要介護2で利用可能なデイサービスの回数は?流れや支給限度額も紹介!

2024.03.14

年齢を重ねる毎に、身体の機能が衰え、日常生活を今までのように送ることが難しくなってきます。
要介護2ともなると、自分の思うように身体も動かず、心身ともに辛さを感じることも
少なくありません。

今回はその中でも要介護2という状態に焦点をあて、利用可能なデイサービスの回数や費用、
流れについてもご紹介します。

要介護2という状態を知り、それに合った介護保険サービスを利用することで、
高齢であっても「自分らしく生きられるよう」是非、ご参考にしてください!

要介護2とは

要介護2とは、これまでスムーズにできていた、動作や機能が維持できず、
一人では日常生活を送ることが難しくなってきます。

家事だけでなく、食事、入浴、排泄についても補助が必要になる場合を指します。

要介護認定の基準である、要介護認定等基準時間でみると
「介護が必要な時間が50分〜70分未満。またはそれに相当する状態」と定義されていますが、
この状態は具体的にはどんな状態なのでしょう?

 要介護2の状態

要介護2では、爪を切ったり、お金の管理ができなくなったりと身の回りの管理が難しくなってきます。また、思考力や認知力の低下も見られます。

一例を上げると「爪切りなど手先の細かい動作ができない」「お金の計算が難しく、レジでお札ばかり使ってしまう」「料理の手順がわからない」「テレビの内容が理解できない」などです。

また、心身機能の低下から「転倒」や「転落」のリスクが高まり、それゆえ
「動くことを極力避けよう」とする方も多く見られます。

厚生労働省によると、令和2年の時点で「要介護2の認定を受けた方は約117万人」と、
要介護者全体の17%を占める割合となっています。

要介護2の支給限度額の目安

要介護状態になり、介護度が進むとより多くの介護保険サービスの利用が必要になってきます。

それに伴い費用もかかってきますが、その費用の一部を介護保険からまかなう
ことで、利用者の自己負担は「1割〜3割」ですみます。

この給付の上限額は要介護状態区分に応じて違い、これを「支給限度額」といいます。

この上限は、住んでいる地域によって前後しますが、
「要介護2の支給限度額の目安は、197,050円」です。

自己負担額は1〜3割までありますので、負担割合が、「1割の場合は19,705円」
「2割の場合は、39,410円」「3割の場合は、59,115円」となります。

要介護2でデイサービスを利用した時の月額費用を紹介

要介護2の認定を受け、どんなサービスを利用するかケアマネージャーなどと相談した時、
デイサービス(通所介護)を紹介された、という方は多いのではないでしょうか?

デイサービスでは、要介護2で支援が必要になってくることが多い、食事・入浴・排泄について
介護を提供する他、機能訓練やレクリエーションを行うことができます。

また、日帰りのサービスなため利用者の不安も少なく利用できる点もメリットかもしれません。
そんな、デイサービスにかかる費用はどれくらいなのか詳しく見ていきましょう!

 デイサービスの形態

デイサービスにも色々な形態のデイサービスがあり、主に以下の3つに分けられます。

  • 「認知症対応型デイサービス」
  • 「リハビリ特化型デイサービス」
  • 「お泊りデイサービス」

    それぞれの特徴やメリットについてご紹介しますので、サービス選びの参考にしてください。

・認知症対応型デイサービス:認知症の利用者を対象とした、専門的なサービスを提供する
デイサービス。要介護1以上で認知症の診断を受けた方が利用できます。
 利用目的やサービス内容はデイサービスと同じですが「職員が認知症について理解がある」「介護職員の人数が違う」という点が異なります。

・リハビリ特化型デイサービス:理学療法士や作業療法士など「リハビリテーション専門の
スタッフから機能訓練を受けられる」のが特徴。
リハビリがメインのため、食事や入浴などのサービスがない場合もあるため、事前に確認が必要。
リハビリ特化型デイサービスは「短い時間で行われることが多く」長時間の滞在が不安な方に
とってスケジュールを組みやすいのもメリットの一つです。

・お泊りデイサービス:デイサービス利用後に、そのまま施設に宿泊できるサービスです。
比較的安い料金で宿泊でき、急な旅行や外出時に利用できるため需要の高いサービスとなっています。注意点は、デイサービスは保険適用ですが、宿泊料は保険適用外のため、全額自己負担となります。

 負担割合と介護度

介護サービスを利用し費用の支払いは「介護給付」と「自己負担」から支払います。
利用者の自己負担は1割〜3割の間で、これを負担割合といいます。

この負担割合が何割になるのかは
「年齢」「本人の所得」「年金収入」「世帯内の65歳以上の人数」によって決まります。
介護サービスの利用を開始する前に、自分の負担割合がいくらなのか確認しておきましょう。

・自己負担割合は通常1割負担です。例えば、65歳以上の方の1人世帯で、
「合計所得金額は160万未満」の場合「負担割合は1割」となります。

・収入などの条件によって2割、3割になります。例えば、「現役並みの高所得の高齢者」は
自己負担割合は「2割または3割」となります。
 また、「65歳以上の方が1人暮らし」の場合と「65歳以上の夫婦世帯」の場合でも異なります。

利用者や家族の収入、家族構成、その他の収入要素などが考慮され、最終的な自己負担割合が
決定されます。この負担割合は毎年見直しされるため、「前年度と割合が違う」
場合もあります。

 利用時間

デイサービスの費用は前述した、「要介護度」と「負担割合」の他に「利用時間」でも異なります。
要介護2で利用時間が異なる場合の利用料金の目安は以下の通りです。
(通常規模のデイサービスの場合)

・3時間以上4時間未満:421円
・4時間以上5時間未満:442円
・5時間以上6時間未満:670円
・6時間以上7時間未満:686円
・7時間以上8時間未満:773円
・8時間以上9時間未満:787円

※ 施設規模の大きさや、地域によって料金は異なります。

食事代・おむつなどの費用

デイサービスの料金について、注意しなければならない点として「食事代」や
「おむつ費など、その他の費用」は保険適用外で全額自己負担となるので注意が必要です。
食費は、施設が決めるため料金が異なりますが、「目安は500円〜1500円」のようです。
※詳しい料金は事前に施設に確認しておくことが大切です!

