要介護3と2の違いは何?介助時間やサービスについても詳しく紹介!

2024.03.14

「要介護2と認定されたけど、どんなサービスを受けられるの?」
「要介護3から介護度が高いと聞いたけど具体的にどの程度なの?」
など認定を受けたけど要介護3と2の違いがわからない、イメージできない。という方もおられると
思います。

今回はそんな方々のために、要介護3と2の違いについて解説します!
介護度が1つ違うだけで受けられるサービスなどに違いがでてきますので、是非ご参考にしてください!

要介護3と2の違いとは?

そもそも要介護度は1〜5の度合いがあり、数字が大きくなるにつれて介護が必要な度合いが
高くなります。

一般的には要介護3から度合いが高いといわれており、中には要介護3からしか利用できない
サービスもあります。
要介護3と2の違いを理解し、是非サービス利用に役立ててください!

 要介護3

要介護3について、簡単に説明しますと、「要介護認定等基準時間」での要介護3の基準に
当てはまるか、要介護3に相当すると判断されると要介護3と認定されます。

要介護3と認定されると、在宅での介護や施設への入居など色々なサービスを受けることができます。
要介護3と認定される人には「認知症」を患っている人が多いです。

※ 要介護認定等基準時間とは、「介護の手間にかかる時間」でこの時間が長いほど、
要介護度は高くなります。

 要介護3の状態は?

要介護3の状態とは具体的に、どんなことができなくなってきているのでしょうか?

要介護3になると、身体的に衰えており自分だけで立ち上がったりスムーズに歩行することなどが
難しい状態になってきます。

いくつか例を上げると「着替えが一人ではできない」「トイレや入浴に介護が必要」
「歩行や立位が不安定になってきている」などのイメージです。

それに加えて、要介護3では認知症も患っている方が多く、思考力や認知力も低下しており、
基本的に「日常生活において24時間、介護を必要とする状態」です。

厚生労働省によると、2020年の時点で要介護3と認定されている方は「全国で約9万人」という
データがあります。

 要介護2

つづいて、要介護2について簡単に説明すると、「日常生活の維持が難しい」
「日常生活に必要な機能に介助が必要になってくる」「身の回りの管理ができなくなってくる」
「生活するのに見守りや介助が必要」な状態です。

こちらも、要介護認定等基準時間の要介護2に相当する時間、介護が必要であるか、それに相当する
状態と認められた場合、要介護2と認定されます。

要介護3で高い度合いと説明しましたが、要介護2ももちろん介護認定を受けているので、
様々な介護サービスを少ない自己負担で受けることができます!

 要介護2の状態は?

前述した、「日常生活の維持が難しい状態」「日常生活に必要な機能に介助が必要になってくる」
などは具体的にどんなイメージでしょう?

いくつか例を上げると「計算ができず、レジでお札ばかりで使う」「爪切りなどの細かな動きができない」「料理の手順がわからない」「テレビの内容が理解できない」などです。

要介護2は家事だけでなく、入浴や排泄などでも補助が必要になり今までできていたことが
スムーズにできなくなってきた状態です。

身体機能も低下し、転倒や転落のリスクも高まり、その恐怖から極力動かないようにする方も
増えてきます。そういったリスクが高いため、日常生活において見守りや介助が必要とされています。

厚生労働省によると、要介護2の認定を受けたている方は「2020年の時点で約117万人」という
データがあります。

要介護3と2の介助時間の違いは?

先の説明をまとめると、

要介護2では「家事、食事、入浴、排泄、に ” 部分的な介助が必要な状態 ” 」となり、
要介護3では「家事、食事、入浴、排泄、の ” 全般に介護が必要な状態 ” 」と言えます。

つまり、介助時間としては要介護3の方が介助が必要になるケースが増えるため介助時間も長くなる
傾向にあり、終日の介護が必要な方が多くなります。

要介護認定の基準である「要介護認定等基準時間」においても、

要介護2の基準時間が「介護が必要な時間が50分以上、70分未満。またはそれに相当する状態」
に対して、

要介護3の基準時間は「介護が必要な時間が、70分以上、90分未満。またはそれに相当する状態」
定められており、基準的にも体感的にも要介護3の方が「介助時間が長い」と言えます。

要介護3と2の介護保険サービスの違いは?

