介護放棄とは?罪に問われる可能性や逮捕されるリスクを知ろう

2024.03.06

この記事では、「介護放棄」という話題について、わかりやすく説明いたします。

介護放棄、と聞いてなんとなく想像がつかれるでしょうか?
読んで字のごとく、「介護を放棄すること」ですが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?

介護放棄が起こる状況や、実際に介護放棄が起こってしまった場合どのような罪に問われて
しまうのか、学んでいきましょう。

介護放棄とは何か?

 「介護放棄」とは、介護が必要な高齢者などに対しておこなわれる虐待の一種です。
介護などの日常生活上の世話の放棄、拒否、怠慢による虐待と定義されています。

通常、虐待というのは、対象者(要介護者)となんらかの人間関係のあるときに、
肉体的、精神的に暴力行為を働くことを意味します。

介護放棄は、要介護者が日常生活をおくるために必要な介護を提供しないことによって、
肉体的、精神的な暴力行為を働くことです。
無視をされると、健常者でもいい気持ちはしませんが、要介護者は介護放棄を受けることで、日常的に無視、放置されることになります。

介護放棄の罪とは?

介護放棄の罪とは、例えば親の介護を放棄し、死亡や怪我が発生した場合は罪になります。

これは、親など要介護の必要な対象者に対して加えられた肉体的・精神的な暴力行為と
認定された場合、犯罪上の行為をともなったとして、ときには刑事事件として、
逮捕されることもあります。

 法律で扶養義務が定められている

法律上、直系血族、および兄弟姉妹はお互いを扶養する義務があるという
「扶養義務」が定められています。

扶養義務者の範囲は、法律で定められています。

この場合、「直系血族や兄弟姉妹、家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族」
と一般に定められていますが、「三親等内で生計を一にする者」とされます。
同居しているか、別居しているかといったこともあるでしょう。

三親等とは、曽祖父母、粗父母、父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、甥・姪、おじ、おばが
該当するとされます。

介護放棄の逮捕リスク

介護放棄による逮捕の可能性について説明致します。

介護放棄とは虐待の一種であり、対象者である要介護者に対して、精神的、肉体的な
暴力行為を働いたと判断され、要介護者が死亡に至った場合に犯罪による刑事事件として
扱われることがあります。

この場合、家庭内虐待では、虐待を受けた人の性格や言動、虐待を受けた人を取り巻く家族の
歴史なども関係しており、虐待するに至った経緯については第三者がはかりしれない事情が
ある場合もあります。

介護放棄を受けた要介護者の基本的人権が、ないがしろにされていなかったかといったことも
含めて、裁判での審判を仰ぐことになるでしょう。

介護放棄がおこる理由は?

ここで、介護放棄が起こる理由について、いくつか典型的な事例があります。

・「介護者の状態が悪化する」
これは、ひとつには介護疲れによって、介護をする意欲がなかったり、介護者自体が
体調がすぐれないなどが考えられます。

・「養護者の経済的な負担」
介護をするにあたって、食費や介護費用、その他必要経費などが過度な負担となった場合、
まかなうことができなくなり、必要な介護を提供できないということもあります。

・「介護者と養護者の関係性」
介護する側と、介護される側の関係が良好であれば問題はないのですが、性格的な問題や、
認知症などの病気によって関係が悪化する場合があります。

介護放棄の対処法

それでは、ここで介護放棄にならない方法を、いくつか対処法を上げて解説していきます。

家族内だけで解決しようとしても、なかなかうまくいくものでもありませんし、
あらかじめ準備をしておくことで介護放棄の状況に陥らないようにしていきましょう。

 窓口に相談する

まずは、数多くの介護に関する問題に対処をしてきているプロである介護事業者、
行政支援を頼るという方法があります。

そのためには、どのようなサービスを利用することができて、どのような相談窓口があるのか、
といったことに関する情報が必要になってきます。

まだ、介護保険サービスを利用していないのであれば、要介護度の認定を受ける必要があります。

その場合、地域の包括支援センターに相談したり、かかりつけのお医者さんに相談するといった
方法もあります。

また、市役所に連絡して、介護保険の係に相談することも可能です。
介護放棄で困ったときは一人で抱え込まないことが大事なのです。

 介護資金を準備する

介護をするには、例えば介護保険サービスを頼んだりする場合にも、お金がかかります。
そのため、介護にどのくらいお金がかかるか把握しておくことで、準備することができます。
また、介護を受ける人が、どういった生活を望んでいるのか意向を確認します。

家で、介護を受けながら生活したいのか、あるいは介護施設で生活をしたいのかといった
意向を把握することで、必要になる介護資金も変わってきます。

そういったことを含めて、家族同士で話し合っておくことで、実際に介護を始めるまでには
基本的な準備をすすめておくことができます。

 親の介護で不公平感を持った時の対処法

親の介護をするにあたって、兄弟間で不公平感を持ったりすることもあるでしょう。

こういった親族間の問題に関しては、身内だけで話し合ってもうまくいかないこともある
かもしれません。

たとえば、市の高齢者福祉課の担当者、地域包括支援センター、在宅介護支援センター、
権利擁護センター、訪問介護事業所担当者、ケアマネージャーなど、専門職を交えて
協議する方法があります。

介護費用であったり、介護の負担に関する不公平感、あるいは相続の問題なども、
第三者機関を交えて話し合いを持つことで、解決の糸口がみつかることもあります。

まとめ

ここでは、「介護放棄」という一種の虐待行為について、説明をさせていただきました。

介護放棄に至るまでの過程もさまざまであるとは思いますが、犯罪行為として罪に問われることも
あります。

他人には知られたくない家族の事情もあるかもしれませんが、周囲に知らせることなく、
相談し、解決する方法も多くあります。
問題を家族内で抱え込まないようにすることが大切です。

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