要支援1のサービス例は?内容や利用方法も徹底紹介!

2024.03.14

介護が必要になり、要介護認定や要支援認定を受けると要支援1〜2、要介護1〜5などの区分に
分けた認定をもらいます。

しかし、区分や数字だけみても「要支援1ってどんな状態?」「要支援1はどんなサービスが受けられるの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。

そんな方のために、今回は要支援1について解説と、利用できるサービスについて詳しく解説していきます!

要支援1とは

要支援1とは介護保険制度における要介護認定の1つです。

要支援認定、要介護認定は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」の8つに区分され、
数字が大きいほど介護が必要な度合いが高くなります。

介護や支援が必要な状態のなかでは「要支援1は最も度合いが低い」区分ということになります。
それでは具体的に「要支援1はどんな状態」なのか見ていきましょう。

 要支援1の状態

要支援認定、要介護認定は「要介護認定等基準時間」によって区分分けられます。
要介護認定等基準時間は簡単に説明すると「介護が必要な時間」を意味します。

要支援1はこの「介護が必要な時間が、1日あたり25分以上32分未満。」またはそれに相当する状態。
と定義されています。

この状態は、「身の回りの生活は自分でできるが、立ったり座ったりの動作や買い物、
掃除など部分的に介助が必要」な状態です。

日常の生活は基本的にできるが「スーパーが遠くて買い物だけ助けが必要」なため、
一部分だけ助けを必要としながらも一人暮らしを続けているかたも多いです!

要支援1の支給限度額の目安

要支援認定、要介護認定を受けた方は、「介護保険から一部の費用を出してもらえます」
これを「区分支給限度基準額」や「支給限度額」と言います。

そのため、介護認定を受けた方は介護保険サービスを「自己負担1割〜3割」で受けることができます!
この「支給限度額」は、要支援認定、要介護認定の度合いによって「上限が違う」のが特徴です。

地域によって、各区分の金額に多少の変動がありますが
「要支援1の支給限度額の目安は、50,320円」です。(1月あたり)支給限度額が50,320円なので、
自己負担は「1割の場合:5,032円」「2割の場合:10,064円」「3割の場合:15,096円」となります。

この支給限度額をこえると、越えた分のサービス料は「全額自己負担」となります。

要支援1で利用可能なサービスを紹介

ここまで、要支援1の状態と支給限度額について説明しました。
ここからは実際に「要支援1で利用できるサービス」についてご紹介します。

要支援1では、要介護状態になるのを防ぐために生活機能を維持・向上するための
「介護予防サービス」を受けることができます。

 訪問型サービス

【要支援1 サービス例 訪問型サービス】
訪問型サービスとは以下のように、自宅にヘルパーなどが訪問し、生活援助や身体介護、リハビリテーションなどを受けることができるサービスです。

・訪問介護:自宅でホームヘルパーから、食事、入浴、排泄などの介護。
掃除、洗濯、買い物、調理などの生活支援を受けることができます。
・訪問入浴介護:自宅で入浴が困難な方に対して、看護師と介護職員が特殊浴槽を用意し
入浴介助を受けることができます。
・訪問看護:自宅で看護師による、健康観察や医療ケアのサービスを受けることができます。
・訪問リハビリテーション:自宅で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などによる身体機能の
維持・向上に向けたリハビリを受けることができる。

 通所型サービス

【要支援1 サービス例 通所型サービス】
通所型サービスとは、以下のように施設や病院に「通って」介護や機能訓練などを受けることが
できるサービスです。

・通所介護:デイサービスとも言う。施設に日帰りで通い、健康状態のチェック、食事、入浴、
機能訓練、レクリエーションなどの提供を受けることができます。
・通所リハビリテーション:デイケアとも言う。施設や病院に通い、心身機能の維持回復のために
リハビリテーションを受けることができます。
・認知症対応型通所介護:認知症の方が施設に通い、食事、入浴、排泄などの介護や、心身機能の
維持回復のためにリハビリを受けることができます。

 短期入所型サービス

【要支援1 サービス例 短期入所型サービス】
短期入所型サービスとは、以下のように施設や病院に「短期間宿泊」して介護や機能訓練を
受けることができるサービスです。

・短期入所生活介護:ショートステイとも言う。
施設へ短期間宿泊して介護や機能訓練を受けることができます。
・短期入所療養介護:医療期間や施設で短期間宿泊して、身体介護、医療ケア、機能訓練などを
受けることができます。

※ショートステイは連続で30日まで利用でき、それを超えた日数分の費用は全額自己負担になります。
※利用する施設によって、多床室か個室、従来型かユニット型かによって、費用が異なりますので
注意が必要です。

