「介護保険のサービスを利用したいがどうすればいいのだろう?」
「介護認定?要介護と要支援ってどう違うの?」
「介護サービスは何歳から受けられるの?」
など、介護や介護の仕事について考えると一度はこのような疑問を感じる方も多いのでは
ないでしょうか?
そこで今回は、介護保険サービスを利用するにはどうしたらいいのか、要介護認定の申請方法や流れについて詳しくご紹介します!
目次
介護サービスを利用するには、要介護認定が必要となります。
この要介護認定を受けることが介護サービスを1割〜3割負担で受けることができます。
要介護認定は、「日常的にどのくらい介護が必要なのか」というのを客観的に判断し、
数値化したものです。
この要介護認定の度合いを基準に、その人にあった介護サービスを受けられます。
また、要介護認定の度合いによってサービス料がことなる場合もあります!
介護サービスは介護が必要な度合いで受けられるサービスや給付される金額が変わります。
認定の窓口は各市区町村で行いますが、その基準は全国一律のものとなっています。
要介護認定の基準は「その人の介護にはどのくらいの時間が必要か」という観点から
決められています。これを「要介護認定等基準時間」といいます!
まとめ:「介護の手間」にかかる時間を「要介護認定等基準時間」といい、
この時間の長さによって区分が決まる!
要介護認定等基準時間によって以下のようにわけられています。
要支援 :要介護認定等基準時間が「25分以上32分未満」またはこれに相当する状態
要介護1 :要介護認定等基準時間が「32分以上50分未満」またはこれに相当する状態
要介護2 :要介護認定等基準時間が「50分以上70分未満」またはこれに相当する状態
要介護3 :要介護認定等基準時間が「70分以上90分未満」またはこれに相当する状態
要介護4 :要介護認定等基準時間が「90分以上110分未満」またはこれに相当する状態
要介護5 :要介護認定等基準時間が「110分以上」またはこれに相当する状態
上記の表のように、要介護認定には区分があります。
要支援には1〜2、要介護には1〜5で合計7つ(介護が必要ない、自立を含めると8つ)あります。
要支援状態と要介護状態の区分それぞれについて「どれくらいの状態でどの区分になるのか」
は以下にまとめましたので、参考にしてください。
要支援1:基本的に一人で生活できる。ただし日常の複雑な動作など「部分的に介護や介助が必要」とする。介護サービスの利用で要介護状態を予防できる見込みがある。
要支援2:基本的に一人で生活できる。ただし要支援1と比べると「日常の複雑な動作に介護や介助が必要になることが多くなる」介護サービスの利用で要介護状態を予防できる見込みがある。
要介護1:要支援2の状態に加えて、理解力や思考力の低下が見られる状態。問題行動や会話が噛み合わないなど、要支援より介護が大変と感じることが増える段階。
要介護2:要介護1の状態よりも、運動機能、理解力、思考力のさらなる低下が見られる状態。食事や排泄など基本動作にも介助が必要になってくる段階。
要介護3:基本動作だけでなく、「全面的に介助が必要」な状態。思考力、理解力の低下がみられ問題行動も見られる。要介護3から介護度が強いとされ、要介護3からでないと受けられない介護サービスもあります。
要介護4:自力での生活は難しく、全面的に介助が必要な段階。問題行動が「顕著に」表れます。1日のほとんどを介護に費やす必要があり、介護者の負担が大きい段階。
要介護5:「介護ないと生活ができない」段階。要介護4に比べて思考力や理解力が「著しく」低下し「意思疎通が困難」になってくる段階。
ここまで、要介護認定の説明と、基準や区分について説明しました!
ここからは、要介護認定の申請をするにはどうすればいいのかについて説明をしていきます!
要介護認定の申請をするには、色々と準備する物が必要なので、介護申請の仕方を把握して
おくことで、スムーズに手続きを進めていきましょう!
要介護認定の申請をする場所は「介護者の住んでいる市区町村の窓口」となります。
どの窓口に申請するのかわからない場合は、総合案内に伝えて教えてもらいましょう!
