要介護1と2の違いとは?利用可能な介護保険サービスや金額も解説!

2024.03.07

家族が、要介護の認定をもらったが「要介護1と2の違いってなに?」「受けられるサービスや金額に違いはあるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。


また、介護の仕事を考えているが「要介護ってそもそも何」など基本的な知識を身につけたい方にも、今回は要介護1と2の違い、利用可能な介護保険サービスやその金額についても解説します!

この記事を読んで要介護の基礎知識を身につけて役立てていきましょう!

そもそも要介護度とは?

要介護度とは「どれくらい介護が必要なのか?」という目安を客観的に数値化し区分わけしたもの
です。


区分は、非該当、要支援、要介護とあり全部合わせると8つあります。
それでは、一番度合いの低い非該当から順に見ていきましょう!

 非該当

認定された要介護度が「非該当」ということは、自立しているという状態で、要支援や要介護状態
には当てはまらないということを意味します。


非該当(自立)の状態は、歩行や起き上がりなど日常生活上の基本動作を自分で行うことが
可能であり、それに加えて「薬の内服」や「電話の利用」など、手段的な日常生活動作もできる
状態を意味します。

本人としては「まだまだ自分一人で大丈夫」と自信に繋がる方もいれば、自分の心身を心配
している方は「非該当なら介護サービスを受けることができないの!?」
と不安になる方もおられるかもしれません。

介護度が「非該当」であっても、介護保険以外にも様々なサービスがありますし、
認定結果に不服がある場合は、「不服申し立て」を行うこともできますので安心してください。

 要支援

要支援状態には、「要支援1」と「要支援2」の2つの区分があります。
要支援1と2の違いは、介護や介助が必要になる時間の違いで区分されます。

この「介護の手間」にかかる時間を「要介護認定等基準時間」といい、これは要介護1〜5の
区分わけにも使われる基準で、全国一律の物差しとなっています。

要支援1は「介護にかかる時間が25分以上32分未満またはこれに相当する状態」で一人暮らしは
全然できるが一部介護や介助が必要な状態となります。

要支援2は「介護にかかる時間が32分以上50分未満またはこれに相当する状態」で一人暮らしは
全然できるが要支援1に比べ介護や介助が多く必要な状態となります。

 要介護

要介護状態には、要介護1〜5までの5つの区分があります。

要介護1が度合いが一番低く、そこから数値が上がるにつれ、介護が必要な度合いも高くなる。
つまり要介護5が一番介護が必要な度合いが高いということを意味します。
介護保険のサービスの中には、要介護3以上でないと受けられないサービスもあります。

要支援1〜2、要介護1〜5の区分によって、介護保険から給付される金額や受けられるサービスも
変わってくる場合があるのでとても大切な指標になります。

それでは、この大切な要介護の区分はどうすれば認定してもらえるのでしょうか?
その方法と手順についてご紹介していきましょう。

 要介護認定を受ける必要がある

先に紹介した、要支援や要介護の認定をうけるには、「要介護認定」というものを受ける必要が
あります。

要介護認定とは、申請者が「どの程度介護が必要なのかを客観的に数値化したもの」で、
公的な介護保険サービスを利用するために必要になります。

自宅で調理や掃除などの生活援助、入浴や移動などの身体介護を受けられる他、必要であれば施設に
長期入居することもできます。
本来であれば、高額な費用がかかりますが、介護保険サービスは1割〜3割の負担で利用できます。

要介護認定の流れ

要介護認定の申請から判定結果がでるまでの流れは以下のとおりです。

① 市区町村の窓口で申請書を提出。
② 訪問調査:認定調査員が自宅や病院を訪問して聞き取りを行います。
③ 主治医意見書 :かかりつけ医により意見書を記入してもらいます。介護が必要になった原因を詳しく把握している主治医を選びましょう。依頼は市区町村が行います。
④ 一次判定 : コンピューターによって行われます。
⑤ 二次判定 : 介護認定審査会によって会議を行い判定されます。医療・福祉・保険の専門家、5名ほどで会議を行います。
⑥ 結果通知 : 非該当 要支援 要介護 のいずれかの通知が来ます。結果が不服の場合は不服申立てが行なえます。結果や遅れる場合の通知は30日以内に届きます。

申請に必要な書類などを事前に調べてから窓口に行きましょう。
また、主治医意見を作成してもらう主治医には、事前に作成する旨を伝えておきましょう。

要介護1と2の違いを紹介

ここまで、要介護度の説明と要介護認定を受けるにはについてご紹介しました。
要介護度によって、身体状態や介護にかかる時間などについて説明していきます。
今回は要介護1と要介護2の違いについて焦点をあて、ご説明していきます!

 要介護1の身体状態

介護認定の要介護1における状態とは「介護認定等基準時間が32分以上50分未満またはそれに相当する状態」とあります。
介護が必要な時間ではなく、状態として具体的にはどのような状態なのでしょうか。

要介護1の状態とは、「部分的に介護や介助が必要な状態」です。
食事、排泄など身の回りのことはできるが、日常の複雑な動作は難しく認知力や運動能力の
低下が見られる状態といえます。

例えば、「立ち上がりや歩行が不安定で支えが必要」「トイレや入浴に一部だけ介助が必要」という状態といえるでしょう。

 要介護2の身体状態

要介護1に比べて、要介護2の身体状態とはどれくらい差があるのでしょう。
要介護2の基準は「要介護認定等基準時間が50分以上70分未満、またはこれに相当する状態」とあります。具体的にはどのような身体状態なのでしょうか?