おむつや歯ブラシなどの日用品は「使った分だけ料金がかかる」ので、1日の料金は
数百円程度となります。

日用品はデイサービスのものを利用した場合に料金がかかるため、持参することで費用を
抑えることができます!

 加算

デイサービスを利用した場合、利用料と同じように請求される費用で「サービス加算」というもの
があります。
サービス加算とは「特定のサービス」や「人員体制の強化」にに対して請求される費用で、
介護保険適用の費用です。
この特定のサービスとは「栄養改善の取り組み」「口腔ケア」「入浴介助」がこれに当たります。

次に、人員体制の強化に対して発生する加算とは「サービス提供体制強化加算」といいます。
「サービス提供体制強化加算」とは、「基準を満たした施設」を利用する場合に、
利用者全員に加算される費用で金額は一律です。

施設がこの加算を請求できる条件は以下の通りです。
・デイサービスの人員基準を満たしていること  
・利用定員内でサービスを提供していること

また、施設に所属している「介護福祉士保有者」の割合が多いほど、加算される仕組みに
なっています。

デイサービス回数は支給限度額により異なる

デイサービスを利用する際、回数としての制限などはありませんが、
利用料金が「支給限度額」を超えると、「超えた分が全額自己負担」になります。

そのため、支給限度額の中でサービスを利用する場合は利用できる回数は
「支給限度額により異なる」ということになります。
全額自己負担でも良いという場合は、施設が受け入れしてくれる場合は、デイサービスに通うことは
可能です。

ちなみに、要介護度別の利用回数の目安は以下の通りとなりますので、ご参考にお使いください。
・要介護1〜2:週3〜4回
・要介護3〜4:週4〜5回
・要介護5  :ほぼ毎日

デイサービスを利用するには?

デイサービスを利用するには、まず「要介護認定の申請」をし「要介護認定を受ける」必要が
あります。

その後、「ケアプランを作成」し「デイサービスの利用を選択」することで、
デイサービスの利用を開始できます。
ケアプランの作成は、「ケアマネージャーと相談しながら」どんなサービスを利用し、
どんなプランを組むかを決めていきます。

 デイサービスを探す

デイサービスによっても、施設によって特徴や費用が異なりますので、以下のポイントをおさえて
デイサービスを探すことをオススメします。

① 送迎の時間は生活スタイルに合っているかどうか? 
送迎は基本、朝・夕ですが生活スタイルに合わせて調整ができるかどうか確認しておきましょう。
② 利用者にあった食事を提供してもらえるかどうか?  
塩分制限やアレルギー、キザミ食やミキサー食など利用者に合った食事を提供できるか確認して
おきましょう。
③ 利用人数は利用者の生活にあっているかどうか?  
施設は小規模〜大規模まであります。利用目的や利用者の性格に合った規模の施設を選びましょう。
④ サービス内容は充実しているかどうか?  
機能訓練やアクティビティなどが充実しているか、看護師によるケアはどうかも選ぶポイントと
なります。

 見学・体験

デイサービスを選ぶ時には、できるだけ「見学や体験」をしてから決めましょう。
初めてデイサービスを利用する場合は、何箇所かのデイサービスを見学しましょう。

また、可能であればデイサービスを利用する本人が見学や体験をするようにしましょう。
サービスを利用するのは本人ですので、もしもデイサービスの利用に不安があるよう
であれば、デイサービスの相談員等に、そのことを伝え「本人が安心できるようなサービスや
お話を中心」に見学させてもらいましょう。

もしも、見学や体験に行った時、「職員が挨拶しない・言葉が威圧的」「トイレなどの介助が雑」
「掃除ができていない」などがあれば、利用を見直す必要があるかもしれません!

 契約・利用開始

デイサービスの見学や体験を終え、「自分に合っている」と感じた施設を選ぶことができれば、
「契約」をし、サービスの利用を開始することになります。

実際に契約を交わす際は「契約書」を必ずよく読んで、以下の項目がしっかりと明記されているか
確認してからサインをしましょう。

「契約時に明記されているか確認するべき項目」
・事業者の指定について  ・契約当事者の確認   ・介護担当者の資格について   ・保険サービスと保険外サービスについて   ・サービス内容と手順について
・サービス内容を変更する権利について   ・利用者が負担する金額について   ・自己の責任について   ・事業者が損害保険に加入しているか
・利用者の解約権   ・秘密保持   ・介護記録   ・サービスの質を評価するための情報

まとめ

今回は「要介護2」の状態と「デイサービスの利用について」ご紹介しました。

「要介護2の状態」について理解し、利用できる「支給限度額」と「負担割合」を確認することで、
無理や負担なく「介護保険サービス」を利用していきましょう。

「デイサービスの費用」についても注意点がいくつかあり、「デイサービスを選ぶポイント」
についても解説していますので、役立てていただければ幸いです。

要介護2になると、「介護の負担や本人の負担」も大きくなります。
無理に自分たちだけで解決しようとせず「地域の力やサービスの助けを借りて」地域全体で
要介護高齢者を支えて行けるような環境を私達からつくっていきましょう!

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