介護におけるオムツ交換の手順は?注意ポイントも詳しく紹介!

2024.03.14

日本では超高齢化にともない、オムツを付ける高齢者も増えています。
介護におけるオムツ交換は介護者も利用者さんも心身の負担が大きいケアです。

オムツ交換がスムーズに行えず時間がかかったり、うまく付けられないと悩む方もいるでしょう。

こちらの記事では短時間できれいにおむつ交換を短時間でおこなう手順や注意ポイントを詳しく
解説します。

オムツ交換する際の事前準備

オムツ交換する際は事前準備をしっかりおこないましょう。

事前準備が整っていないと、オムツ交換する際に手間が増え時間がかかり、介護者も利用者さんも
負担です。
以下ではオムツ交換に必要な物品や環境作りを詳しく解説します。

 必要な物

オムツ交換する際の事前準備は、必要な物品を確認しましょう。

①おむつ:テープタイプのおむつを用意してください。

②使い捨て手袋、エプロン、マスク:衛生面を保つために必ず使用してください。
手袋は汚染物がついた時すぐに交換できるよう何セットか用意しておきましょう。

③タオル、おしりふき:体を拭くための温かいタオル1枚と乾いたタオル1枚を用意してください。
おしりふきは排泄物を取り除くために大人用の大きいものを。

④陰部洗浄用のお湯、ボトル、石鹸:陰部洗浄用のお湯はボトルに入れて事前に準備しましょう。
ボトルは専用のものでなくてもかまいません。
ペットボトルや100円均一で販売されているソースポッドなどで代用可能です。お湯は38~40度。
利用者さんにかける前に介護者の腕の内側にかけて温度を確認してください。
石鹸は専用のものでなくてもかまいませんが、肌が弱い方もいるので肌に優しい成分の石鹸が
おすすめです。

⑤ケアシーツ:オムツ交換時、ベッドのシーツが汚れないように利用者さんのお尻の下に
ケアシーツを敷きましょう。

⑥ゴミ袋:交換した古いオムツや、交換した手袋が入る大きさの袋を用意してください。

⑦尿取りパッド:必須ではないですが、夜間尿が多い方は尿取りパッドを使うと交換の頻度を
減らせます。

⑧新聞紙:必須ではないですが、汚染された尿取りパッドやオムツを包むと臭いを抑えることが
できます。

 環境作りを行う

オムツ交換する際の事前準備は環境作りをおこないましょう。
介護者と利用者さんがともに負担のない環境を整えることが大切です。

①ベッドの高さの調整
介護者が中腰にならないようオムツ交換しやすい高さに調整し、腰などの負担を減らしましょう。
介護者の負担が減れば短時間でオムツ交換でき、利用者さんの負担軽減つながります。

②カーテンやドアを閉める
オムツ交換は利用者さんにとって恥ずかしいと感じるケアです。
羞恥心に配慮し、必ずカーテンやドアを閉めましょう。

③ゴミ袋を広げておく
交換した古いオムツや汚れた手袋をすぐに捨てられるようにゴミ袋は広げて入れやすくして
おきましょう。

オムツ交換の手順を紹介

介護現場でのオムツ交換は1人あたり1日4回程度と頻度の多いケアです。
介護者も利用者さんもなるべく負担が少なるように短時間でできるオムツ交換の手順を
把握しましょう。
以下ではオムツ交換のスムーズにおこなうための詳しい手順を説明します。

 古いオムツを外す

オムツ交換はまず古いオムツを外しましょう。
オムツ交換の前には羞恥心に配慮した声かけを。
オムツという言葉を嫌がる方もいるので下着と言い換えてもいいかもしれません。

陰部も「おしも」と言い換えて、「おしもをきれいにさせてもらってもいいですか」と、
確認してからケアをおこないましょう。

また、プライバシーや羞恥心に配慮しオムツ交換の際はカーテンや扉を必ず閉めてください。
古いオムツを外す際にズボンはすべて脱がさず、膝下までおろしてから古いオムツを外しましょう。
テープを外し、オムツの前側を開いて陰部洗浄をおこなってください。

 陰部の洗浄と清拭

古いオムツを外したら、陰部の洗浄と清拭を行いましょう。
陰部洗浄前に、皮膚トラブルの有無や、尿や便の状態を確認してください。
陰部洗浄は基本的には1日1回。

洗いすぎると皮脂を過剰に取り去り、肌トラブルの原因になります。
陰部洗浄の際、ボトルは陰部に近付けすぎず手に沿ってぬるま湯をかけましょう。
石鹸は泡立ててから優しく陰部へ。
感染防止のため尿道から肛門へ一方向で優しく洗ってください。

おしりふきで泡を拭き取り、ぬるま湯で残った泡を流しましょう。
流し終わったら水分をおしりふきで優しく拭いてください。
男性の場合、陰茎の裏側に泡や汚れが残っていることもあるので優しく拭きましょう。
陰部洗浄を行わない時は温かいタオルで清拭を行ってください。