要介護2の身体状態は、「日常生活の動作が低下して、部分的な介護が必要な状態」を指します。

ここだけみると要介護1の状態と変わらないように思いますが、要介護2の状態は要介護1と比べて
「支えがないと立ち上がったり、歩行ができない状態」
「食事や排泄の場面で見守りや手伝いが必要な状態」で、要介護1の部分的にサポートが必要な状態
と比べ、要介護2は全般的に軽い介護や介助が必要といった状態といえるでしょう。

 要介護1と2の介護にかかる時間の違い

要介護1と要介護2の介護にかかる時間の違いについて説明します。
前述にもある通り、介護度の時間は「要介護認定等基準時間」を基準に区分されます。

要介護1は「要介護認定等基準時間が32分以上50分未満、またはそれに相当する状態」
要介護2は「要介護認定等基準時間が50分以上70分未満、またはそれに相当する状態」と定められています。

この要介護認定基準時間について更に詳しく説明したいと思います。
要介護認定基準時間とは、まず介護や行為を以下の5つに分類しそれにかかる時間を基準としています。これらの項目について確認し、コンピューターで相対的にどれくらいの時間がかかっているかを
計算します。

【行為区分毎の時間が表す行為】
・直接生活介助:入浴、排泄、食事等の介護 ※食事、排泄、移動、清潔保持にわけて推計されます。
・関節生活介助:洗濯、掃除等の家事援助等
・BPSD関連行為:徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等
・機能訓練関連行為:歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
・医療関連行為:輸液の管理、褥瘡(じょくそう)の処置等の診療の補助等

要介護1と2で介護保険サービスの内容に違いはある?

要介護1と要介護2と認定されデイサービスやホームヘルパーなどのサービスの利用を考えているけど「サービスの内容に違いはあるの?」「利用できる回数の上限や違いは?」
と疑問に思う方も多いと思います。

サービスの内容や回数によってしっかりと理解しておき、その方や家庭にあったサービスの
利用方法を上手く調整していきましょう!

 デイサービスの回数の違い

要介護1と要介護2によって、デイサービスの回数の違いはあるのでしょうか?
結論から言いますと「要介護1と要介護2にはデイサービス利用回数の上限はありません!」

上限はありませんが、デイサービスの費用については注意点がありますので後述したいとおもいます。
それでは、実際に要介護1と要介護2では、デイサービスをどのくらい利用する方が多いのでしょうか?

要介護1〜2の方がデイサービスを利用する回数は「週に3〜4回」が利用の目安です。
といっても、家族が仕事に行く日数や子どもが小さく介護に手が回らないなどの場合は、
利用回数は増えるかもしれません。
環境や状況によってデイサービスとよく相談し、個別に調整していきましょう!

 ヘルパーの回数の違い

自宅に訪問介護員(ヘルパー)を派遣し、利用者が自立した生活を行えるよう支援してくれる
サービスです。

住み慣れた自宅でヘルパーの手を借りながら生活できるという点は、利用者からすると大きな
メリットです。このヘルパーの利用回数について要介護1と2ではどんな違いがある
のでしょうか?

ヘルパーが行う、訪問介護には要介護度によって、一月で利用できる回数に以下のような違いがあります。
要介護1:27回  要介護2:34回  要介護3:43回  要介護4:38回 要介護5:31回

一月に受けられる回数は上記の通りですが、1日で受けられる生活援助の回数に制限はなく、
ケアプランに定められた必要な分のサービスを受けることができます。

また、同じ日に訪問介護を数回受ける場合は、その間の時間が「2時間以内だと同一のサービス」
と判断されます。
1度の訪問介護には、「60分以内」など事業所によっては時間が決まっている場合があるため、
この2時間ルールを守って計画をたてる必要があります。

要介護1と2で介護保険サービスの金額に差はある?

介護認定を受け、要介護状態と判定されると、税金で費用の一部を負担してくれます。
その費用の限度額を「区分支給限度基準額」と言います。

介護保険サービスを利用する中で、この区分支給限度基準額をオーバーすると、
「超過分の料金を全額自己負担」しなければなりません。

要介護1と要介護2の区分支給限度基準額は以下の通りとなります。

要介護1の区分支給限度基準額:約167,650円
要介護2の区分支給限度基準額:約197,050円

デイサービスの利用回数に上限はないと、前述しましたが、デイサービスは1回ごとに費用が
かかりますので、利用回数が多いほど費用がかかり、限度額を超えると全額自己負担
する必要がでてくるため、「回数の上限はありませんが、費用を計算しながら回数を調整するよう
注意が必要」です!

簡単にまとめると、
デイサービス :要介護度が上がると費用があがる。回数に上限はないが、その分費用がかかり、支給限度額を超えると全額自己負担。
ホームヘルパー:介護する時間が増えるとその分費用もかかる。要介護度によって1月に利用できる回数に上限がある。支給限度額を超えると全額自己負担。

まとめ

今回は、要介護1と2の違いについてご紹介しました。
要介護1〜2についてインターネットで検索すると「要介護1と2の違い 金額」
「要介護1と2の違い デイサービス」「介護認定 要介護1と2の違い」「介護保険 要介護1と2の違い」などがよく出ます。

要介護1〜2の判定を受けたり、要支援から要介護に移行した場合、いかにこれらが興味深く、
また悩んでいる方が多いかがよくわかります。
施設や事業所、各市区町村によって料金や上限など一部違うところもありますので、
今回の記事を参考に、お住まいの地域の条例や事業所の料金を確認・相談しましょう!

自分に合ったサービスを、自分に合った回数、自分に合った料金で、上手く利用し
「自分らしい人生」を楽しみましょう!

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