また、本人が申請する窓口に行けない場合は、代理を立て得る必要があります。
入院中などの理由で、本人が行けない場合は、家族や親族が申請することができます!
もしも、家族や親族が代理で申請することもできない。という場合は以下の場所で申請の
代行を行うことができます!
・地域包括支援センター
・居宅介護支援事業者
・介護保険施設(入所している方)
病院のソーシャルワーカーに事前に確認すると、上記の施設に連絡をとってくることも
ありますので、相談してみましょう!
要介護認定をうける際には、以下のものが必要になります。
忘れ物がないようにしっかりと確認してから申請しましょう!
・申請書
・介護保険の被保険証
・健康保険の保険証(64歳以下の場合)
・マイナンバーの通知書(申請書に記入する際に必要)
ちなみにですが、介護認定を受けるのに「費用はかかりません」申請は無料で行うことができます!
介護認定の申請に限った話ではありません、申請や費用、給付金や還付金などそれらしい
言葉をつかって悪質な詐欺を働く人もいますので、今行っている申請に費用はかかるの
か、受けている介護サービスにかかる費用などについてもしっかりと把握し、詐欺などに
引っかからないように気をつけましょう!
実際に要介護申請書を窓口に提出し、認定が決まるまでどういった流れになるのでしょうか?
簡単な流れは以下の通りです。
①市区町村の窓口で申請 ②訪問調査 ③医師の意見書 ④一次判定 ⑤二次判定 ⑥認定結果通知
①から順に、詳しく説明をしていきますので、認定までの流れをイメージしていきましょう。
介護認定を申請するにあたって必要な書類について再度、確認しておきます。
・申請書(要支援、要介護認定申請書)
役所、窓口においている他、インターネットからダウンロードすることもできます。
・介護保険被保険者証
第一号被保険者(年齢が65歳以上)の場合。
・健康保険被保険者証
第二号被保険者(年齢が40歳〜64歳)の場合。
・マイナンバー通知書
マイナンバーがわかるものであれば、写しでも大丈夫です。
・その他
身分証明証(運転免許証、身体障害者手帳、介護支援専門員証など)、主治医の情報が確認
できるもの(診察券)など。
※代理人が申請する場合は「委任状」「印鑑」「代理人の身元が確認できるもの」が必要になります。
介護認定申請が終わるといよいと介護認定をするための「認定調査」が開始します。
申請後にまず行うのが「訪問調査」で、これは対象者の「心身の状態や日常生活」
「家族や住まい」などの聞き取りとなっています。
訪問調査はケアマネージャーなどの認定調査員が行います。
ここでは正確な情報を伝えることが重要です。情報が正確であればあるほど実態の把握ができ
その後の「ケアプランの策定や適切なサポート」に役立ちます!
訪問調査で行われる調査内容は以下の通りです。
・概況調査:現在受けているサービスや置かれている環境(家族、住まい、病気など)
・基本調査:身体機能、起位機能、生活機能、認知機能、精神、行動障害、社会性への機能、過去2周間で受けた特別な治療
・特記事項:基本調査した中で、具体的な説明を要するものについて記入し明確にする。
訪問調査の日程は、申請したあと、市区町村の担当者から連絡がきて日程を調整します。
訪問調査が終わると、主治医意見書を作成します。
主治医意見書は市区町村が主治医に作成を依頼してくれます。かかりつけの主治医がいない場合は、
市区町村が指定する医師の診断が必要になります。
複数の病院を通院している方は1〜3ヶ月以内に受診歴のある「介護が必要になった原因を
把握している医師」に主治医意見書の作成を依頼しましょう。
訪問調査と主治医意見書の作成が終わると、調査の内容と主治医の意見を基に一次判定が行われます。
一次判定は、調査内容と意見書の項目をコンピューターに入力し、判定されます。
二次判定は介護認定審査会という会議で判定を行います。
一次判定の結果や特記事項をもとに、保険、福祉、医療の専門家が5名ほど集い、会議を
行い判定します。
この判定を正確に行うためにも、入念かつ正確な訪問調査が大切になってきます。
申請側は正確にもれなく伝えることを心がけましょう。
もしも、本人が正確に伝えることができない可能性がある場合は、家族や親族が日常生活の状態や
環境について、確認しメモなどしておくことをおすすめします。
調査内容で必要になる情報を事前にそろえておくことは訪問調査がスムーズに進むだけでなく、
介護サービスを受けはじめてからのプラン内容にも影響します。
認定結果は「要支援1・2」要介護「1〜5」「非該当(自立)」のいずれかです。
要介護度がかかれた通知書と被保険者証が届きます。
認定結果は「申請日から30日以内に通知する」という決まりになっています。もしも、通知が遅れる
場合は申請者に「見込み期間」と「遅れる理由」が通知されます。
また、介護認定の結果通知に不服がある場合は、不服申し立てをすることもできます。
詳細は後述の介護認定を受けられなかった場合の対処法を確認してみてください!