 福祉用具

【要支援1 サービス例 福祉用具】
福祉用具とは、杖や車いすなど身体機能を補助する用具です。
これらの「レンタル」や「購入」ができるサービスです。

・福祉用具貸与:要支援1・2でレンタルできる福祉用具は「手すり(設置工事を伴わないもの)」
「スロープ(設置工事を伴わないもの)」「歩行器」「歩行補助つえ」
※ 歩行器のうち「自動制御型歩行器」は貸与できる条件があります。
・特定福祉用具販売:「腰掛け便座」や「簡易浴槽」「移動用リフトのつり具部分」など、
基本的に直接肌に触れ得るような用具はレンタルではなく販売になります。
購入時に全額支払ったあと、申請すると最大9割の払い戻しを受けることができます。

※同じ用具であっても、インターネットやホームセンターで購入した場合は払い戻しを
受けられないこともあるので注意が必要。
※支給額は1年で「10万円」までと上限があります。

 住宅の改善

【要支援1 サービス例 住宅の改善】
住宅の改善とは、高齢者が住む住宅の「段差を解消したり」「廊下や階段に手すりをつける」
といった小規模の改修に対して、「1人1回のみ20万円」まで費用が支給される
サービスです。改修例としては以下のようなものがあります。

・手すりの取り付け。
・段差の解消。
・滑りの防止や、移動の円滑化等のために、床や通路の材料を変更する。
・扉を引き戸に変更する。
・洋式便器等へ便器を入れ替える。

※ 工事着工前に、事前申請が必要なので要注意!
※ 例えば夫婦ともに要介護状態で住宅改修が必要な場合は「40万円」まで支給されます。
※引っ越した場合は、再度20万円まで支給されますが、住所変更などをしていない場合は
支給されません。
※A宅からB宅に引っ越し、再度A宅に引っ越した場合は支給されません。
(A宅で一度支給されているため)

 施設に入所して利用可能なサービス

【要支援1 サービス例 施設に入所して利用可能なサービス】
要支援1は、要支援認定、要介護認定の中では一番自立度の高い区分ですが、施設に入所して
サービスを受けることもできます。
その方の状態や環境によっては、いくら自立度が
高いと言っても、介護の負担が大きくなることもあります。介護の負担が大きい場合は無理せず、
以下のような入居できる施設に頼るのも大切です。

・有料老人ホーム
 民間の事業者が運営する老人ホームで、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームなどが
あります。
 「介護付き有料老人ホーム」は行政から「特定施設」の指定を受けている施設です。
「住宅型有料老人ホーム」は生活支援のサービスを受けられ、介護サービスが必要な場合
 は、訪問介護や訪問看護などの外部サービスを利用する型になります。
・サービス付き高齢者住宅(サ高住)
 60歳以上を対象と賃貸住宅です。安否確認と生活相談サービスがついていますが、それ以外の
サービスは各施設によって大きく異なります。
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
 炊事、洗濯などの支援サービスを受けられる施設です。所得によって費用が減額される制度も
あり比較的低所得でも入居できます。
一般型と介護型があり、要支援の方は一般型に入居することになります。

 地域密着型サービス

【要支援1 サービス例 地域密着型サービス】
地域密着型サービスとは、今後増えることが予想される中高度の要介護高齢者が
「できる限り住み慣れた地域で生活が続けられるよう」市町村指定の事業者が地域住民に提供
するサービスです。
地域密着型サービスの利用には、要支援認定、要介護認定を受けていることと事業所と同じ市町村に
住んでいることという条件があります。
要支援1で利用できる地域密着型サービスは以下の通りです。

・介護予防小規模多機能型居宅介護
 通いを中心に、利用者の選択に応じて訪問型サービスと短期宿泊サービスを組み合わせて、
日常生活の支援や機能訓練を受けられます。
・介護予防認知症対応型通所介護
 認知症の高齢者がデイサービスやグループホームに通い、日常生活の支援やリハビリテーションを
受けられます。

※要支援の方が利用できる地域密着型サービスに「認知症対応型共同生活介護」もありますが、
こちらは要支援2からでないと利用できませんので、注意が必要です。

支援サービスの利用方法

要支援1の方が、今回紹介してきたような、サービスを利用するにはどういった手順が必要なので
しょうか?介護認定から、サービス利用までの流れは以下のような流れです。

① 要介護認定:「認定の申請を出す」→「訪問調査と主治医意見書の作成を行う」
→「一次判定(コンピューター)・二次判定(介護認定審査会)」→「要介護認定」

② 介護予防サービス計画書の作成。→要支援1・2の方は「地域包括支援センター」に作成を依頼
することができます。※自分で作成することもできます。

③ 介護サービスの利用開始:介護サービス計画に基づいた、色々なサービスをうけることができます!

まとめ

この記事では「要支援1の状態」について、認定基準と具体的な例について説明をしました。

また、要支援1で利用可能なサービスについても、訪問型サービスや通所型サービスから、
地域密着型サービスまで詳しくご紹介しました!

要支援1は「介護予防サービス」を利用できます。これは文字通り「要介護状態になるのを予防」
するためのサービスとなっていますので、要支援1の状態についてしっかりと理解と把握をし、
適切なサービスを利用することで要介護状態を予防し、いつまでも元気に自分らしく人生を
楽しみましょう!

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