保険を同時に利用することはできません。

そのため、入院が長期になる場合などは介護保険の申請を急ぐ必要はないでしょう。

入院中に病気やケガ・物忘れ・身支度などに支障が出始めた時や、食事・入浴・排泄に介護が
必要になったと感じたら、介護保険の申請を、ご自身と家族で検討しておきましょう。

 退院後の介護保険利用は入院中に申請できる

退院後の介護保険の利用は入院中に申請できます。

病気やケガなどで入院中、手術後すぐや、骨折等のケガが治っていない時期ではなく、
身体状態が安定したら、申請のタイミングを主治医と相談するのが良いでしょう。

退院後すぐに介護保険の在宅サービスを利用したい場合などは準備が必要です。

介護認定は申請から約30日かかりますので、退院後のタイミングを考えて、
申請準備を進めていきましょう。

シーン別介護保険申請のタイミングや注意点

厚生労働省の調査によると、要介護状態になるおそれがある身体状態とは、

・認知症(アルツハイマー型など)
・脳血管疾患(脳梗塞など)
・転倒による骨折(圧迫骨折など)
・フレイル(高齢による衰弱)
・関節の疾患(椎間板ヘルニアなど)

上記のような場合が介護保険申請を行うタイミングになるケースが多いようです。

 身体状態が安定していない時

身体状態が安定していない時とは、骨折や手術後などで、体力が消耗し、
通常とは異なる身体状態で、自力で行えない動作がある状態を表します。

この時期は正確な身体状態の判定が難しいため、介護保険の申請を行っても認定調査が
適切に行えないと考えられます。

がん末期などの方は、退院後、すぐに介護認定が必要になりますので、できるだけ早めに
申請をすると良いですね。主治医と相談して適切なタイミングを検討しましょう。

 入院先とかかりつけ医が違う時

入院先とかかりつけ医が違う時とは、入院中の担当医と、いつものかかりつけ病院などの
医師が違う場合です。

介護認定を申請する際、主治医の意見書が必要ですが、かかりつけ医と違う場合、普段の状態が伝わりにくく、困っている状況が主治医の意見書に反映されないこともあるため、注意が必要です。

もし、一時的な入院で、担当医とかかりつけ医が異なる場合には、退院後に介護認定を
申請する方が、より正確に要介護度を算定してもらえるでしょう。

 退院の目途がついた時

入院中の場合では、

・治療・手術後の状態が安定したころ
・転院の予定がある場合には、 転院先での病院で、状態が安定したころ
・リハビリ中の方は、リハビリが進み退院の目途が付いたころ

このような状態を目安として、身体状態が安定し、退院の目途がついたら、
介護保険の申請のタイミングを主治医と相談していきましょう。

 介護認定について独自の基準がある市区町村の場合

入院中に介護保険を申請することは可能です。
病院に入院中は、医療保険が適用され、介護保険の利用はできませんが、
介護保険の介護認定は申請できます。

入院中の介護認定は市区町村によって違う場合があり、自治体独自の基準がある地域もあります。

自治体によっては、その条件を満たした上で入院中の介護保険申請を行います。
具体的な基準があるかを病院や自治体に確認しておくとスムーズに準備が行えるでしょう。

介護保険申請に必要なもの

介護保険の申請には書類や証明書の準備が必要です。

・要支援・要介護認定申請書(市区町村の窓口またはインターネットからダウンロード)
・介護保険被保険者証(65歳以上)
・健康保険被保険者証(40〜64歳以下)
・マイナンバーカード(または通知書)
・身分証明書(運転免許証、身体障害者手帳など)
・主治医の情報が確認できるもの(かかりつけ医の診察券など)

本人以外が申請する場合は委任状、印鑑、代理人の身元が確認できるもの、が必要です。

まとめ

入院中に介護保険の申請は可能ですが、介護保険を利用できるのは退院後からになります。

入院中の場合、身体状態が安定していない段階での認定調査が不可能なため、介護保険を申請
する場合は、主治医と、どのタイミングで申請をすれば良いのか、よく相談しましょう。

退院の1〜2ヶ月前を目途に介護保険の申請に必要な準備を進めて、ご自身や家族と、
早めに介護保険の利用を検討しましょう。

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