 新しいオムツを付ける

陰部洗浄と清拭が終わったら新しいオムツを付けましょう。
オムツを付ける前にはギャザーをしっかり立てておくことも忘れずに。

古いオムツは丸めて膝の間に差し込み、利用者さんの体を横向きの姿勢にしてから新しいオムツを
お尻に合わせて付けます。

一旦姿勢を戻し、反対側の横向きの姿勢にしてオムツをお尻に合わせたら、古いオムツをよけて、
姿勢を戻してください。
オムツは引っ張らず前側を鼠径部に合わせて、優しく押さえましょう。

オムツの上端がおへその上にくるのが目安です。
テープは平行に貼らず、クロスさせるように貼ることで下へずれにくくなります。
指1本入る程度を目安にテープを貼りましょう。

 体勢とオムツを整える

新しいオムツを付けたら、体勢とオムツを整えましょう。
オムツ交換時に乱れた上衣はしわを伸ばしてください。
オムツが整え終わったらズボンを整えることも忘れずに。

オムツを整える時は、オムツが中心にきているか、ギャザーはしっかり立っているか、
尿取りパッドはずれていないかを確認してください。

体勢は基本的にオムツ交換をする前と同じ体勢に戻しましょう。
床ずれができやすい方は、オムツ交換前と体勢を変えたり、背抜きをして体勢を整えてください。

 更衣介助・古いオムツの処理

体勢とオムツを整えたら、更衣の介助と古いオムツを処理しましょう。

ズボンを履く時は太ももまでズボンを上げた後、体を横向きにしてズボンをお尻まで上げます。
上衣のしわを伸ばすことも忘れずに。
一旦姿勢を戻し反対側も同様に行います。

衣類にしわがあると床ずれの原因になるので注意しましょう。
古いオムツは新聞紙に巻いて臭いを軽減させ、ゴミ袋に入れて処理してください。
オムツを処理した後は5~10分換気を行いましょう。

臭いが気になる場合は消臭スプレーを使用してもいいかもしれません。
オムツ交換の手順をイラストにすると、利用者さんの家族にも共有できるのでおすすめです。

オムツ交換をする際の注意ポイント

オムツ交換は介護者、利用者さんともに心身の負担が大きいケアのため、
短時間での交換が求められます。

しかし、急いでオムツがきれいに交換できず、ズレたり漏れてしまっては本末転倒。
以下では適切なサイズのオムツを選んだり、声かけの方法、オムツの合わせ方などの注意ポイントを
説明します。

 適切なサイズのオムツを選ぶ

オムツ交換をする際の注意ポイントは、適切なサイズのオムツを選びましょう。
大きすぎたり、小さかったり、サイズの合わないオムツは不快感や漏れにつながります。
テープタイプのオムツはお尻のサイズで合わせましょう。

お尻のサイズはお尻の1番広い幅で測ってください。
市販のオムツにはお尻の寸法が記載されいるので、実寸と合ったサイズのオムツを使用しましょう。
ただし、オムツを付けた時にぴったり過ぎても皮膚トラブルの原因になる可能性があります。

オムツに指が1本入る程度を目安にテープで調整しましょう。

 羞恥心に配慮し声掛けをする

オムツ交換をする際の注意ポイントは、羞恥心に配慮し声掛けしましょう。
オムツ交換は恥ずかしいと感じる方も多く、自尊心を傷つける可能性があります。

オムツという言葉もなるべく使わず下着に置き換えるとよいかもしれません。
オムツ交換時は必ずカーテンや扉を閉め、プライバシーに配慮を。

オムツ交換時は適宜声かけしますが、特に陰部洗浄や清拭を行う時には羞恥心に配慮し言葉を
選びましょう。
また、陰部洗浄や清拭が終わり新しいオムツのセットする準備をしている際は肌をさらさず、
毛布などをかけておいてください。

 身体の中心とオムツの中心を合わせる

オムツ交換をする際の注意ポイントは、身体の中心とオムツの中心を合わせましょう。

身体の中心とオムツの中心がずれていると、オムツのずれや漏れの原因になります。
オムツの前側の上端がおへその上にくるようにすると、身体の中心と合わせることが可能です。
この時オムツに指1本入るかも確認しましょう。

中心が合っていても、きつすぎたり、ゆるいと不快感や漏れの原因となるため注意が必要です。
テープをクロスさせるように貼り、合わせた中心をキープしましょう。

 テープを平行に貼らない

オムツ交換をする際の注意ポイントは、オムツのテープを平行に貼らないことです。
テープはクロスさせるように貼ることがポイント。
平行に貼ってしまうとオムツが下にずれやすくなります。

下のテープを斜め上、上のテープを斜め下にクロスさせるようなイメージで貼るとズレにくくなるのでおすすめです。

テープを貼った後、オムツが指1本程度入ることも確認してください。
きついと圧迫感があり、ゆるいとずれたり、漏れの原因になるため注意しましょう。

まとめ

こちらの記事では短時間できれいにおむつ交換を行う手順や注意ポイントを詳しく解説しました。

適切なサイズのオムツを選び、羞恥心に配慮し、ポイントを押さえた手順でオムツ交換をすることで
介護者も利用者さんも心身の負担が軽減されます。

実践しながらオムツ交換の手順をしっかり身につけ、オムツ交換の能力が向上されることを
願っています。

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