要介護3と要介護2の状態について説明をしました。
ここからは、要介護3と要介護2で利用できる介護保険サービスを見ていきましょう。

また、要介護3と要介護2では介護保険で支給される「区分限度支給額」というお金の金額の上限も
変わってきます。そちらも合わせて見ていきましょう。

 居宅介護サービス

居宅介護サービスとは、ヘルパーに自宅を訪問してもらう、「訪問系サービス」と施設に通う「
通所サービス」短期間の間施設に宿泊する「宿泊サービス」「福祉用具」など
のメニューを組み合わせて利用できるサービスです。

介護保険サービスは要介護度によって利用できる限度額が違います。
「要介護3は、27万480円」「要介護2は、19万7,050円」となっています。※地域により変動あり。

また、介護保険の自己負担額は1割〜3割なので、1割負担の場合「要介護3は、2万7048円」
「要介護2は、1万9705円」となります。

・訪問系サービス:訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
・通所系サービス:通所介護、通所リハビリテーション
・宿泊系サービス:短期入所生活介護、短期入所療養介護
・福祉用具:福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修費支給

 施設サービス

施設サービスとは、特別養護老人ホームなどの介護保険施設に「入居」して、身の回りの世話や
身体介護、機能訓練などを受けるサービスです。
施設サービスには4つの種類があり

  • 「介護老人保健施設(老健)」
  • 「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」
  • 「介護療養型医療施設」
  • 「介護医療院」の4つです。

    この中で、特筆すべきは「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」です。
    介護老人福祉施設の入居要件は「要介護3以上」と決まっており、
    「要介護2の方は原則、利用できません」。

    要介護3以上でないと利用できないサービスはこれを意味することが多く、
    要介護3と要介護2による大きな違いの1つですのでしっかりと把握しておきたい部分です。

 その他

居宅介護サービスと施設サービスの他にも利用できるサービスとして、把握しておきたいのが
「特定施設入居者生活介護」と「地域密着型サービス」です。

特定施設入居者生活介護とは、日常生活の介助や機能訓練などを受けられるサービスです。
外部の事業者が介護サービスを提供する「外部サービス利用型」もあります。
「特定施設入居者生活介護」は「入居している施設が自宅としてみなされる」のが大きな特徴の
1つです。

特定施設の対象となるのは、「介護付き有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」「軽費老人ホーム(ケアハウス)」「養護老人ホーム」の4つです。

地域密着型サービスとは、平成18年から新しくできたサービスで、高齢者が中重度になっても
できるだけ「住み慣れた自宅や地域で生活を続けられるよう」身近な地域で提供されるのが、
適しているサービス類型として創設されました。
老人ホームの一種である「グループホーム」などがこれにあたります。

原則として「指定をした市町村の被保険者だけ」が利用できます。
また、「地域住民と交流が持てる立地に所在している」という条件もあります。
サービスによっては「顔なじみの職員による介護」や「柔軟なサービスを提供」できるメリットがあります。
いずれも、施設によって「入所要件が異なる」ため、本人の心身状態をしっかりと把握しておく
必要があります!

要介護認定の流れ

ここまで紹介してきたような、介護保険サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります。では、要介護認定とはどういった流れで進むのでしょうか?

要介護認定のスタートは、「市区町村の窓口で申請」することから始まります。
窓口がわからない場合は総合案内を経由しましょう。

申請には、申請書、介護保険の被保険証、マイナンバーがわかる書類、かかりつけ医の情報などが
必要になります。

申請を終えると「認定調査」が始まります。
自宅や病院などに調査員が訪問し聞き取りを行う「訪問調査」を行います。
その後、市区町村から、かかりつけ医に「主治医意見書」を作成してもらいます。
その後、「コンピューターによる一次判定」と「認定審査会による二次判定」で審査し、
「認定結果の通知」が来る。という流れになっています。

介護認定の申請に費用はかかりません。
認定結果の通知は申請してから「原則30日以内」に届きます。
通知が遅れる場合は「遅れるという通知と理由」が30日以内に通知されます。
もしも、通知した結果に不服がある場合は「不服申し立て」もできます。

まとめ

今回は「要介護3と2の違いは何ですか?」という疑問を解説しました!
要介護3と2の「状態の違い」や「利用できるサービス」の違い、「要介護認定の流れ」まで、
詳しく解説しました!

要介護認定を受け「要介護3と2の違いは?」「利用できるサービスに違いはあるの?」という方や、
これから要介護認定を申請する方、福祉の仕事に興味がある方にとって、役立つ情報をご紹介
しました!

要介護度の違いと、介護保険のサービスについてしっかり把握し介護が必要になっても
「その人らしい生活を送られる」よう、介護保険サービス選びに役立ててください!

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