要支援認定、要介護認定をうけただけでは、介護サービスを受けられません。
サービスを利用するためには、ケアプランが必要になります。
ケアプランとは「いつ、どこで、どんな目的で、どんなサービスを利用するのか」を記載した、
介護予防・介護サービス計画書で、自治体に提出する必要があります。
また、要支援1・2と要介護1〜5では選択できるサービスと手順に以下のような違いがあります!
要支援1・2は「介護予防サービス」が利用可能です。
介護予防サービスの利用には「地域包括支援センター」に連絡し、担当者と相談しながら
ケアプランを作成します。
ケアプランを作成する際には、「今後、どんな生活を送りたいか」「どんなサービスを利用したいか」を担当者に伝えることが大切です!
要介護1以上は「自宅でのサービス」と「施設に入居して利用するサービス」の2つを受けることができます。受けるサービスによって手順が違うので注意しましょう。
自宅で介護サービスを受ける場合は「ケアマネージャー」を選びケアプラン作成をサポートして
もらいましょう。希望があればケアマネージャーにしっかりと伝えましょう!
ケアプランが完成すれば、利用するサービスに合わせて、介護事業所と契約をします。
費用やサービス内容についてしっかりと確認と質問をしておきましょう!
介護施設でサービスを受ける場合は入居する施設を探す必要があります。
「必ず現地に行って見学」をして費用やサービス内容のチェックをしておきましょう。
入居する施設が決まれば、申し込みを行い入居となります。入居後は施設のケアマネージャーとケアプランを作成し、その内容に沿ったサービスを利用していきます。
介護認定を申請し認定結果通知が届いた際「非該当(自立)」と判定され
「介護サービスを利用できない!」となったり「想定より要支援、要介護度が低く認定された!」と
いう場合、「認定結果に対する不服の申し立て」ができます。
不服申立ては都道府県に設置されている「介護保険審査会」に申し立てを行ってください。
不服申し立てを「介護保険審査会」に申し立てる場合は認定結果通知を受け取った
「翌日から3ヶ月以内」に申し立てを行う必要があるので注意しましょう!
また、期間などは地域によって違う場合があるので、事前に不服申立てをする場合を想定し、
確認しておきましょう!
今回は、介護申請の仕方や、認定基準と区分、介護申請書を提出してから認定されるまでの流れ、
もしも認定を受けられなかった時の対処法まで徹底的にご紹介しました!
介護保険サービスの利用を考えている方や、その家族、介護の仕事に興味がある方に役立てば
幸いです。
誰しもケガや病気などで介護が必要になる時が来るかもしれません。
ひとりで抱え込む必要はありませんし、介護保険サービスを利用することは全く恥ずかしいことでも
ありません。
介護の負担は大きいものですので、悩んでいる方は是非、介護認定を行い介護保険サービスの利用を
考えてみてください。
介護認定、介護保険サービスは介護する側も介護される側にとっても負担を減らし有益になるもの
です。笑顔で自分らしい生活を送るためにも是非今回の記事を参考にしてみてください!