認知症の看取り介護とは?場所や施設決定のポイントも紹介

2024.04.01

「看取り介護ってなに?」「看取りの意味や定義は?」と気になっている方が多いのでは
ないでしょうか。

高齢化社会の中で家族の看取りを考える方が増えています。
この記事では看取り介護の定義や、認知症の看取り介護の種類をご紹介します。

現在自宅での看取りを望む方は増えていますが、実際に住み慣れた自宅で看取ることができるケースは少なくなっています。
また看取りと似た「ターミナルケア」「緩和ケア」「ホスピスケア」との違いについてもご紹介します。
看取り介護についての理解を深め、要介護者と家族にとってより良い介護方法を見つけましょう。

認知症の看取り介護とは

看取りとは、「死が避けられない方に対して、身体的精神的な苦痛を軽減しつつ、人生の最期まで
尊厳ある生活を支援する」ということです。

認知症の看取り介護とは、言葉の通り認知症者における看取り介護のことを指します。

 認知症の初期・中期・後期

認知症には、「初期」「中期」「後期」の3つの段階があります。
そのため認知症者の看取り介護は一般的な介護に比べ、今後の見通しが立ちやすく、
疲労が少ないです。

初期段階では、認知症者の活動は活発で、周囲が理解できることもあれば、理解できないことも
あるような状況です。
そのため介護者や家族は、理解してもらうために言動を正そうとして疲労やストレスが溜まって
しまいます。
しかし中期になると活動量や理解できることが減り、後期になるとほとんど見られなくなります。

看取り介護以外のケア方法とは

看取り介護とは基本的に医療行為を行わず、日常生活で身体的精神的なストレスを軽減して
支援することです。
そんな看取り以外の「ターミナルケア」「緩和ケア」「ホスピスケア」を看取り介護との違いととも
に解説します。

 ターミナルケア

ターミナルケア(終末期医療)と看取り介護は、どちらもできる限り利用者の苦痛を取り除いて
無理な延命治療を行わないということで共通しています。
つまりどちらも、終末期でも人間の尊厳を守って支援をするということです。

では看取り介護との違いは何なのか。
ターミナルケアと看取りの違いは、医療行為の有無にあります。

ターミナルケアは終末期医療と別名がある通り、可能な限り利用者の苦痛を取り除きつつ
終末期における医療を行います。
一方看取り介護は、医療行為を行わずに日常生活のサポートをすることが中心となっています。

 緩和ケア

看取りと緩和ケアの大きな違いは、ケアを行うタイミングにあります。
両者とも利用者と家族のストレスを考慮しながら支援する点では共通しています。

看取りは臨死期のみ行われるものであり、緩和ケアは終末期に関わらず様々な場面で行われるという
ことです。
また看取りは医療行為を行わず、利用者の日常生活をサポートする一方、緩和ケアは医療的な
アプローチで、病気の治療や延命治療をします。

 ホスピスケア

ホスピスケアとは、看取り介護と同じく余命が近づいている患者に対して、身体的精神的な
ストレスを軽減する支援です。

ホスピスケアは病棟に入院するのではなく、医師や看護師が自宅に訪問して利用者の苦痛を
できる限り和らげてサポートします。
一般的にホスピスケアは延命を重視しませんが、適切なケアを行うことによって多少余命が
伸びることがあります。

看取り介護ができる施設や場所は?

看取り介護ができる場所は一般的に、「病院」「介護施設」「自宅」となります。
ではそれぞれの場所のメリットとデメリットを含めた看取りの流れを見ていきましょう。

 病院

病院は常に専門的な医療ケアが受けられるため、急に病状が悪化した時でも安心できることが
メリットです。
介護施設と同じく常にプロに介護を任せられるため、家族の負担が大幅に減ります。

一方デメリットとして、そもそも看取りを受け入れている病院が少ないため入院するまでに
時間がかかる、または入院できない場合があります。
そのうえ病院での看取りは費用が高かったり、利用者が周囲の環境によってストレスを感じて
しまうこともあります。

 介護施設

介護施設では、プロの看取り介護士が対応するため、自宅と比べて豊富なケアを受けることができます。
また介護施設では、利用者が心身ともにリラックスできる環境が整えられているため、ストレスなく
生活することができます。

しかしあくまでも介護施設であるため、病院のように十分な治療行為を受けることは難しくなります。
また病院同様にサービスを受けるため、資金的な問題があります。

 自宅

要介護者の中で、自身の最期を自宅で迎えたい方は増えてきています。

何より住み慣れた自宅での看取りは、要介護者にとって一番リラックスできる場所であり、
家族との時間を大切にすることができます。

また病院や介護施設と比べて大幅に費用を抑えることができるため、金銭的な負担が少なく済みます。

しかし、急な病状の悪化の際に対応できる医師がいないため、緊急時に医療行為が受けられない点が
懸念されます。

看取り介護を受け付けていない場所は?

看取り介護ができない場所として挙げられるのが、デイサービスなどの通所介護施設ですが、
それを除く多くの施設が看取り介護を受け入れています。

具体的には、有料老人ホームや認知症者専門の施設であるグループホームなどで看取り介護が
可能です。
しかしデイサービスを除く一部施設では、看取り介護を行っていない場合もあるので、
事前に確認しておくことが必要です。

看取り介護を行う施設を決定するポイント

看取り施設を選ぶにあたって一番重視すべき点は、緊急時の対応が可能かということです。
また当直の看護職員がいるか、オンコール制度があるかを事前に確認しましょう。

他にも看取り介護の実績や、本人と家族に寄り添っているかも見ておきましょう。
施設によってはエンゼルケアを行っている場所もあります。
エンゼルケアとは、死後に身体を清めたり、化粧をするケアのことを言います。

これらのケアも施設内で行える場所は、亡くなった後の流れがスムーズになるため、
非常に便利です。

まとめ

看取りは身体的精神的なケアが中心となっています。

現在は病院で亡くなる方が多く病床不足なため、自宅や介護施設での看取りが増えると予想されます。
そのため介護期間であっても、早い時期から看取りについて考えることが大切です。

この記事で看取りについての知識を正しく深め、今後の看取り介護についての考え方をまとめて
みましょう。

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